先ずはショッピングセンター(以下SC)の変遷を考えよう。70年代から80年代には「出店ありき」であった。大店法と商調協の認可がネックでハフモデルの計算などをやった覚えがある。(距離は二乗に反比例という重力モデルのような数式) 駅前立地で所有が多くダイエーやそごうが代表である。<o:p></o:p>
バブル時代からポストバブルの開発は90年代で、「郊外」の時代であった。更に、日米構造会議でアメリカ通商代表部(USTR)のカルラ・ヒルズ代表が大店法を「外資参入のエントリーバリア」だとして見直す運びとなった。この時期は複合開発で先駆けであるつかしんやマイカル本牧が代表例である。更に外資系のコストコ、カールフールなども出店した。1998年大店立地法に変更され、郊外の1,000㎡店舗が増加となった。<o:p></o:p>
2000年以降は大型用地の用途変更が多く、工場用地や鉄道用地の転用や金融機関の保有地などに出店があった。大型の土地ありきで都心と郊外とも借地で建物もリースが多くなった。何時でも撤退できるスクラップアンドビルドがあり画一的で「金太郎飴」、「ナショナルチェーンの受け皿」のようである。またファンドの所有も多く、短期間で投資回収だが利回りが見込める(リースに近い)投資として見られている。 <o:p></o:p>
これからSCは都心居住と高齢化と情報化を踏まえネットおよびコンビニとの競合があるだろう。またスーパーマーケット(以下SM)も生鮮3品(青果・精肉・鮮魚)で地場チェーンの元気が良い。ネットは手軽で安い箱物や重いものに強く、水・米・酒など頼れる。コンビニは利便性と配達頻度がチェーンの優位性で情報取扱いと物流(宅配、振込み、手続き等)の拠点でもある。また商店街も生き残りから復活しているところもある。一例ではプラモデル屋もアラカン(還暦前後)で復活している。時代は巡るものだ。 <o:p></o:p>
場のチカラもあるが情報のネットと流通のネットはそれこそ効率性だ。<o:p></o:p>
ロシアの笑い話だが、炭鉱から石炭を鉄道が動いていないので運べない 鉄道は鉄がなくてレールが替えられないので動けない 製鉄所は石炭がないので鉄が作れない こういうのが流通の落とし穴である。<o:p></o:p>
さらに市場への分配では家庭菜園をやってみればわかるがきゅうりなど一時に出来てどうしようもなくなる。(漬物にしてもなかなか、食べるのも一人数本食べれば十分だ) ここで流通の効率性がある。<o:p></o:p>
かつての「場」は、知的「集積」、人的交流、生の情報、対面の会話の親密性・創造性 しかし 集積はコストとストレス(混雑)のデメリットもある。衣料・生活用品はいまだにSCか百貨店か専門店もしれないが、その他の部分は前述のとおりネットと最寄店(コンビニ、SM、商店街)でどうにかなる。つまりは買い物のチャネル・分散が起こっている。わざわざ行く理由が求められるが、かつてはSCでぶらぶらするのがよかったが今はどうだろう。街中でぶらぶらが多いようである。<o:p></o:p>
SCの集客力について、先ずは事例として「観光商業」を次回は考えてみよう。<o:p></o:p>