Jaco Pastoriusに捧げたアルバムについては、幾つか記事にしたことはありますが、Jacoのアルバムについては書いたのは“Dream of Doom”だけです。エレベを続けて聴いてきましたが、必ずJacoは頭に浮かびますから一つ聴いてみることしました。
1991年にジムコ・ジャパンから出た、なくなる前の1986年イタリアでのライブ録音です。
問題ありの販売のようですが、jacoが亡くなってからしばらくして、新しい音源が続々と出だしたころで、買ってしまいました。(当時は問題も知らないうちに買いましたが問題は“パストアスの肖像”と言う本で知りました。)それとは別に結構好きなアルバムです。
Jacoは1987年暮れに悲劇的な最後を遂げますが、そこに至る破滅の過程で、多くの演奏があり、つまらないものがあるため、最近ずいぶんと評判を落としている感があります。
このアルバムは晩年急激に親しくなったビエリ・ラグレーンとの2度目のヨーロッパツアーでの録音です。
1曲目サッカー場の歓声のような中、ラグレーンのバッハの曲のメロディからで驚かされると、ディープ・パープルを挟んで“Teen Town"でjacoが入ってきて凄い演奏になります。ギターにベースにドラムという単純な組み合わせが、変に難しくならず、演奏に集中出来ている感じです。
2曲目はちょっとギターの音程が変に感じる“I Shot The Sheriff”でLagreneha
はあまり得いでなさそうです。3曲目はおきまりな“Continuum”音にもしくはメロディに張りを感じます。
このアルバムでうれしいのは、ウェザー・リポートで有名な “Black Market”を演奏していることで、それもギターとのトリオで明解なギターとメロディが楽しめることです。Jacoも自分の存在感を示す安定した演奏です。
6曲目は“Satin Doll”自由奔放あっけらかんと弾くラグレーン、エフェクトを使ってウェザー・リポートのサウンドを模したりしますが、逆にメロディアスなベースラインを Jacoらしく弾きたいJacoの思いとの差が少し寂しく感じられます。
そうはいっても、このLiveは良い演奏で、この時期ビエリ・ラグレーンとドラムスにケンウッド・デナードをいれて、80年代のマハビシュヌ・オーケストラみたいなものが出来ないか夢を追っていた演奏なのです。
Jaco Pastorius : electric bass
Bireli Lagrene : guitar
Thomas Böröcz : drums
1. Improvisation No 1 / Teen Town
2. I Shot The Sheriff
3. Continuum
4. Fannie Mae
5. Black Market
6. Satin Doll