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ノーベル賞経済学者・クルーグマン「中国崩壊と世界同時不況 私はこう見ている」
チャイナ・ショック! 世界経済の「明日」を読む【第1部】
2015年09月07日(月) 週刊現代
中国では2億人の個人投資家が大損害を被った〔PHOTO〕gettyimages
世界第2位の経済大国・中国で、株価が暴落した。その巨大なくしゃみによって、
日米欧で同時に株安が進行。「世界不況」への門が、不気味な音を立てて開き始めた。混迷の時代がまた始まるのか。
失速と崩壊はまだこれから
「チャイナ・ショック」以外の何物でもない株の急落だった。昨年末から上昇し始めた上海株式市場の総合指数は、6月、5000ポイントの大台に乗せていたが、8月末、一気に下落。25日には、節目の3000を一時割り込み、ピークから4割超下げた。中国バブルは完全に弾け、崩壊した。
日本でも、8月半ばには2万1000円近くまで値を上げていた日経平均が、8月25日、半年ぶりに、1万8000円を割り込んだ。大損を出す投資家が続出。市場は阿鼻叫喚の地獄と化した。
各国で懸念が増し、「世界同時不況」が現実味を帯びるなか、20人の経済のプロたちに徹底取材。世界と日本の経済の今後を読み解いた(全7部)。
巻頭提言をするのは、'08年にノーベル経済学賞を受賞した、プリンストン大教授のポール・クルーグマン氏だ。安倍晋三総理にも影響を与える同氏に、不透明な世界経済の今後を聞いた。
【独占インタビュー】ポール・クルーグマン
いま、中国はバブル崩壊の真っただ中にあります。それを否定する人は、アメリカの経済界を見渡しても、誰ひとりいません。
情勢は、 ❶ '90年代の日本のバブル崩壊と近い。しかも中国は、これから、さらなる失速を経験することになる。中国には、この国特有の問題がいくつもあるからです。
中国について話す前に、まずは世界経済全体の現状について俯瞰してみましょう。いま世界で起きているのは、シンプルに言えば、 ❷ 金融緩和で各国が発行した過剰なマネーが、行き場を失っているということです。
世界全体の経済が失速するなか、これまで有力な投資先と目されていた、❸ 中国をはじめとする新興国の成長が懸念され、一気に資金が引き上げられつつあります。
こうしたリスクを避けようと、マネーが安全資産に逃げてしまっている。その結果、株安が起きたのです。
不安定な状況の中心にいるのが、中国です。
中国は'08年のリーマンショック後、ただでさえ多かった投資を、政府主導でテコ入れし、無理矢理に増やしました。それまでは投資がGDPの40%強を占め、これでも異常な水準でしたが、そこからさらに50%近くまで持ち上げたのです。
その結果、投資が異様なまでに過熱してしまった。一方で消費はわずか30%ほどに過ぎません。アメリカでは逆に消費の割合が70%を超えている。
こうした投資による旺盛な成長を見込んで、各国のマネーが流れ込んでいたのですが、無理矢理の投資が長続きするはずがありません。成長が鈍化するなかで、それが一気に逆流している。
同時に、国内の投資家は投資を回収できず、不良債権問題が深刻化している。
❹ 不良債権は今年の6月末で約2899億2000万ドル(約348・6兆円)あるとされ、前年から3割超も増えている。まさにバブル崩壊の様相です。
中国は信用できない
中国の焦りが見えたのが、 ❺ 人民元の切り下げでした。8月11日に基準値を2%、翌日に1・6%切り下げた。
輸出競争力を強化したりすることで、経済を刺激したいという意図の現れです。これが「最初のひと噛み」となって、これからさらに切り下げが行われていくと思う。でも ❻ 日本は'12年から約50%も円安が進んでいます。それを考えればこの程度の切り下げをしても効果は薄いでしょう。
本来ならば、本当に中国が実現すべきなのは、 ❼ 完全変動相場制への移行です。しかし、その場合、元はドルに対して、いまより大幅安になり、アメリカとの経済摩擦は増します。中国の指導者に、その準備があるとは思えません。
中国経済でさらに問題なのは、その影響の大きさがどれほどかを正確に測れないということ。
まず、中国の共産党が発表する数字が、信じられない。今年、アジア金融フォーラムに参加した際、中国の政府の代表は、「成長率は、7・3%」と言っていましたが、その数字がどうやって出てきたのか説明はなかった。一部では、実態は3~4%だと言われています。
また、中国で不動産投資をする場合の借り入れは、「影の銀行システム」で行われることが多い。
これは、通常の銀行ではなく、投資銀行、証券会社やヘッジファンド、「理財商品」という金融商品を売る運用会社などの総称のことで、この実態は把握されていない。
「影の銀行」の貸出残高は、'13年末の時点で、約48・7兆ドル(587兆円)に達しているとされます。これが、不良債権の影響で、連鎖的に破綻する危機にあると言われる。世界経済に与える影響は計り知れません。
他国に目を転じても、様々な懸念材料がある。
アメリカは、景気は悪くないですが、重大な判断を迫られています。FRB(米連邦準備制度理事会)が、利上げをするか否かの決断です。
❽ ヘタをすれば、「1937年の悪夢」が再来する。
1929年の世界恐慌で株価が暴落し、大打撃を受けたアメリカは、金融緩和政策やニューディール政策で回復を図った。'33年から'36年の間に、GNPが560億ドルから820億ドルにまで回復したところで、'37年、FRBは、インフレを懸念して、利上げをしたのです。しかし、これが間違いでした。景気は冷え込んで'37年の1年間で失業率は20%にも達し、工業生産は32%、GNPは10%も落ち込みました。
今年7月、ジャネット・イエレンFRB議長は、米下院議会で、「利上げを早めにしたほうがいい」と発言し、9月の利上げがささやかれましたが、まだ状況は不安定。'37年の再来を防ぐため、利上げはしないと思います。
私は、働く意欲を持つ人がすべて雇用される「 ❾ 完全雇用」が明白に実現し、間違いなくインフレになったと言えるまでは、利上げは待つべきだと思う。現状、インフレ率はまだかなり低い。
欧州では、8月19日、ESM(欧州安定メカニズム)が、ギリシャへの最大860億ユーロ(約11兆8000億円)の金融支援を承認し、ギリシャはデフォルトを避けることができました。最悪のシナリオは回避できた。
しかし、9月20日にギリシャの選挙がある。そこで、政権が代わるなど、政治的な混乱が起きれば、それが経済に波及していく可能性が高い。まだまだ安心はできません。
グローバル経済が減速しているなかで、 ❿ 日本が絶対に行ってはならないのは、消費税増税です。1度目は完全に失敗でした。2度目の増税をすれば、アベノミクスは完全に墜落してしまう。世界経済が衰退するなか、日本には力強く頑張ってもらわなくてはなりません
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● 彼の言っている事から見えるのは、先進国のダブついているお金が、投資先を求めて、
共産主義ではないが、妖怪の様に世界を動き回っているという事です。
● 同時にその資金の引き上げが、暴落を齎すことを証言しているようなものです。
実際そうですが。調整は徐々に起こる場合もありますから、波が読めないと
本当の調整の時期、つまり暴落開始の開始時期は読めないのです。
● 波動から、4月10日に既にスイスやドイツ、フィリピン等の調整=暴落が開始している
事が見て取れます。4月15日にはシンガポール、4月23日は韓国、ダウは
5月19日に、上海は6月12日に、日本は6月24日に始まっています。
● いずれは暴落は、サイクルの法則から避けられない事ですが、ノーベル賞学者の
口からは、一切出ないのがそのサイクルです。ジョージソロスはUSAの
上院の証言で、はっきりと再帰性という表現でサイクルを語っています。
● 上記口絵を見れは、誰でもサイクルが見て取れます。最重要な30年サイクルは、
インフレ調整をすればはっきりと見て取れます。90年サイクルや270年サイクル
を見るのは少しの訓練が要りますが、30年サイクルの繰り返しでも想像は出来ます。
● インフレ調整しない株価を見れば、1930年代と2000年からの今の調整は全く異なるのが
見て取れます。前回は90年サイクルの調整である、巨大な調整であり、
調整は1949年まで続いています。
● 今回は大量にドルを刷ったこともあり、又9:11の煙幕で暴落を隠したこともあり、
2000年からの暴落は気づかれずに済んでいます。煙幕は大成功だったと言う事です。
2007年からの暴落も、リーマンショックというやらせを作る事で、煙幕と
して大成功しています。理由がなくては空売りは出来ないからです。
● 2007年が中共の暴落の開始である事は波動から見れます。その後の金融緩和で上海の
株価も5000台まで戻りましたが、これは前回6000を越さない事からも分かるように、
調整の反発=ABC調整のB波と言う事が見て取れます。
● 従って今の暴落は、2007年からの最後の調整波=C波と言う事なのです。元の震源はリーマンショックです。
ダウや上海株価の動きから見れば、逆に日本の1990年からの暴落のほうが
長期にわたっての大暴落による、一国のだらだら恐慌という事が分かります。
● 日本では、金融緩和で調整の痛みを和らげるどころか、痛みを悪化させる意図的バブルつぶしで
日本の失われた20年を齎したのです。その間に悪の中韓の台頭を齎したことを見れば、
当時の日銀の売国的行動が分かろうというものです。
● 悪の中共は資本主義の援助がない限り発展は難しいので、西欧の自覚で彼らの経済を
ガタガタにすることは可能でしょう。問題はUSAのピンク政権が中共と言う
悪を育てている事です。
● 一方日本はこの数年で、50%も円安になっているにもかかわらず、びくともしないどころか、
逆に景気が良くなっているも分かります。これが日本の実力と言う事です。
真の供給力が強い日本には金融緩和政策が絶対必要なのです。
● この様に、的確に日中や世界の経済を説明している彼ですが、数点の問題点が見られます。
❶ 経済のサイクルと言う観点が全く見えない事。従って1930年代の大恐慌と今回の区別が
つかない事です。つまり、90年サイクルと30年サイクルの違いも分からないのと
同時に、調整の波の違いから、お金のダブつき程度も見えないのです。
前回の波は、巨大なトライアングルで厳しい波≒大暴落が初期の段階で起こり、その後の大
不況を決定しています。従ってその後の政策はあまり意味がない事が予測できます。
実際ニューディール政策でも全く効果はなく、戦争がその役割を果たしています。
❷ 今回の景気拡大を、真の好景気と誤解、つまり30年サイクルの好景気と誤解している事です。
2000年からの調整が続いている事が見えないのです。それはインフレを除去しない波が
拡大型の為に見えにくいという事は有りますが、
しかしインフレ調整ではだれでも分かります。
❸ お金が世界的にダブっていると理解しながら、資産インフレが見えないのです。資産インフレに
対して今回は金利を上げるのです。完全雇用が達成されてから又はインフレが起こってから
金利を上げるべきという、見当違いな見方をしている事です。
何時かはダブついた資金の回収をしなくてはならないのです。完全雇用の為にする事では
ないのです。景気に関係なく、お金は回収せざるを得ないのです。回収の為にも
危機を作ったり、煙幕を作るのが必要なのです。又逆に金利を上げる事で、
インフレを誘発するのです。これは1966~1982年の不景気にも見られた
現象で、スタグフレーションを齎しています。
● しかし、今回はすこし事情はそのころとは、異なります。つまり今回は金利の上昇で一旦株価の調整は
起こりますがすぐに回復して、来年の大統領選まで最後のミニバブルが起こるでしょう。
それは、波動が苦手なジムロジャースもその様に予測しています。
● さらに、2018年~2019年ころから起こる、最後の好景気の為に株価は上がりますから、金利の上昇と
最後の好景気が重なります。2029年前後まで大好景気は続きますが、2029年前後から起こる
大暴落と金利の大上昇が重なり、2046年までは今までにない史上最大の混乱が起こるのです。
● つまり、先輩先進資本主義の大崩壊による、世界の大混乱と内戦型第三次大戦への幕開けです。
上記のグラフはそれを語っているのです。クルーグマンさんエリオット波動を勉強しましょう。
● 何故か資金の回収には、30年サイクルの倍の時間がかかるようです。つまり60年のコンドラチェフサイクル
の事です。資金の回収と金利の上昇と金貸しへの利益の保証とは表裏一体なのです。
しかし、何故資金の回収に60年サイクルが必要かは、今の私にも謎です。