猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

COMの中の女性作家 ③ やまだ 紫 「ひだり手の・・・」

2007年05月22日 15時35分47秒 | まんがエリートのための雑誌 COM
「ひだり手の・・・」 COM 昭和44年(1969)5月号に(青春-実験まんがコース佳作第1位)全ページフルサイズで掲載。

 まず、関連サイト紹介を。

  フリー百科辞典Wikipedia・やまだ紫の項目


 やまだ 紫先生の公式サイト → やまねこねっと


 やまだ先生のパートナーである元ガロ副編集長の白取氏のブログ → 白取特急検車場〔闘病バージョン〕


 2年前ブログを始めた頃、いろいろとマンガ関係のサイトをあさっていてまず白取氏のサイトを見つけ、昔話なども楽しく拝見していました。突然白取氏が発病された後もやまだ氏の近況ともどもずっと愛読しているブログです。こちらのブログはいろいろあって、現在トラバとコメントを受け付けていません。
 最近、「述懐・COMとガロの時代」 という私のブログにぴったりな不定期連載を始められ、興味深く読んでいます。ちょうど5月9日付けの記事がやまだ 紫氏のCOMとの出会いのくだりがつづられていて懐かしかったので、自分もやまだ氏のデビュー前作品を引っ張り出してきました。
 

 「ひだり手の・・・」

 作品アラスジとしては特に大きな起伏のあるものではなく、恋人との結婚に悩んでいるように見える姉と、姉を思いやる思春期の妹、それらを見つめる母親、の感情を追っていくモノローグ中心の作品です。こういった作品はCOMには今までなかったのでちょっと新鮮です。

 題名は、妹が左手の爪を自分で上手く切れなくて、母は忙しいし姉に切ってもらおうと帰りを待っていたが、姉は恋人と一緒に帰ってきてなにやら揉めている・・・という場面から始まるからです。
 私にも姉はいますがここに描かれている様な姉思いの妹ではないので、妹の感情は当時は深すぎて分からなかった。今読むと当時と違うものが見えて来るので不思議だな。

 講評は個人の名前がなく、「編集部」 となっています。

 この作品のモチーフは一篇の詩である。やまださんの持つ繊細な感受性が・・・
 
 前半はやまだ氏の感覚を褒め、後半はこの作品の問題点を挙げています。いわく、たんたんと描いているのでもう一つ読者を引き込む何ものかに欠ける。次に妹の心、詩的なナレーションは中盤の姉と恋人の話し合いの場面にはそぐわない。個性はあるが新しくない絵柄、デッサン力の不足等指摘しています。しかし、将来は頼もしい、もう一つ勉強して欲しいとも言っています。

 最近のやまだ氏の作品を読んでいないのでなんとも言えないのですが、私のやまだ氏の絵柄の印象はこの時のままです。上のHPなどを見ると大分変わられているようですが、とつとつとしたようなこの絵柄が私は良いと思うのです。前からなにか絵柄が似ているな、と思っていた 近藤 ようこ氏 はやまだ氏のアシスタントをしてたのですね。
コメント (2)
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