マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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大江町の行事2

2013年12月06日 08時49分17秒 | 大和郡山市へ
13日に再び訪れた大和郡山市大江町。住民のN婦人にお話を伺った。

苗代作りを終えた頃の平成21年5月3日である。

街道傍にあった苗代に立ててあった松苗とイロバナ。

水口辺りにあったのだ。

Nさんの話しによれば、松苗は春日大社で行われた御田植神事で奉られたもの。

お参りをしてお祓いを受けて貰ってきた松苗だそうだ。

大江町は春日大社の旧神領地。

大和郡山市内では大江町の他、近隣の美濃庄、稗田、下三橋、上三橋、井戸野、若槻、番匠田中、横田、発志院、石川、中城町もそうである。

春日大社の松苗に括りつけて5粒ほどの種籾を包んでいる。

貰ってからは神棚に祭って、大切に保管していた。

苗代を作り終えて水口マツリをする。

白紙に包んだ玄米を置いて、松苗を立て、イロバナを添える。

奈良市の高樋町ではホウラクで煎った米を撒いているそうだ。

正月迎えに簾型の注連縄を大将軍神社拝殿に掲げる。

オシメサンと呼ばれる注連縄は3軒で回る宮当番のトーヤが作って大晦日に掲げるそうだ。

神社付近のヤブに生えている竹を伐りとって、モチワラで編むように作る。

オシメサンはかつて締めのうちまで掲げていたが、今では正月五日に外していると云う

Nさんは今でも家のオシメサンを作って掲げている。

大将軍神社は女の神さん。願い事を叶えてくれるありがたい神さんだと云う。

拝殿前、西側にある社はキブネサン(貴船神社)で水の神さんとして崇められている。

婦人の話しでは、おばあさん講とも呼ばれている観音講がある。

木魚を叩いて念仏を申す。

西国三十三番ご詠歌は回りの導師が勤める。

最後に三界万霊をする観音講は毎月17日がお勤め。

夜ともなれば6人の婦人たちが集まってくるが、冬場はそれより30分前にしているそうだ。

お寿司を食べてからのお勤めは長丁場。

七つのお茶をするらしい。

当番家で回っていた頃は観音さんの掛軸を掲げていた。

当時は市販品のキリコを買って供えていたそうだ。

観音講は葬儀を家でしていた当時は、「お別れや」と云って2回もご詠歌を唱えていた。

通夜で2回、本葬の際は朝にお別れのご詠歌である。

三日、五日、七日のタイヤ(退夜)にもしていた。

四十九日は葬儀家の親戚も加わってヨバレに参っていたと云う。

春と秋の彼岸の中日にも唱えている観音講の営みは本尊を安置する会所のようである。

この日はオショウライサン迎え。

手際良くタイマツを作って中庭にでる。

そこで火を点けて線香に移す。

くゆらした線香を仏壇に移すオショウライサン迎えは夕暮れ時にすると云う。

15日の夕刻はオショウライサンの送り。

ムエンサンにも線香を灯すそうだ。

(H25. 8.13 記)
(H25. 8.14 EOS40D撮影)