夜さんにお借りしています。
表題作の「化粧曼荼羅」の初出は1984年 プチフラワー 6月号~11号までと番外編の 「化粧曼荼羅 冬の祭り」 は1985年 プチフラワー 3月~4月号掲載。
他にこの作品の前章ともいえる 「オシラ伝」 1983年 プチフラワー 11月に掲載と「河童」 (かわっぱ) という作品が入っています。
何年も前から読みたかった ささや ななえ氏 のホラーの佳作。
夜さん にお借りして読むことが出来ました。ありがとうございます。この作品が世に出てからもう四半世紀になろうとしているのですね~。(遠い目)
だいぶ前から夜さんにお借りしていたのですが、夜怖くて読めなくて、やっと日曜日の昼間に通して読むことが出来ました。これって 山岸 凉子氏 の一連の怖いコミックスの時と同じだな…
そういえば、イメージと言うか作品から感じるものも 山岸氏 の 1980年代のホラー・ワールド作品と似ているかも。当時はこういうのが流行っていたのかな。
あらすじ
同じ大学の憧れの君、緒方君の住んでいる隣の家に下宿することが出来て 珠珠子(すずこ) は大喜び。大騒ぎで友人達と引越しをしに来たが、門を開けるとなぜか自然に涙がボロボロとこぼれて来て。思えばこのときに気づくべきだったのだ。
緒方君の家も下宿先も、鬱蒼と茂った林に覆われた地元の名家の家らしい。もっとも下宿先は分家のようだけれど。しかし 珠珠子 がここに越してきてから以前には見えないものが見えたり、不可解な事が次々起こり、友人の真紀までがカマイタチのようなものにやられて怪我をしてしまう。
緒方君の曾祖母や同じ下宿にいる 白貴 (しらき) という少年も不気味だし、大家のおばさんもなにやら内緒にしていることがありそうだし…。
白貴 は街で人でないものに憑かれそうになった 珠珠子 を助けてくれ、早くあの家を出ろと忠告してくる。けれど緒方君は 珠珠子 に気のあるようなことを言って引き引きとめようとする。緒方家とあの場所には何があるの ? 私を巻き込まないで ! やっぱり私、あそこを出なくちゃ !
古い信仰の因習にとらわれた旧家と、越してきたことでそれに巻き込まれる女子大生の恐怖を描いたホラーミステリー (と言うのかな ?)
このマンガ、何でも無いようなシーンが怖いのです。細い道を挟んで、憧れの緒方君が隣の家の庭に入っていくシーン。それを遠くから見ている 珠珠子 。まるで異界から出て異界に入っていくような、そんな場面が怖いのよ~。
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あと、オババさまが怖い~
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/b_face2_shock_m.gif)
眼が見えない設定だけれど、ナウシカのおばば様とは大違いですわ。
最後の方、同じ作者の 「たたらの辻に」 と同様、
大きなもの が出てきてなんかスペクタクルになっちゃうのは好きではないんだけど、最近の
怖くない可愛いもののけばかり出演 でない、怖いもの見たさが満足される作品でした。ページめくるのドキドキだったもの・・・。
ささや ななえ氏 の以前の記事
ささや ななえ傑作集 「わたしの愛したおうむ」
ペーパームーンムック 少女漫画ファンタジー 「少女漫画 夏の夜の夢」