マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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下山田薬師寺の四月大師講

2014年11月05日 07時14分48秒 | 天理市へ
2年前に訪れた際に住民から聞いていた天理市山田町の下山田の大師講。

4月21日に近い日曜日に行われると話していた大師講の行事である。

もしやこの日ではと思って出かけた下山田の薬師寺には大勢の村人が集まっていた。

平成10年4月吉日に寄進した紅白の幕を張った薬師寺にはうる庚申講でも奉った竹作りの花立てがあった。

飾るのはお花でなくコウヤマキの木である。

うる庚申のときはシキビであったが、お大師さんの行事の場合はコウヤマキとなる。

お供えはゴクモチと初老(42歳)・還暦(61歳)祝いの御供モチ。

数えてみれば39個であった。

下山田は薬師寺がある東村垣内をはじめとし、広出・清水の3垣内で58戸の集落。

全員が揃うことはないと云う。

本堂に敷きつめた座布団は45枚。「それぐらいだ」と云う。

本尊の薬師坐像は木造で、傍に石造の薬師坐像も安置している。

この日は大師講の営み。

薬師寺ご本尊を安置する薬師如来座像の厨子扉は開けずに、左隣に安置した木造と石造の弘法大師さんに供える。

この日の営みには中山田の蔵輪寺住職は来られない。

話しによれば、同じこの日は蔵輪寺でも営み(イセキ)があると云う。

ドウゲさんがローソクや線香に火を点けて導師が前に座った。

平成20年にツアーで四国八十八カ所巡拝された東村の長老のSさんがお念仏をされる。

おりんを打って手を合わす。



真言を唱えて般若心経。

拍子木を打ちながら唱える心経は一巻だ。

真言を唱えて、「なむだいしへんじょうこんごう」を三回。

「願わくば・・・」。村の益々の発展、初老・還暦を迎えられた村人の厄除祈願、家内安全、無病息災、五穀豊穣をご祈祷される。

営みは5分ほどで終えた。

四国八十八カ所巡礼は平成20年に満願し、高野山に毎月もお参りされているSさんは詞章を見ることもなくお念仏を唱えた。

これより始める直会は遠慮して帰路に着く。

この日の大師講は村行事のイベントも兼ねており、カラオケ・ビンゴゲーム・金魚すくい・ゴクマキをされる予定であった。

20年ほど前は、舞台を組んで踊っていた。

浴衣を着きた踊り子さんも来てもらっていた。

村人は弁当持参の家族連れ。大勢で賑わっていたという。

営みを終えたころに降りだした午後。

雨の日のイベントは、どう対応されたのか・・聞いていない。

立ち去ろうとしたときに気がついたたくさんの松明。



薬師寺本堂柱付近に立てかけていた。

数カ月前から準備している虫送りの松明は燃えやすいように乾かしているのである。

平成26年は下山田が一般観光客を迎える当番の年。

下山田・上山田は毎年交替。交互に一般客を受け入れて田の虫送りをされている。

ちなみに下山田では旧暦閏年に行われるうる庚申講がある。

平成24年は5月13日だった。

今年も旧暦になる年。廻りが早い年である。

期間が2年になるのは19年間に一度。

今年は10月24日以降の日に行うそうだ。

(H26. 4.20 EOS40D撮影)