マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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三谷の花つみ参拝

2013年12月09日 07時48分00秒 | 桜井市へ
気になっていた桜井市の三谷の「ハナツミ」の様相。

1日から15日まで毎日当番の人がシキビを供えるって聞いていたので立ち寄った。

「一枚、一枚のシキビを並べるんや」と思っていたが、そうではなかった。

葉っぱの毎数を数えてみればおよそ100枚である。

数え間違いであるかも知れないが、氏子総代から聞いていたのは朝、晩ごと縦に9枚、横に9枚を並べて合計81枚のシキビの葉であった。

四方に立てた竹にもシキビが寄せられている「ハナツミ」。

参拝するときには、前に供えていたシキビを取りはらって台下の籠に置いてあった。

籠にはいっぱい詰まっているから、これまでに参拝した数だけあるのだろう。

『桜井市文化叢書 民俗編』によれば、「花つみまつり」の風習で、氏神さんの菅原神社に朝、昼、晩に参っていたようだ。

四本の竹を立てて簾の台を設えていた。

スダレ台は今では構造物になったが、台部分は簾のような形である。

一日、三回もシキビを仕替える。

『桜井市史 民俗編』では、葛つみ(花つみ)講による行事であったようだ。

8月1日から14日までの毎日。

文化叢書と同様に一日三回もシキビを取り替えていた。

3回目の晩は燈明に火を灯して拝んでいた。

葛つみ講には大字の人の名を記した「花つみ札」があった。

参拝すれば、そのお札を納める箱に入れた。

14日の参拝を終えた人は札箱ごと家に持ち帰って保管する。

翌年に回された隣家が1日に参るということである。

(H25. 8.14 EOS40D撮影)