アマゾン・オリジナルのドラマ。ロサンゼルスで自分のラジオ番組「ミュージック・ストーリー・アワー」を持つティグ(ティグ・ノタロ)は、ミシシッピ州ベイ・セント・ルシールに帰郷した。出発の空港では、「woman」と描かれたトイレのはしごという体調不良。到着空港で出迎えた弟のレミー(ノア・ハープスター)に「顔色が悪いよ」と言われる始末。
そんな不調の折、実家に帰ってきたのはママ キャロライン(ライア・キルシュテット)の生命維持装置を外すための立ち合いだった。病室で立ち会ったのは、継父のビル・フラナガン(ジョン・レスモン)、レミーとティグ。ビルが「猫ポンカーズに餌をやらないと」言ったのでレミーが送って行く。(この場面は、死にゆく人を冒涜しているようでちょっと不快)
残されたティグが、キャロラインを最後まで看取った。このドラマは、ティグ・ノタロの半自伝的作品でティグが同性愛者であること。がんで乳房を全摘したこと。この事実を明確にして残された家族の日常が描写される。
ティグ・ノタロは、マイク1本で客席を沸かせるスタンダップ・コメディアンで有名らしく、ここベイ・セント・ルシールのFM局WKKUでも音楽を紹介しながら軽い語り口で含蓄に富んだ語りを見せる。その合間に音響担当のケイト(ステファニー・アリン)に感想を求める。
ティグ・ノタロは、化粧はしない。髪はぼさぼさの感じ。アメリカ人女性の足の長いスタイルとは違って、身長165センチで細身の短足。遠くから見ると男の子に見える。まるで女を感じさせないのは、乳房全摘のせいか(?)。
イタリア語、アイランド語、英語、フランス語、ドイツ語が堪能のドイツ系アメリカ人。実生活では、ケイト役を演じたステファニー・アリンと結婚、養子の子供を二人を育てている。
このドラマ、英会話の勉強によさそうだと思いながら観ていた。ネットでもそういうコメントを書いている人がいた。海外ドラマを観ながら覚えたフレーズの一つに「why not」がある。「How about coffee? コーヒーいかが?」「why not」否定的な雰囲気なので、断りの言葉と思ったが、調べてみると「もちろんいただく」なのだ。
そうではあるが、うろ覚えにしか過ぎない言葉を発して「こいつ英語が喋れるんだ」と思われ、ネイティブの早口でまくし立てられればもうお手上げ。「Yes, Thank you」でお茶を濁したほうがいいかも。このドラマ、お上品でない言葉も混じっていて、まさに英会話にうってつけ。さらに物凄い美人ではないティグ・ノタロに親しみを感じ、まさに家族をつつむ物語だった。
もう一つ、オープニングの曲が「ジャンバラヤ」、この曲はカントリー・ミュージック界の伝説的スーパースター、ハンク・ウィリアムズが1952年に発表した。タイトルはケイジャン料理「ジャンバラヤ」をそのままとったという。
楽曲の「ジャンバラヤ」を多くの歌手が歌っているが、素晴らしい声の持ち主だったカレン・カーペンターの歌唱でどうぞ!
ティグ・ノタロ1971年3月ミシシッピ州ジャクソン生まれ。
ステファニー・アリン1986年生まれ。
ジョン・レスモン1949年7月メリーランド州生まれ。
ノア・ハープスター出自未詳。
ライア・キルシュテット1970年7月ペンシルベニア州生まれ。