台風15号で私の住む千葉市緑区も強風の餌食になった。我が家も十数枚の瓦が割れたり、近くの神社から杉の木の枝が飛ばされて外壁にへこみを作ったりした。停電は二日後に復旧したが、千葉県南部は停電・断水が続く。
区役所でブルーシートを貰ってきて一階の屋根にかけた。この屋根の修理をどこに依頼するか。我が家を建てた業者はすでになく、区役所で業者の一覧表を手に入れた。しかし、それは入札業者の一覧だった。大手の業者もあり、また遠隔地の業者もあるという実用性の乏しいものだった。
そこで今夏エアコンを入れ替えた時、その作業を依頼した業者が登録している「くらしのマーケット」というサイトで探した。予約日を入力するさいには、予約日が取れない状況だった。災害による注文で手一杯なのだろう。
天気予報は二・三日後に雨と告げている。こんな状況で気持も焦ったのかもしれない。ネットで探した。9月17日「リペアルーフ(株式会社アシストが運営)」というサイトで、webでの問い合わせをした。問い合わせをしたその日、業者から電話があり訪問するとのこと。やってきたのは、170センチぐらいの黒い服を着て(ジャージーの普段着のようなもの)顎髭を生やしニンニク臭い息をする男だった。
名刺には「東京都渋谷区道玄坂1-14-9ソシアル道玄坂303 株式会社One Home 長嶋慎之介TEL/FAX03-5491-6366 Phone080-9716-5576」とある。箱形の軽自動車のルーフに伸縮自在の脚立を積んでいる。ほかに若い男二人。これらいずれも作業服姿でなかった。(ここで疑っておけばよかったかも)
長嶋が一階の屋根の瓦の壊れ方を見て「これは何かがあたった壊れ方だ」と言った。(ここでも疑いを持つべきだった。瓦が割れるのは何かがぶつかるしかないからだ)そして2階の屋根に上った。開口一番「床がふかふかですよ。何か所も瓦が割れている。これは葺き替えないと」デジカメで写真を撮って見せてくれた。そこで即席の見積金額を出してくれた。250万円。「この金額何とかならんか?」との問いに「消費税分を引いて230万円にします」それで一応話し合いはついた。
9月20日正式の見積書が届いた。ところがわが娘。私の娘はスリランカで仕事をしているにも拘らず、私のやり取りに疑いを持った。ネットで徹底的に調べたらしい。道玄坂の事務所。空き室だった。見積書にある代表新森大吾、要注意人物。詐欺業者の一覧サイト「Jpnumber」で電話番号03-5491-6366を打ち込むとこの業者がヒットした。完璧に悪徳業者と判明。
9月24日迷うことなく地域の千葉南警察署生活安全課へ。話を聞いてくれて調べてもくれた。そして「その業者が来たら110番してください。千葉南に悪徳業者の登録をしてあると言って」
帰宅後名刺にある携帯電話の留守電に「道玄坂の303誰もいないじゃないか。キャンセルだ」を残す。併せてクーリングオフ通知書を内容証明郵便で郵送。(宛先から不明で帰ってくるが証拠として残す)
災害の後の実態不明の悪徳業者にはくれぐれもご用心を……