マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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小便避けまじない鳥居から不審者扱い

2016年12月13日 09時51分32秒 | 民俗あれこれ
奈良市民から不審者通報を受けて奈良県警から我が家に電話があった。

「警察・・・」と伝える電話を受けたのはかーさんだ。

第一に思い立ったのは・・またなにかをしでかしたのか、と思ったことだ。

かつて富田林警察署から電話が架かったことがある。

不審者ではなく他人さんが所有する駐車場に停めてあった我が家の車。

駐車場を締めるにも車がある。

不法侵入の疑いで車体番号から突き止められた。

そこへ行ったのは息子だが、結論から云えば許していただいた。

だが、今度は何だ。

息子は海外。

あり得ない。

私は自宅で日々を暮らしている。

これもまたあり得ない。

何である、アイデアルだ。

電話を架けてきた署員が伝える。

通報したのは住民。

その人とは面識はないが、住居は昔から存じている地に建っている。

警察署員が電話口で伝える件は不審者の確認である。

建物角にあるカーブミラー辺りでケータイ画像を撮っていた人物が怪しいと思ったそうだ。

その人物は私だ。

この日のリハビリ歩行にかーさんもついていた。

自宅周辺をぐるりと回ってほぼ2km。

運動は心臓病克服に欠かせない。

毎日ではないが、できうる限りの運動をしている。

歩行するコースは特に決めていないが、だいたいが所属する自治会地域。

隣町の自治会地域も含めて距離を稼ぐ。

昨年、退院してから欠かせないリハビリを兼ねた歩行運動のおかげもあって経過は上々。

何度も、何度も通る道に何かがあることに気がついたのが、この日だった。

黄色い支柱のカーブミラーの下に何かがある。

形は鳥居。

それを見ただけで何であるか、すぐに判った。

いわゆる立小便避けのまじないである。

これまで、旧村やならまち界隈に寺内町で見たことがあるが、新興住宅は初見である。

珍しい処に立小便のまじないがある。

「民俗」が、ここにもあったという記録のためにケータイ画像に収めた。

ぐるりと回って自宅付近まで戻ってきたときに何かを感じた。

後方からついてくるようにとろとろ走る軽トラである。

よくある話だが、まがい物の建築工事屋が自宅周辺をうろうろ。

停めて呼び鈴を押す。

「瓦がずれている。そのままじゃ瓦が落ちる」とか云って入り込んでくる業者がいた。

なんどかそれはあった。

いっぺんぐらいでいいだろうと思って屋根瓦を見てもらった。

長い梯子を架けて屋根にあがる。

下りて来て撮ったデジタル画像を見せる。

目地が剥がれて瓦が落ちている。

このような状況だと伝える映像。

ほんまやと思って契約したこともあるが、断りもなしに撮って、こんな状態やからと脅す業者もあった。

この業者については「勝手に撮ってはあかんやろ」と云って一蹴したこともある。

呼び鈴も押さずに開いていた門を潜って玄関まで入ってきた男性には「誰の許しを得て入ったんや」とこれまた一蹴で退散させた。

不法侵入は庭に入った段階で成立する・・・はずだ。

村々の取材に訪れるときは慎重にお声をかけて家主の断りをとってから門を潜るようにしている。

私が逆の立場にならないように・・・。

うろうろする軽トラの荷台にゴムシートを被せていたことは覚えている。

リハビリ歩行を終えて自宅に入った。

門の前でなにやら音がする。

エンジン音だ。

宅配便が来たかと思ってカーテン越しに通りをみる。

ついさっきに見かけた軽トラがエンジンを止めずに停まっていた。

自宅に戻った際の車の方向は右行き。

このときの門前にあったときの車の向きは左行き。

どこかでUターンしたと思った軽トラが売り込みに来た・・と思ったが、何秒かして去っていった。

おかしな人がおるもんだと思ったが・・・。

それから4時間後に奈良県警から電話があった。

ここで記憶が合致した。

リハビリ歩行で戻った際に門の前で立ち止まっていた軽トラは表札、しかも番地まで調べていたのだ。

つまり尾行していたというわけだ。

そこまで不審者扱いをされてしまった私のどこに犯罪意思があるというのだ。

市民から求められたら動かざるを得ない警察。

不審者と思っただけで何の確信もなく警察が動くのはどういうことだ。

物騒な世の中になったから動かざるを得ないのか。

通報した男性は被害があったのか・・・。

小便除けの写真を撮っただけで通報される世の中がコワイ。

カーブミラーは公共物。

それも問題ないし、建物には著作権がない。

もちろん肖像権もない。

法律上、どこをさがしてもない。

写真は所在が明らかにならないように撮る場合もあれば判らないようにふせて撮る場合もある。

ケース・バイ・ケースである。

今回、撮った写真は「民俗」事象の記録。

そう思って撮っていることも警察署員に話した。

事情や状況を理解してくださった警察官は著作権や肖像権はおいといて民俗写真の記録をしていたということを依頼本人に伝えると云われて電話を切った。

それで気持ちが済むどおりがない。

通報者はご近所。

相も変わらずリハビリ歩行をするコースで顔を合わせることもあるだろう。

とにも、かくも心配をかけさせる把目になったお詫びは早くすべきと思って自宅を出る。

その家の呼び鈴を押しても出てこない。

何度も、何度も押したが・・不在と判断して戻る。

時間帯を夕方に合わせて再度訪れる通報者の家には見覚えのあるゴムシートを被せた軽トラが停まっていた。

お声をかけた。

事情を説明してお詫びすれば、こう云った。

「泥棒騒ぎがあったので通報した」。

「停めていた軽トラのフロントガラスを割られた」。

「作業場に置いてあった投光ライトが盗まれた」と、これまであった被害をつらつらと話される。

「3カ月に一度はなんらかの被害を受けているから、怪しいと思ったものは警察に通報している」と云うのである。

「警察からは撮影していた事情は聞いた。丁寧に詫びてもらって・・・」と口を開く男性に立小便の鳥居について尋ねた。

「カーブミラーに立てた鳥居は、犬か人かわからないが、小便の被害があったので、仕事に関係する宮大工に立小便のまじないに効くと聞いて立てた」と云う。

「まじないが効いたのか、実際に被害件数が減った」という。

新興住宅地に立てた鳥居の謎はこうして解けたが、長崎では不法ゴミ対策

ところ変われば、理由も用途も異なる。。

(H28. 5.30 SB932SH撮影)