↑ ㈱講談社 KCx29ITAN 2011年8月5日 初版
阿仁谷 ユイジさんは BL(ボーイズラブ) 界で活躍しているマンガ家さんだが、この作品はBLではない。
初出は 「ITAN」 と言う漫画雑誌の零号~3号という。
知らなかったので調べたら、
2010年6月に「世界のはじっこを描き出す新しいコミック誌」をコンセプトとする「想像系新雑誌」をキャッチフレーズに創刊。
したらしい。新しい雑誌なんだ~。
作家さんたちも 乙ひよりさん、こなみ詔子さん、イシノアヤさん、ツナミノユウさん、会田薫さん、雲田はるこさん、アサミジョーさん、びっけさん、南国ばななさん、夏目ココロさん、群青さん、と私の知らない人も居るけれど、ちょっと気になる人が多いでないの。
取り寄せて読んでみようかしら。
「ITAN」ホームページ → ITAN
さて、この「テンペスト」意味は英語で 嵐 と言う意味だが、最近では 池上永一 の小説が原作で、今年 仲間由紀恵さん主演で舞台化され、又仲間さんの主演によりNHK BSプレミアムでドラマ化されたのを思い出す。
この話は確か女性が男性と偽って出世していく話だが、阿仁谷 ユイジ氏の話も性を偽ると言うところがちょっとこちらと似ている。
偽らざるを得ないんですよ。
何しろ時は西暦3992年、太陽系に発生した磁気嵐群の影響で地球上のヒト科のY染色体は絶滅。
残された女性達は、卵子同士での生殖に成功。
地球は女だけの新たな世界に生まれ変わった。
そんな中、主人公 姫 はたった一人の男性としてこの世に生を受けた。
この 姫ちゃん 現代の女の子よりよっぽど性格が女の子らしい。
好きな子 (もちろん女性) に献身的な愛を捧げているのに自分の秘密を告げられず、彼女の子供を産めないことを悩みに悩んでいる。
あっ、この世界では男性が絶滅したせいで人口が激減しており、出産は全人民の義務となっている。
まったく荒唐無稽な話でも有りません。
巻末の参考文献やら取材協力してくださった理学博士との取材マンガなども有り、うっかり信じそうなくらい本格的です。
BLでも他とちょっと違った切り口と、(たまに痛い) 可愛い絵柄で私を楽しませてくれている 阿仁谷さん の新境地のこのマンガ、実にSF超大作。
続きがとっても楽しみです。
阿仁谷さんのBLは全部持ってるトミー。