マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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入院23日目の幻影

2015年08月03日 13時57分40秒 | むびょうそくさい
ぐっすりと朝まで眠っていたらしい。

起床は朝7時。

この日の胸部レントゲンもベッド上で行われる。

フルヘイスマスクの酸素吸入器が外されて鼻チューブになった。

口を被せていたマスクは吐き出す息で熱くなる。

これが苦しいのだ。

鼻チューブであれば自然体。

こもることはない。

何時だったか覚えていないが、この日も痰出し。

息を吸い込んで長く吐く。

効果はてきめん、そうすればぜいぜいしながらチューブを通って痰が湧き上がってくる。

この日も体力の関係で3回の痰取り。

これ以上は繰り返せない。

この日は昼まで食事はない。

溶剤の点滴が外された。

午後には傷口を縫った糸を抜かれた。

ぴっと引っ張る痛さは一瞬だが、4か所あるうちの一つは特に痛かった。

午後6時、看護師さんと女医さんが居たときのことだ。

びっくりした顔に私も驚く。

目を大きく開いた女医さんの動揺は不整脈だ。

普段は60~70のところが、20~30に急降下した脈拍。

心臓が停止するのでは、と思ったらしい。

携行型の心臓ペースメーカーを整えられた。

低くなったとき、自動的に不整脈を正す設定をされた。

その後も低めの不整脈が発症した。

1度目はめまいも感じた。

その晩は睡眠剤が投与された。

眠れない時間が経過する。

1時間、2時間・・・。

「3時間後にはすやすやと寝てはりました」と目が覚めたときに看護師さんが伝えてくれた。

睡眠剤を飲んだのはもう一つの理由がある。

幻影を見るのだ。

肉眼では室内のパネル壁はただの無機質な壁。

壁は白いが、じっと見つめていたら、何もない処に映像が出現した。

その映像はどことなく武者絵のようにも見える。

虫というか、昆虫のような・・違うような。

何かがそれぞれが区切りされたパネルに出現するのだ。

それは目を瞑れば消える。

ところが瞑った瞬間に異様な人物、

怪物といってもいいぐらいのおかしな映像が動き、変化する。

大きな顔はさらにズームアップして変化する。

頭にはターバン。

太っちょの肉体も動きながらズームアップ。

異様な色は赤土系。

砂漠を思い起こすような色だ。

どこか異国を彷彿させる映像が気持ち悪いほどに蠢く。

これは決して夢ではない。

現実なのだ。

なぜに現実かと云えば目を瞑った瞬間に映像が動くのだ。

目を開ければICU室。

パネル壁は武者絵が見える。

これは幻影であろうと思ったが、悩ませる映像に付き合いたくもない。

そんな状態だったが、術後始めての晩食は食べたらしい。

(H27. 8. 2 記)