持ち上げて重い本だ。名古屋大学出版会で6,200円、600ページほど。長いが面白い。知見としては<o:p></o:p>
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① 製品の革新が企業交代の要因<o:p></o:p>
実は、T型フォードは快適さで優位なクローズド・ボディに対応しにくい設計のためGMに追い抜かれた。ソローンの言う、フルラインの強さではない(注:その後ボディは進化し一体のモノコックとなる、最後までラダーフレームだった日本のセダンはトヨタのクラウンのはずだ)<o:p></o:p>
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② 製造の舞台は、建物(静止式から流れ作業」や動力(天井ベルトから電気モーター)で変化<o:p></o:p>
建物、配置、動力、部品精度(やすりの有無)で分析している。生産には建物や設備が大事というのは今のオフィスの生産性に関するファシリティ・マネージメントと同じだ。<o:p></o:p>
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③ 看板方式は次工程との繋がりと準備でロスタイムの短縮<o:p></o:p>
これは、専門的分析だ。工程間のつなぎが要点で、オペレーション・リサーチの概念だ。なお、IBMのインフラが初期から使われていたとは。いまやコンビニは更に活用しているだろう。<o:p></o:p>
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④ 生産性と労働組合の関係:賃金と体系<o:p></o:p>
フォーディズム(ライン方式)と労働者定着率のトレード・オフがあり、トヨタの賃金体系の分析もある。カイゼン運動と参加意識も突っ込んだ分析があればと願う。<o:p></o:p>
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最後に、言われている「寓話」は信用してはいけないとのコメントがある。本論はアメリカの論文に多い、足で稼いだ実証的論文に位置づけられる。<o:p></o:p>
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とてつもない力作です。関係の方は一読をおすすめ致します。<o:p></o:p>