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料理 久しぶりにデミグラス・ソースらしきものを作る

2010-07-08 12:47:24 | 料理
 40年前は私も若かった。そして今と同じように食い意地がはっていた。そのころ、何とかおいしいものを自分で作ってみたいと、1971年発行の「ソースの本」を買った。白いソースのソース・ベシャメル、茶色いソースのソース・ヱスパニョール、ソース・ドゥミ・グラスそれに黄色いソースのソース・オルランデーズほかという具合にソース・オンパレードの本だ。
 レストランで食べるハンバーグ・ステーキにかかっていたソースがドゥミ・グラス・ソース(現在英語読みが一般化したのかデミグラスの表記が多い)と分かり、そのソース作りに挑戦したくなったというわけ。現在インターネットで検索すると「簡単デミグラスソースの作り方」という記事が一杯出てくる。そのレシピは概ねバター、薄力粉、トマトケチャップ、とんかつソース、ウスターソース、コンソメ、醤油、赤ワイン、塩、コショウ、水である。これを見るとハンバーグ・ステーキを焼いたあとの油に、上の材料の一部を適当に混ぜて出来たものと変わらない。おおよその味の見当はつく。デミグラスに似ているが、そのものではない。しかも美味しいですよと書いてある。
 美味しいの基準は人それぞれだから文句をつける筋合いもないが、レストランのシェフが徹底的に煮込んだソースの芳醇な香りと味には宝石のような輝きに満ちている。男はそんな料理に憧れを抱く。やはり手の込んだ料理は男の料理だろう。主婦としての雑用に追われる女性には、時間がない。現役の男なら、土日の自由時間、リタイアの男ならたっぷり時間はある。
 というわけで約三時間を費やしてソースを作った。材料は、バター50g、薄力粉50g、にんじん150g、たまねぎ100g、ベーコン50g、パセリの茎5本、タイム大さじ一杯、月桂樹の葉半枚、茶色いだし汁1リットル、トマトピューレ150cc。
 厚手のフライパンを弱火で熱した中にバターを入れ、溶けてきたら薄力粉を混ぜる。木べらで根気よくこげ茶色になるまで攪拌を続ける。私は約三十分攪拌し続けた。いい色のルーになった。
 そのルーを別の器にとり置き、フライパンにサラダ油を適当に入れてにんじん、たまねぎ、ベーコンを炒める。よく炒めることが必要で、15分ぐらい炒めただろうか。そこへ先ほどのルーを絡ませる。それをズンドー鍋に移し茶色いだし汁を入れて約二時間弱火で煮詰める。二時間経過後、シノワで漉すが、シノワがないので適当な漉し器(ざる)を使った。どろりとしたソースが出来上がった。
 実はこの段階では、ソース・ヱスパニョールというらしい。タイトルに「デミグラス・ソースらしきもの」と書いた所以だ。ドゥミ・グラス・ソースまでは、あと一工程経なければならない。そのドゥミ・グラス・ソースにするには、ソース・ヱスパニョールに茶色いだし汁を入れて煮詰めていくという。
 そこでこの茶色いだし汁というのは、市販の固形ブイヨンを溶かし込んだものだ。今回の場合、ブイヨンに市販のフォン・ド・ボー液を加えた。レシピによるとソース・ヱスパニョール500ccに茶色いだし汁800ccを加えて煮詰めるとある。
 私は躊躇している。折角のどろりとしたソースに大量にさらりとしただし汁を混ぜて煮込むとどんな味になるのだろうか? まあ、三時間も煮込めば飛び切りのものになる可能性もある。わたしは今のところ、このソースで不足はない。これを使った料理もたくさんあるのだから。
次回は、そのレシピを書いてみたい。
           
            シノワ 値段は7,000円ほど
     
     出来上がったソース