12月11日、大阪市都市整備局住宅部管理課から大和川住宅移転斡旋住戸決定通知書が届いた。
えっ、まさかの、こんなに早く決定されるとは思ってもみなかった。
早くとも半年は過ぎる、と思っていた。
大和川住宅は鉄筋コンクリート造りの5階建て。
おふくろは4階に居住しているが、エレベーター設備はないから歩いて階段の上り下り。
4階まで47段もあると云って、毎回の上り下りに段数を数えている。
8月初めに発症した痛みに歩行困難。
しばらくは我が家に来てもらって養生していた。
壁伝いに手をついて倒れないように歩きでトイレの往復。
その身体状況に、今後のためにと思って居住する地域の住之江地域包括支援センターに相談したのは9月27日だった。
主目的はケアマネジャーのお願いである。
時期はいつになるのか予想はできないが、いつかはやってくると判断される“介護”である。
介護にあたる住居などもお話したら1階への移転希望をされては、と云われた。
そのような対応があることさえ知らなかった。
ありがたい情報に市営住宅入居移転申請したのは10月半ば。
申請願いは市営住宅を監理する大阪の阿倍野住宅管理センターであった。
主治医診断書を添付の上、申請書に但し書きとして“階段昇降は困難・無理”であると復帰後の状況が見込まれることも記して申請した。
その結果が届いた。
移転先はなんと、なんとの居住する棟の1階だった。
おふくろにそのことを伝えたら、知っている人が多くいるところやし、その階には介護施設に通所している人もいるので話が通じるからありがたいと云ってくれたが、部屋の向きは東西、まったくの逆向きであるから、住んでみれば、しばらくは落ち着かないであろう。
翌日の12日。移転先は決定したが、正式の移動は審査があってのことだ。
その状況であるが、おふくろが戻ったときにお世話してもらう住之江の地域包括支援センターにも連絡をする。
移転が正規になった場合にしなければならない引っ越しに介護向き室内の改修工事などの手配もある。
はじめてのことだけに未体験ばかり。
いろんなことで支援お願いしたい地域包括支援センターである。
また、この日は一日外泊が認められ、退院の方向性も決まったことを住まいする大和郡山市のケアマネジャーにも連絡する。
その件を電話で伝えたら、明日13日の午後3時以降に伺いたいということだ。
その次の翌日の13日の動きはさまざま。
まずは前月11月の入院費用の請求支払いである。
請求金額の総額は先月より1万円も少ない9万7千円ほど。
医療費は91歳高齢者の一割限度額負担額の57,600円。
これ以上の高額医療費はあり得ないが、お世話になったオムツ代と食事代がある。
オムツ代は1,040円で済んだが、食事代は別途ということで38,400円。
食事は完食の毎日3食。
先月より2日分ほど多くなった。
もっともオムツ代は月初めまでしていた枚数だけの支払いであった。
請求金額の内訳はそれだけでなく、別途扱いの口腔ケア費用が1,350円だった。
支払はクレジットで済ませて許可をもらっていた外泊の準備をする。
外泊理由は「試験外泊」。
外泊場所はおふくろの息子の長男宅の我が家である。
借り住まいの我が家に戻るにはリハビリ運動に使っていた杖を借用する。
慣れた杖にはネームも貼っているからおふくろ専用でもあるが、病院の付属品。あくまで借用である。
そして毎日の処方箋服用である。
院内であれば食後に必ず看護士さんが間違いのないように手渡してくれる一日分の夜、朝、昼の処方箋薬だ。
私が運転する軽バン。
それほど遠くない位置に停められた場所に歩く姿に不安はあるが、難なく、これまで通りに乗車できた。
遅い速度で我が家に戻った時間帯は午後3時半。
2カ月ぶりの我が家に玄関を上がってリビングルームに。
ここまでまったく何の問題もないスムーズな動きである。
座る席はソファ。
腰を下ろすと深みに尻、となるが、なんとか席を立つこともできるようだ。
ただ、これまでとは慣れない姿勢。
背中に装着しているコルセットはいつ外せるやら・・だ。
痛みはないようだが、できうる限り、院内でしてきたときと同じように手で支える場所さえあればなんとか対応できる。
ただ、院内と同じような椅子に高さのあるベッドがあれば、と思った。
と、いうのもコルセットと背中にどうしても隙間が生じる。
空間があるから背中の温かさが逃げてしまう。
隙間に手揉みの使い捨てカイロ。
入院直後は寒い、寒いと訴えた際に使っていたカイロであるが、その後はまったく利用することもなかった。
当時、買った使い捨てカイロは30枚入り。
一度も使うことなく我が家に置いていたが、早速の再出番。
こういう非常時に役立つ。
おふくろが希望する退院日は一週間後の12月21日辺り。
それまでの一週間にお会いするリハビリ療法士、看護士、介護士などさまざまな人たちに礼を伝えたいという数日間を考えたわけだ。
この日に退院することを伝えていたウエルケア悠のFケアマネジャーが面談を、ということで訪問してくれた。
私ら家族が希望するのは入浴付きにリハビリ運動ができる通所デイサービスである。
介護認定が4であれば一か月に利用できるポイント数が多いから、週2回、あるいはそれ以上も可能というが、どれだけの費用がかかるか、である。
ざっと概算された1回当たりの費用は5千円。
予想を上回る金額におふくろが云った。
そんなに高いなら利用したくないと云いだした。
もっともあくまで概算なのできちんと精査したものを後日に提供します、という声に期待を寄せる。
さて、本日借用した杖である。
要介護が重度であれば、例えば足が四つもある歩行補助杖などはレンタルもできるが、介護4であれば、そのような杖を使うほどでもないからレンタルはないという。
つまりは自身で一般的に売られている杖を購入することになる。
Fさんのお母さんも要介護に杖の保持者。
柄の良い高価なものも売ってはいるが、平凡なデザインの杖を買って百均に売っているような可愛いシールを貼っているという。
名前シールを貼って自己表示することなく百均シールで可愛くデザインしたものを喜んで使っているそうだ。
先駆体験者のアドバイスに、なるほどと相槌を打った。
今の状況での相談はそれぐらい。
とにかく自立して住之江に戻られる状態にしていきましょう、である。
おふくろが本日始めて対面するFケアマネジャーとの顔合わせ並びに相談事はここまでだ。
次の相談事は移転の件である。
引っ越しをして新しい住居に住むとなれば、不要なものは捨てて、おふくろの身を軽くしようと思っている。
通知があったことは大阪の住之江地域包括支援センターに伝えていた。
忙しく動き回って仕事をこなしているセンターのBさんより電話が架かった。
正式に伝える「移転先決定通知」を受けて今後の対応に何をすればいいのか、を相談する。
気になるのは引っ越し業者の選定と介護用の住宅改修サービスである。
Bさんが云うには、住宅改修は1階に住民票を移してから、ということだ。
住民票が移されてからの手続きは改修工事をしたい、例えば手すりはどの位置、段差の除去はどうすればいいのか、である。
介護保険の住宅改修の利用限度額は20万円。
その1割か2割が自己負担になる。
また、介護保険の住宅改修とは別に「高齢者住宅改修費給付事業」があるらしい。
いずれにしても手続きの順序は、改修希望の場所を写真に撮って書類申請。
次に業者の見積もりをとって核にする。
それに問題がなければ区役所介護福祉課の担当者が現地確認。
その結果、問題がないと判断されるまで。
最終的に承諾されるには長期間を要するらしい。
まずは、引っ越し転居が先立つから引っ越し業者の見積もりからになる。
移転先が正式に決まれば、たぶん移転期限が設けられるであろう。
年末辺りになるのかどうか、今のところは予想もつかないが、通知が届くまでにしなくてはならないのが引っ越し業者の選定である。
おふくろが住んでいる住宅ポストにいつも投函されるチラシに引っ越し業者もある。
事業者の所在地はどこも明示していない。
連絡先は0120か、もしくは携帯電話番号である。
信頼できる業者であるのか、さっぱり掴めない。
事業者名でネット検索してもHPですらない。
一社は見つかったが、評判は二つに分かれる。
引っ越しでなくて異業種であっても、どこの業者であっても評判は分かれる。
口コミも探してみたが似たり寄ったり。
逆に口コミのすべての評判が良い場合は、なんとなくサクラのような気がしてならない。
また、チラシが多いのは遺品整理業者である。
高齢者団地であろうが、なかろうがポスト投函は団地に多いような気がする。
そんなあれやこれや頭に入れておいて地域包括支援センターに相談したら、これまで利用歴があった業者を探してくれた。
ところが業者数が少ないから判断できないので、わざわざ隣接事務所の担当者に聞いてくださった。
利用業者は何社かあるらしい。
なかでも評判が良かったという業者を教えてくださった。
ありがたいことである。
事業者の所在地、社長名、連絡先電話番号である。
ありがたいことにその業者は廃棄処分込みこみで処理してくれるそうだが、電気やガス製品の取り外し、取付は・・・と聞けば、もう一度確認をとってくださった。
結論から言えばクーラーなどの電気製品の移設は専門業者を連れてから一括契約で済むそうだ。
これまで実績がある業者であれば安心できる。
また、他社見積もりがあればさらに安くしてくれるというからそれもありがたい。
ここまでわかればひと安心。
それまでに大和郡山市内のケア施設で受けるサービスで自立しておきたいおふくろの身体状態。
良い状態で戻れるとともに、丁度そのころがピカピカの転居先。
うまく重なって戻ってからが住之江でのケアになることであろう。
外泊の夜を過ごした翌朝は14日。
その夜のトイレは2回。
特に問題もなく、昼間も同様の壁伝いをすることなく歩いていけたという。
布団から起き上がる際は近くにあるテーブルとかに手をついて身体を支えるように上半身をあげてから膝を立てれば起き上がれる。
ただ、食事をするのに食卓前に座るのだが、長時間に亘って座り続けたあとの立ち上がりが困難だ。
これまでの2カ月間は院内ベッドと椅子暮らしに膝を屈めることが少なくなったのが要因であろう。
つまり、お尻を床に下ろして座り込んだ場合である。
その状態から身体を持ち上げるどころか膝で支えることもできない。
時間が立てば少しはマシになるかと思われるが、低床型の座椅子が要るのではと思われた。
外泊も時間切れ。午後3時には病院に戻らなければならない。
我が家の玄関土間。
床の高さは40cmもある。
私はどうしているのだろうか。
意識していないから思い出すのに立ち位置まで。
そうだ。下駄箱の縁に手を置いて身体を支えていた。
場合によっては反対側のガラス窓の桟に手を置いていた。
自然とそうなる手の支え方。
若い時なら土間にある靴に足を突っ込むところから始まる。
つまりは土間に先にあるのは足。
手で支えることなく下りて靴を履いた。
草履であっても同じである。
そうしなかったおふくろは手すりに手を添えることなくいきなり玄関の床に腰を落とした。
ドスンと音がしたくらいだから尻もちである。
この尻もちによって圧迫骨折に陥った事例はよく耳にする。
痛くはないというが、後日を待たなければ後遺症・・のこともあるが、玄関に手すりの設置を考えたが、改修費用は介護から出ない。
我が家の改修工事は自前工作の手すり、となる。
乗車時に杖はどうすればいいのか。杖をつきながら乗車しようとするおふくろ。
杖に気をとられて車に手を添えることを失念してしまう。
それこそ危険。
乗車時の杖は不要である。
では、どこに・・。
杖は床に放りだせばいいのである。
我が家の車は軽バン。
後車の床に寝かすよう置く。
丁寧な置き方をする必要はない。
その行為で良いと知ったのは、6年前。
接骨鍼灸院で患者さんを家前まで迎えにあがる送迎ドライバーをしていた。
その行為を教えてくださったのはFさん。
当時、足が不自由な80歳の高齢者だった。
正式に退院すれば自前の杖が要る。
そう思って病院に戻る前に立ち寄ったアピタ大和郡山店。
同店は介護用品も販売している。
いろんな形、柄の杖が商品棚に並んでいる。
アドバイスもあるが色柄のない製品を手にする。
何本か選んで手にする。
借用していた杖よりもぐっと軽い杖。
ハンドルも手に馴染みやすい形状の杖。
これに決めたと買った杖は3300円。
ついでに見ておこう、リビングコーナーに移動する。

そこにあった木製座椅子に座ってみたらこれもまたお尻にフィットしたが・・・・なんというか、血眼になって探していた婦人に譲ってしまった。
そうして規程時間内に戻ってきた病院。
途端にアピタで歩いていたときよりも早くなった。
院内はいつもリハビリしていたから安心できる施設。
アピタは始めて出かけた施設。
始めて体験する場は不安さが先走りして、というか慎重さで遅くなるのだろう。
戻ってきて看護士さんらに見せる買いたての杖。
ほんまに、これは軽いって大評判。
本来なら時間に間に合って入浴もできるのだが、疲れたといって明日にした。
入浴よりも気になっているのは後ろ髪。
3カ月も美容院に行っていないから伸び放題。
首がうっとおしいからとY看護士に美容カットを尋ねたら、院内では10日に一度の割合であるという。
いわば美容師の院内出張。併設する幸寿苑に出入りする美容師だった。
その日の夕刻、Fケアマネジャーから電話が架かった。
要件は前日に伝えられたウエルネス悠契約関係の情報である。
予め、要介護4の場合の単価は要支援よりも高額になるが、週3回の通所サービス利用ができると聞いていた。
通所サービスは自宅までお迎えにくる送迎付き。
一日コースの通所さービスに20分程度のリハビリ運動もできる。
昼食におやつもあるし、その日に通所する人たちとお遊びなどのコミュニケーションもある。
入浴は集団で入ることのできる設備がある。
要介護4の単価から計算したら1回辺りの費用は2500円。
これなら1週間に2回の利用として1カ月に2万円。
1割負担の費用という。
施設は利用契約する前、500円で短時間の見学体験もできるそうだ。
介護施設は年末の12月30日まで。年始は正月2日からサービスをしているという。
通所利用は施設医師の検証に指定書類診断書が要る。
前日にその用紙をもらっていたので外泊から病院に戻った際にY看護士に渡してお願いしておいた。
(H29.12.13 SB932SH撮影)
(H29.12.14 SB932SH撮影)
えっ、まさかの、こんなに早く決定されるとは思ってもみなかった。
早くとも半年は過ぎる、と思っていた。
大和川住宅は鉄筋コンクリート造りの5階建て。
おふくろは4階に居住しているが、エレベーター設備はないから歩いて階段の上り下り。
4階まで47段もあると云って、毎回の上り下りに段数を数えている。
8月初めに発症した痛みに歩行困難。
しばらくは我が家に来てもらって養生していた。
壁伝いに手をついて倒れないように歩きでトイレの往復。
その身体状況に、今後のためにと思って居住する地域の住之江地域包括支援センターに相談したのは9月27日だった。
主目的はケアマネジャーのお願いである。
時期はいつになるのか予想はできないが、いつかはやってくると判断される“介護”である。
介護にあたる住居などもお話したら1階への移転希望をされては、と云われた。
そのような対応があることさえ知らなかった。
ありがたい情報に市営住宅入居移転申請したのは10月半ば。
申請願いは市営住宅を監理する大阪の阿倍野住宅管理センターであった。
主治医診断書を添付の上、申請書に但し書きとして“階段昇降は困難・無理”であると復帰後の状況が見込まれることも記して申請した。
その結果が届いた。
移転先はなんと、なんとの居住する棟の1階だった。
おふくろにそのことを伝えたら、知っている人が多くいるところやし、その階には介護施設に通所している人もいるので話が通じるからありがたいと云ってくれたが、部屋の向きは東西、まったくの逆向きであるから、住んでみれば、しばらくは落ち着かないであろう。
翌日の12日。移転先は決定したが、正式の移動は審査があってのことだ。
その状況であるが、おふくろが戻ったときにお世話してもらう住之江の地域包括支援センターにも連絡をする。
移転が正規になった場合にしなければならない引っ越しに介護向き室内の改修工事などの手配もある。
はじめてのことだけに未体験ばかり。
いろんなことで支援お願いしたい地域包括支援センターである。
また、この日は一日外泊が認められ、退院の方向性も決まったことを住まいする大和郡山市のケアマネジャーにも連絡する。
その件を電話で伝えたら、明日13日の午後3時以降に伺いたいということだ。
その次の翌日の13日の動きはさまざま。
まずは前月11月の入院費用の請求支払いである。
請求金額の総額は先月より1万円も少ない9万7千円ほど。
医療費は91歳高齢者の一割限度額負担額の57,600円。
これ以上の高額医療費はあり得ないが、お世話になったオムツ代と食事代がある。
オムツ代は1,040円で済んだが、食事代は別途ということで38,400円。
食事は完食の毎日3食。
先月より2日分ほど多くなった。
もっともオムツ代は月初めまでしていた枚数だけの支払いであった。
請求金額の内訳はそれだけでなく、別途扱いの口腔ケア費用が1,350円だった。
支払はクレジットで済ませて許可をもらっていた外泊の準備をする。
外泊理由は「試験外泊」。
外泊場所はおふくろの息子の長男宅の我が家である。
借り住まいの我が家に戻るにはリハビリ運動に使っていた杖を借用する。
慣れた杖にはネームも貼っているからおふくろ専用でもあるが、病院の付属品。あくまで借用である。
そして毎日の処方箋服用である。
院内であれば食後に必ず看護士さんが間違いのないように手渡してくれる一日分の夜、朝、昼の処方箋薬だ。
私が運転する軽バン。
それほど遠くない位置に停められた場所に歩く姿に不安はあるが、難なく、これまで通りに乗車できた。
遅い速度で我が家に戻った時間帯は午後3時半。
2カ月ぶりの我が家に玄関を上がってリビングルームに。
ここまでまったく何の問題もないスムーズな動きである。
座る席はソファ。
腰を下ろすと深みに尻、となるが、なんとか席を立つこともできるようだ。
ただ、これまでとは慣れない姿勢。
背中に装着しているコルセットはいつ外せるやら・・だ。
痛みはないようだが、できうる限り、院内でしてきたときと同じように手で支える場所さえあればなんとか対応できる。
ただ、院内と同じような椅子に高さのあるベッドがあれば、と思った。
と、いうのもコルセットと背中にどうしても隙間が生じる。
空間があるから背中の温かさが逃げてしまう。
隙間に手揉みの使い捨てカイロ。
入院直後は寒い、寒いと訴えた際に使っていたカイロであるが、その後はまったく利用することもなかった。
当時、買った使い捨てカイロは30枚入り。
一度も使うことなく我が家に置いていたが、早速の再出番。
こういう非常時に役立つ。
おふくろが希望する退院日は一週間後の12月21日辺り。
それまでの一週間にお会いするリハビリ療法士、看護士、介護士などさまざまな人たちに礼を伝えたいという数日間を考えたわけだ。
この日に退院することを伝えていたウエルケア悠のFケアマネジャーが面談を、ということで訪問してくれた。
私ら家族が希望するのは入浴付きにリハビリ運動ができる通所デイサービスである。
介護認定が4であれば一か月に利用できるポイント数が多いから、週2回、あるいはそれ以上も可能というが、どれだけの費用がかかるか、である。
ざっと概算された1回当たりの費用は5千円。
予想を上回る金額におふくろが云った。
そんなに高いなら利用したくないと云いだした。
もっともあくまで概算なのできちんと精査したものを後日に提供します、という声に期待を寄せる。
さて、本日借用した杖である。
要介護が重度であれば、例えば足が四つもある歩行補助杖などはレンタルもできるが、介護4であれば、そのような杖を使うほどでもないからレンタルはないという。
つまりは自身で一般的に売られている杖を購入することになる。
Fさんのお母さんも要介護に杖の保持者。
柄の良い高価なものも売ってはいるが、平凡なデザインの杖を買って百均に売っているような可愛いシールを貼っているという。
名前シールを貼って自己表示することなく百均シールで可愛くデザインしたものを喜んで使っているそうだ。
先駆体験者のアドバイスに、なるほどと相槌を打った。
今の状況での相談はそれぐらい。
とにかく自立して住之江に戻られる状態にしていきましょう、である。
おふくろが本日始めて対面するFケアマネジャーとの顔合わせ並びに相談事はここまでだ。
次の相談事は移転の件である。
引っ越しをして新しい住居に住むとなれば、不要なものは捨てて、おふくろの身を軽くしようと思っている。
通知があったことは大阪の住之江地域包括支援センターに伝えていた。
忙しく動き回って仕事をこなしているセンターのBさんより電話が架かった。
正式に伝える「移転先決定通知」を受けて今後の対応に何をすればいいのか、を相談する。
気になるのは引っ越し業者の選定と介護用の住宅改修サービスである。
Bさんが云うには、住宅改修は1階に住民票を移してから、ということだ。
住民票が移されてからの手続きは改修工事をしたい、例えば手すりはどの位置、段差の除去はどうすればいいのか、である。
介護保険の住宅改修の利用限度額は20万円。
その1割か2割が自己負担になる。
また、介護保険の住宅改修とは別に「高齢者住宅改修費給付事業」があるらしい。
いずれにしても手続きの順序は、改修希望の場所を写真に撮って書類申請。
次に業者の見積もりをとって核にする。
それに問題がなければ区役所介護福祉課の担当者が現地確認。
その結果、問題がないと判断されるまで。
最終的に承諾されるには長期間を要するらしい。
まずは、引っ越し転居が先立つから引っ越し業者の見積もりからになる。
移転先が正式に決まれば、たぶん移転期限が設けられるであろう。
年末辺りになるのかどうか、今のところは予想もつかないが、通知が届くまでにしなくてはならないのが引っ越し業者の選定である。
おふくろが住んでいる住宅ポストにいつも投函されるチラシに引っ越し業者もある。
事業者の所在地はどこも明示していない。
連絡先は0120か、もしくは携帯電話番号である。
信頼できる業者であるのか、さっぱり掴めない。
事業者名でネット検索してもHPですらない。
一社は見つかったが、評判は二つに分かれる。
引っ越しでなくて異業種であっても、どこの業者であっても評判は分かれる。
口コミも探してみたが似たり寄ったり。
逆に口コミのすべての評判が良い場合は、なんとなくサクラのような気がしてならない。
また、チラシが多いのは遺品整理業者である。
高齢者団地であろうが、なかろうがポスト投函は団地に多いような気がする。
そんなあれやこれや頭に入れておいて地域包括支援センターに相談したら、これまで利用歴があった業者を探してくれた。
ところが業者数が少ないから判断できないので、わざわざ隣接事務所の担当者に聞いてくださった。
利用業者は何社かあるらしい。
なかでも評判が良かったという業者を教えてくださった。
ありがたいことである。
事業者の所在地、社長名、連絡先電話番号である。
ありがたいことにその業者は廃棄処分込みこみで処理してくれるそうだが、電気やガス製品の取り外し、取付は・・・と聞けば、もう一度確認をとってくださった。
結論から言えばクーラーなどの電気製品の移設は専門業者を連れてから一括契約で済むそうだ。
これまで実績がある業者であれば安心できる。
また、他社見積もりがあればさらに安くしてくれるというからそれもありがたい。
ここまでわかればひと安心。
それまでに大和郡山市内のケア施設で受けるサービスで自立しておきたいおふくろの身体状態。
良い状態で戻れるとともに、丁度そのころがピカピカの転居先。
うまく重なって戻ってからが住之江でのケアになることであろう。
外泊の夜を過ごした翌朝は14日。
その夜のトイレは2回。
特に問題もなく、昼間も同様の壁伝いをすることなく歩いていけたという。
布団から起き上がる際は近くにあるテーブルとかに手をついて身体を支えるように上半身をあげてから膝を立てれば起き上がれる。
ただ、食事をするのに食卓前に座るのだが、長時間に亘って座り続けたあとの立ち上がりが困難だ。
これまでの2カ月間は院内ベッドと椅子暮らしに膝を屈めることが少なくなったのが要因であろう。
つまり、お尻を床に下ろして座り込んだ場合である。
その状態から身体を持ち上げるどころか膝で支えることもできない。
時間が立てば少しはマシになるかと思われるが、低床型の座椅子が要るのではと思われた。
外泊も時間切れ。午後3時には病院に戻らなければならない。
我が家の玄関土間。
床の高さは40cmもある。
私はどうしているのだろうか。
意識していないから思い出すのに立ち位置まで。
そうだ。下駄箱の縁に手を置いて身体を支えていた。
場合によっては反対側のガラス窓の桟に手を置いていた。
自然とそうなる手の支え方。
若い時なら土間にある靴に足を突っ込むところから始まる。
つまりは土間に先にあるのは足。
手で支えることなく下りて靴を履いた。
草履であっても同じである。
そうしなかったおふくろは手すりに手を添えることなくいきなり玄関の床に腰を落とした。
ドスンと音がしたくらいだから尻もちである。
この尻もちによって圧迫骨折に陥った事例はよく耳にする。
痛くはないというが、後日を待たなければ後遺症・・のこともあるが、玄関に手すりの設置を考えたが、改修費用は介護から出ない。
我が家の改修工事は自前工作の手すり、となる。
乗車時に杖はどうすればいいのか。杖をつきながら乗車しようとするおふくろ。
杖に気をとられて車に手を添えることを失念してしまう。
それこそ危険。
乗車時の杖は不要である。
では、どこに・・。
杖は床に放りだせばいいのである。
我が家の車は軽バン。
後車の床に寝かすよう置く。
丁寧な置き方をする必要はない。
その行為で良いと知ったのは、6年前。
接骨鍼灸院で患者さんを家前まで迎えにあがる送迎ドライバーをしていた。
その行為を教えてくださったのはFさん。
当時、足が不自由な80歳の高齢者だった。
正式に退院すれば自前の杖が要る。
そう思って病院に戻る前に立ち寄ったアピタ大和郡山店。
同店は介護用品も販売している。
いろんな形、柄の杖が商品棚に並んでいる。
アドバイスもあるが色柄のない製品を手にする。
何本か選んで手にする。
借用していた杖よりもぐっと軽い杖。
ハンドルも手に馴染みやすい形状の杖。
これに決めたと買った杖は3300円。
ついでに見ておこう、リビングコーナーに移動する。

そこにあった木製座椅子に座ってみたらこれもまたお尻にフィットしたが・・・・なんというか、血眼になって探していた婦人に譲ってしまった。
そうして規程時間内に戻ってきた病院。
途端にアピタで歩いていたときよりも早くなった。
院内はいつもリハビリしていたから安心できる施設。
アピタは始めて出かけた施設。
始めて体験する場は不安さが先走りして、というか慎重さで遅くなるのだろう。
戻ってきて看護士さんらに見せる買いたての杖。
ほんまに、これは軽いって大評判。
本来なら時間に間に合って入浴もできるのだが、疲れたといって明日にした。
入浴よりも気になっているのは後ろ髪。
3カ月も美容院に行っていないから伸び放題。
首がうっとおしいからとY看護士に美容カットを尋ねたら、院内では10日に一度の割合であるという。
いわば美容師の院内出張。併設する幸寿苑に出入りする美容師だった。
その日の夕刻、Fケアマネジャーから電話が架かった。
要件は前日に伝えられたウエルネス悠契約関係の情報である。
予め、要介護4の場合の単価は要支援よりも高額になるが、週3回の通所サービス利用ができると聞いていた。
通所サービスは自宅までお迎えにくる送迎付き。
一日コースの通所さービスに20分程度のリハビリ運動もできる。
昼食におやつもあるし、その日に通所する人たちとお遊びなどのコミュニケーションもある。
入浴は集団で入ることのできる設備がある。
要介護4の単価から計算したら1回辺りの費用は2500円。
これなら1週間に2回の利用として1カ月に2万円。
1割負担の費用という。
施設は利用契約する前、500円で短時間の見学体験もできるそうだ。
介護施設は年末の12月30日まで。年始は正月2日からサービスをしているという。
通所利用は施設医師の検証に指定書類診断書が要る。
前日にその用紙をもらっていたので外泊から病院に戻った際にY看護士に渡してお願いしておいた。
(H29.12.13 SB932SH撮影)
(H29.12.14 SB932SH撮影)