マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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瀧倉の先祖さんのタナ

2013年12月10日 08時21分57秒 | 桜井市へ
三谷から隣村の瀧倉に立ち寄った。

二老であるOさんの話によれば、かつて、は8月1日から12日までの毎日を上・下の六人衆が交替に神社へ出かけて太鼓打ちをしていたと云う。

一老は1日に、二老は2日に、三老が3日・・・十二老が12日という具合で、朝、昼、晩の3回。

ボン、ボン、ボンと太鼓を三度打っていた。

しばらく間をおいて、再び太鼓を3度。ボン、ボン、ボンと打って般若心経を唱える。

朝、夕には持っていったサカキを供える。

どことなく奈良市の奈良豆比古神社で行われている花摘祭の作法と似ているような時を告げる太鼓打ちのようである。

二老が云うには、瀧倉では「華まいり」或いは「華の番」と呼ぶそうだ。

下の六人衆はサラリーマンを勤めている関係上、辞退され、今では6日までとなっているが、7日には一老がお礼に太鼓を打っていると云う。

なんでも「昔、昔のことで、長谷寺でしていることを瀧倉でもせよ」と云われて続けてきた行事だそうで、本来は陀羅尼経を唱えるのであるが、簡単にということで明治時代からは般若心経になったと云う。

参り方は異なるが、三谷の「ハナツミ」参りも同じような意味があるのではと思った仏事の作法である。

「華まいり」の話題を教えてくださった二老家では座敷に構えた机に先祖さんの位牌を並べてローソク・線香を灯していた。

縁側にはガキダナを祀って、そこでもローソク・線香を灯す。



奥さんが手を合わしていたガキダナは「ガキンド」と呼んでいた。

お盆に入った13日の朝6時にお供え、昼はオニギリとカンビールを持参して籠りをする。

陽が暮れるころまでそうしていると云うのは二老家だけのようだ。

(H25. 8.14 EOS40D撮影)