ぐっすりと朝まで眠っていたらしい。
起床は朝7時。
この日の胸部レントゲンもベッド上で行われる。
フルヘイスマスクの酸素吸入器が外されて鼻チューブになった。
口を被せていたマスクは吐き出す息で熱くなる。
これが苦しいのだ。
鼻チューブであれば自然体。
こもることはない。
何時だったか覚えていないが、この日も痰出し。
息を吸い込んで長く吐く。
効果はてきめん、そうすればぜいぜいしながらチューブを通って痰が湧き上がってくる。
この日も体力の関係で3回の痰取り。
これ以上は繰り返せない。
この日は昼まで食事はない。
溶剤の点滴が外された。
午後には傷口を縫った糸を抜かれた。
ぴっと引っ張る痛さは一瞬だが、4か所あるうちの一つは特に痛かった。
午後6時、看護師さんと女医さんが居たときのことだ。
びっくりした顔に私も驚く。
目を大きく開いた女医さんの動揺は不整脈だ。
普段は60~70のところが、20~30に急降下した脈拍。
心臓が停止するのでは、と思ったらしい。
携行型の心臓ペースメーカーを整えられた。
低くなったとき、自動的に不整脈を正す設定をされた。
その後も低めの不整脈が発症した。
1度目はめまいも感じた。
その晩は睡眠剤が投与された。
眠れない時間が経過する。
1時間、2時間・・・。
「3時間後にはすやすやと寝てはりました」と目が覚めたときに看護師さんが伝えてくれた。
睡眠剤を飲んだのはもう一つの理由がある。
幻影を見るのだ。
肉眼では室内のパネル壁はただの無機質な壁。
壁は白いが、じっと見つめていたら、何もない処に映像が出現した。
その映像はどことなく武者絵のようにも見える。
虫というか、昆虫のような・・違うような。
何かがそれぞれが区切りされたパネルに出現するのだ。
それは目を瞑れば消える。
ところが瞑った瞬間に異様な人物、
怪物といってもいいぐらいのおかしな映像が動き、変化する。
大きな顔はさらにズームアップして変化する。
頭にはターバン。
太っちょの肉体も動きながらズームアップ。
異様な色は赤土系。
砂漠を思い起こすような色だ。
どこか異国を彷彿させる映像が気持ち悪いほどに蠢く。
これは決して夢ではない。
現実なのだ。
なぜに現実かと云えば目を瞑った瞬間に映像が動くのだ。
目を開ければICU室。
パネル壁は武者絵が見える。
これは幻影であろうと思ったが、悩ませる映像に付き合いたくもない。
そんな状態だったが、術後始めての晩食は食べたらしい。
(H27. 8. 2 記)
起床は朝7時。
この日の胸部レントゲンもベッド上で行われる。
フルヘイスマスクの酸素吸入器が外されて鼻チューブになった。
口を被せていたマスクは吐き出す息で熱くなる。
これが苦しいのだ。
鼻チューブであれば自然体。
こもることはない。
何時だったか覚えていないが、この日も痰出し。
息を吸い込んで長く吐く。
効果はてきめん、そうすればぜいぜいしながらチューブを通って痰が湧き上がってくる。
この日も体力の関係で3回の痰取り。
これ以上は繰り返せない。
この日は昼まで食事はない。
溶剤の点滴が外された。
午後には傷口を縫った糸を抜かれた。
ぴっと引っ張る痛さは一瞬だが、4か所あるうちの一つは特に痛かった。
午後6時、看護師さんと女医さんが居たときのことだ。
びっくりした顔に私も驚く。
目を大きく開いた女医さんの動揺は不整脈だ。
普段は60~70のところが、20~30に急降下した脈拍。
心臓が停止するのでは、と思ったらしい。
携行型の心臓ペースメーカーを整えられた。
低くなったとき、自動的に不整脈を正す設定をされた。
その後も低めの不整脈が発症した。
1度目はめまいも感じた。
その晩は睡眠剤が投与された。
眠れない時間が経過する。
1時間、2時間・・・。
「3時間後にはすやすやと寝てはりました」と目が覚めたときに看護師さんが伝えてくれた。
睡眠剤を飲んだのはもう一つの理由がある。
幻影を見るのだ。
肉眼では室内のパネル壁はただの無機質な壁。
壁は白いが、じっと見つめていたら、何もない処に映像が出現した。
その映像はどことなく武者絵のようにも見える。
虫というか、昆虫のような・・違うような。
何かがそれぞれが区切りされたパネルに出現するのだ。
それは目を瞑れば消える。
ところが瞑った瞬間に異様な人物、
怪物といってもいいぐらいのおかしな映像が動き、変化する。
大きな顔はさらにズームアップして変化する。
頭にはターバン。
太っちょの肉体も動きながらズームアップ。
異様な色は赤土系。
砂漠を思い起こすような色だ。
どこか異国を彷彿させる映像が気持ち悪いほどに蠢く。
これは決して夢ではない。
現実なのだ。
なぜに現実かと云えば目を瞑った瞬間に映像が動くのだ。
目を開ければICU室。
パネル壁は武者絵が見える。
これは幻影であろうと思ったが、悩ませる映像に付き合いたくもない。
そんな状態だったが、術後始めての晩食は食べたらしい。
(H27. 8. 2 記)