マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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金龍寺オコナイ乱声

2009年03月31日 07時44分23秒 | 奈良市(旧都祁村)へ
奈良市都祁の馬場では成人の日の前日と今日の二回、乱声と呼ばれる行事が行われている。

都祁の地域は馬場の近隣各地で行われている。

南之庄の歓楽寺、友田の都祁水分神社、藺生の青龍寺、白石の国津神社、(来迎寺)、針の観音寺、小倉の観音寺、針ヶ別所の長力寺、上深川の元薬寺、下深川の帝釈寺がある。

いわゆる初祈祷の行事で室生では染田の十輪寺、下笠間の九頭神社などで行われていると聞く。

成人の日の前日に馬場の神明神社(元福蔵寺)で行われた二週間のちは金龍寺で営まれる。

堂内でパック御膳の直会を済ませた30軒の馬場の住民はその前に叩き板を並べて座っている。

祭壇の前には太いウルシ棒が数本立て掛けられている。

先は三本に割られている。

住職は二階の席に座って理趣経を唱える。

十数分経過したころ、錫杖を振って「敬って申す らんじょう」と発せられると持ってきたウルシ棒で板を叩く。

激しく叩く音は堂内に響きわたり攪乱状態。

十数秒だったのでしょうか。

叩きが止まると再び読経が聞こえてくる。

しばらくすると再び「らんじょう」。

ウルシ棒は粉々になって座敷に投げ捨てられる。

太鼓が打たれていたのだがその音は消し飛んでいくほどの勢い乱声。

五穀豊穣、天下泰平、家内安全を願う乱声はオコナイのなかでの所作だ。

かつては子どももやってきて堂外の縁側を叩いていたという。

乱声を終えると特徴的な図柄の牛玉宝印書を授かる。

これをウルシ棒に挟んで二週間前にもらった牛玉さんとともに二本を苗代に立てる。

洗い米(袋入り)を置いて梅の枝、ススキ、サカキを供える苗代の水口祭は三月末から四月初旬の社日の日の朝に行われる。

座敷に散らかったウルシの破片は当番の人が後かたづけ清掃。

厄年の人が当番にあたるという。

昔は男の子が生まれた家の人が当番で参集される本数をすべて用意したという。

負担を減らそうと昭和40年ころから各自が持参するようにしたそうだ。

(H21. 1.25 Kiss Digtal N撮影)