マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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大江町の行事1

2013年12月05日 07時24分33秒 | 楽しみにしておこうっと
度々訪れる大和郡山市の小林町に住むH婦人が話した辻念仏。

奥さんが生まれ育った出里は同市内の大江町。

実施時期は覚えていないが町内にある四か所の辻で鉦を手で持って叩いていたと云う。

もしかとすれば、であるが、その鉦は六斎鉦ではないだろうか。

そうであればお盆の行事である。

大江町は旧村。碑田村・美濃庄村・大江村・若槻村・井戸野村・上三橋村・下三橋村・番匠田中村からなる添上郡平和村の一町村である。

聞き取りさせていただいた婦人が住まいする住居は集落の北側。

旧道が通っている面にある。

かつて庄屋さんではないだろうか。

家の前には水路がある。

大江村は大和平坦に挙げられる環濠集落の一つであった。

大将軍神社(拝殿前にあるのは貴船神社)の南側にも名残の濠の張りだし部が見られる。

正月迎えの注連縄を調査していた平成22年12月31日平成23年12月30日。拝殿に掲げてあった注連縄は簾型であった。

奈良県庁宮座調査によれが大江町には左座・右座があり、10月1日には朔日座、同月5日には五日座があると記載されている。

同月の14日が宵宮座であったようだ。

11月14日、若しくは16日には大阪平野から如来さんがやってくるというから融通念仏宗派である大江町。

8月10日は南にある墓地で施餓鬼をする。

塔婆ツキはお寺で書いてもらう。

無住であるお寺には奈良市の西九条に住む僧侶が来られるらしい。

各家でオショウライさんを迎えるのは13日の夕刻。

稲刈りを終えれば稲藁束を残しておく。

昨年に刈った稲藁束は納屋に残しておいた。

それを二つに割って稲のシビを取る。

奇麗にした稲藁の内部にオガラを入れる。

それはタイマツ。

家の中庭で火を点けて、線香に移す。

くゆらした線香を仏壇に移すオショウライサン迎えである。

婦人が出里の奈良市高樋町では家の外で迎えて鉦を叩いているそうだ。

南側に建つ民家玄関先に置いてあった木製の木箱。

形からして、おそらく燈明箱であろう。当番の家に置いていったのではと思った。

(H25. 8.12 SB932SH撮影)