マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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終わったばかりの常福寺の茅の輪

2008年07月17日 07時58分16秒 | 大和郡山市へ
昨年、偶然発見した井戸野町常福寺の茅の輪。

6月末の日曜日に行われると聞いていたので事前に話を伺おうと夕刻に立ち寄った。

町に着くあたりから降り出した雨はどしゃぶり状態。

大雨のなか大勢の奥さま方がお寺から出てきて家へ走り去っていく。

片付けたばかりだとおっしゃる。

檀家さんの都合とやらで今日20日の金曜日になったそうです。

特に本日は阿弥陀さんが修復されて開眼法要も兼ねて14時からはじめたとのこと。

仕方ないのでお供えされていた「小茅の輪」と「掛膳(白メシ、インゲン豆、アゲにコーヤ、ミソ汁、漬けものの五品椀)」の御膳を拝見。

茅の輪の原料は大御門の池で手に入れていたが除草剤をまくようになってなくなった。

それならと白土町まで出かけて入手するようになったという。

青さをだすのに大鍋に湯を沸かして塩茹でする。

大茅の輪も小茅の輪は婦人会の皆さんが手作り。

一週間前の日曜日に作るそうだ。

なお、小茅の輪はお家の玄関の上に掲げるそうで、いわゆる厄除け。

来年こそきちんと訪問したいですね。


この日、井戸野町を訪問したのは井戸野金丸行者講の方を紹介していただくためでもある。

お寺さんに井戸行者講の方を紹介してもらって聞き取りに伺う。

講元さんは不在でしたので、今夏に大先達となられる役員さんを紹介してもらった。

金丸講は大峰さんの八代講のひとつで、もちいどの金丸講が有名だという。

大峰さんに行って金丸講の鉢巻きしてれば羨ましがられるという。

昔は矢田の八幡さんの郡山金丸講があったが、名だけになってしまったそうだ。

井戸野金丸行者講は先達などの役員(9人)が大峰さんに登る「山講」。

60軒の講の家が毎月(実際は講家の都合で飛んだりして年に8回ほどで1月はしない)営む「回り講」のふたつ。

厨子を五本の掛け軸を掲げてのお勤めは子どもが休みの土曜日と決め、昼前と夕刻に子どもがはじまり合図の法螺貝を吹く。

時間は子どもに任せているそうなのではっきりとした時間はそのときにならないと判らない。

行者講に子どもを参加させるのは後継者の育成だそうです。

法螺貝吹きを体験させ講の仲間として認めるような意味合いがあると思われます。

なお、お勤めは19時半から始まる。

昔はコンニャクとドロイモを煮た炊いたん料理を供えていた。

それに玄米をほうらくで煎って爆ぜたものも供えていたという。

保存食ともなる爆ぜた玄米煎りはほうらくがなくなったため、10年前からポップコーンに変化したそうだ。

今月の回り講は次の講家がどうされるのか、いつするのか、まだ決まってないという。

高野街道が町内を抜けていく井戸野町。

秋祭りの前日(体育の日の前日)には大きな木臼を置いて、石搗き唄を歌いながら千本杵で餅を搗く。

これも楽しみにしておこう。

(H20. 6.20 SB912SH撮影)