マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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別所の申祭りモリサンへ

2010年01月19日 07時30分42秒 | 天理市へ
注連縄の長さは決まっていない。

出発時間が迫ったらそこで作業を終える。

縄を繋ぎ合わせて一本の注連縄にする。

それを丸くして竹の荷い棒に通す。

それを肩に担いだら、塩水で清めて出幸だ。

先頭の御幣持ちに続いて「デンボ」持ち。

後方は注連縄担ぎに長老たち。

「えんざい まんざい どーくよっ あかめしくいたい はらへった」と唱和しながら山に向かう。

「えんざい まんざい」は「えんさい まんさい」から訛ったものだというが何を意味するか判っていない。

「どーくよ」は「堂供養」のことだそうで、お寺の行事があったかも知れんなあと仰る。

「あかめし」は「セキハン」でショウユゴハンのことだろうと話される。

山まで歩くこと20分。

到着するまで唱和し続ける。

「モリサン」に着いたら御幣とデンボを供える。



担いできた荷いの竹棒は立てておく。

古いそれらの傍らに置く。

一年前の注連縄は朽ちている。

そこへ今年の注連縄を張っていく。



ぐるぐると周囲を巻くように張っていく。

今年は13周にもなったと記念に樹木へ印を入れる。

「さあ、天狗がでてきよるどー」と言って一行は拝むこともなく足早に戻っていった。

『千年も万年も栄えるようで言祝(ことほ)いで人々の長寿と繁栄を祈る万歳楽』。

「えんさい まんさい」を漢字に充てるとすれば「延歳 万歳」が考えられる。

延命を願って注連縄を長く伸ばしていく。

目出度い台詞はそれを現しているのかもしれない。

注連縄張りは「モリサン」の神域を現すものであろう。

唱和の詞とどういう関係があるのか。

五穀豊穣を祈るという不思議な行事は昨年に市の無形民俗文化財に指定された。

(H21.12.23 Kiss Digtal N撮影)