
ユーリ・ゴロウベフを知らないころに買ったアルバムがあって、結構気に入ったのを覚えていたから、マリオ・ツァラの新しいアルバムがでるというので買ってみました。
前作のそれが2007年だったから、このラインのミュージシャンが新しいアルバムを出すということは大変です。前作を「ああ私のキズが気持ちいい」なんて変な題で記事にしたけれど、トリオ3人が感傷的なテーマをこれでもかと見せ合う、まるで怪我自慢のような感じで面白かったのを覚えています。
今度のアルバムもベースはユーリ・ゴロウベフと共演です。(ユーリ、6月あの椅子ジャケのRoberto Olzerと初来日だそうで、奈良、神戸、吉祥寺の方は是非どうぞ、私は絶対いけない)

1曲目ゆったりしたフレーズの反復から始まるアルバムは8年ぶりのアルバムだけれど特に気負ったとこありません。
2曲目色彩を替えるアルペジオで始まって、中間部がはビートを効かしたハード・インプロ、また最初のアルペジオにもどります。こうゆうのは前作にはなかったかな。7年もまえだからわすれてしまった。
最初から4曲がマリオの曲、この人前作もそうだったけれど落ち着いた曲想が多い。
3曲目が内向的な曲、メロディで自分の感性をなぞるような、それも指先でゆっくりと皮膚をたどっていく様な感じです。
4曲目ユーリのソロが入りますがあまり前に来ない。
と書いたら5曲目、ユーリのアルコのソロから始まるチャイコフスキーの曲、讃美歌のような形で入りピアノが同じく聖書を読むように、最後はピチカートとのユニゾンで讃美歌を歌い終わるような感じです。
続いてが“take the a train”ブラシが細かいリズムを刻んで、ここでもユーリのベースソロ、やっぱり活躍するのです。
ピアノがとてもクリアーで、a train新型のしゃれた車両という感じです。
7曲目ユーリのベースから始まってこれは内省的な曲。
8曲目、久しぶりのマリオはタイプでいえばミッチェル・ビセリア・タイプ、ガシガシ弾くのでなくしっかりと弾きこんでいく感じです。
最後まえが“虹の彼方へ”で一寸変調させたアレンジ。
最後に4曲目の短い別バージョンで終わります。
あまり派手なアルバムではありませんが、こうゆうのがもれずに入手できるとうれしいです。
FADE OUT / MARIO ZARA
Mario Zara (p)
Yuri Goloubev (b)
Michele Salgarello (ds)
1. om is home
2. clarity
3. leaves
4. mind
5. morning prayer
6. take the a train
7. nothing is personal
8. see
9. somewhere over the raimbow
10. mind ( alt. take)
2015年作品