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● 上記は、青線の30年サイクルとその倍の赤線60年サイクルを重ねたものです。
既にピケティはマルクスの語った資本家の収奪という言葉を、
r>gと簡単に表現しました。
● 自然界でも、法則を支配する数式は、簡単であるほど真理を映すといわれます。
実際宇宙を表す物理学の数式は、簡単な数式で表されるといわれます。
簡単で美しいほど、真理に近いという事です。
● そういう見方をすれば、マルクスの単純な分析と、ピケティの単純な式は、真実に近いと
言えましょう。ただし どちらも、自分の分析の解釈を間違っていますが。
● マルクスは、資本主義こそ収奪が最も激しいと分析しましたが、しかし、今回のピケティの
式から生まれたグラフは、資本主義こそ最もrとgの差が少ないことを示しています。
その意味では、両者の資本主義批判は当たりません。
● ピケティの図からは、資本主義が始まってから、rとgの差が縮まり、それ以外の体制では
著しい差を表している事が、見て取れます。つまり、戦国時代(武人の時代)や
絶対君主(身分制度が厳しい時代知恵者の時代)の時代は、
● 当然体制の本懐は、武人時代は支配の為の戦争と虐殺の時代であり、絶対君主の時代は
身分制度にて、身をわきまえる生き方が求められる時代です。どちらも支配者の
本質は、資本主義時代の資本家とは異なるのです。
● 資本主義時代は、経済の発展がその本質ですから、圧倒的庶民の参加が望まれるのです。
それを保証するのが、選挙制度と、公平さを保証する法律の公平な適用です。
必然的に民主主義と自由主義が芽生えるのは、当然の帰結と言えましょう。
● しかしどの時代も、r>gであることは、ピケティが示したように、相対的な問題は
あっても、最も得するのは支配階級であることは、ある意味必然です。
● その得するシステム≒庶民からの収奪の仕組みは、税と言うのみでは語れないのが、
r>gの数式です。つまり、経済の発展と金貸しの金利との関係の中に、
内蔵されていると見るべきです。
● 自然界は、すべて、自己組織化と言う、内在する原動力がその本質と言う事ですから、
収奪の仕組みも、経済の指標に隠されているとみるべきです。
● それを今回は、政策金利60年サイクルと、景気循環30年サイクルに内蔵されていると
見て検討を加えてみました。何故支配階級にとって、景気サイクルの2倍の
コンドラチェフ=金利のサイクルが必要かという事です。
● 旧ソ連では、すべては国家が決めますから、自然に起こるというコンドラチェフサイクル、
この理論は、支配階級に対する挑戦と見えたのでしょう。何しろ支配と下剋上が
時代の精神の中心を占めますから、不用意に支配者を刺激しては危険なのです。
◎ さて図から見える事は、青のサイクル=景気のサイクルは30年でサイクルを作るのが見えます。
実際は上下しながら上がりますが、見やすくするために、直線で書いています。
◎ つまり、ほぼ15年駆けて上がったサイクルは、ほぼ15年かけて下がるのが見えます。実施は揺らぎが
ありますから、数年の違いはあり得ます。しかし、30年X3X3を繰り返すと、だんだんと
サイクルは平均30年になるように、精度が増します。
◎ これは以前に、270年サイクルを過去にさかのぼって、あてはめても、全くサイクルの位相差が
ブレない、数千年でもブレないことからも言えます。
◎ 15年かけて上がった景気は当然下がります。しかし図から見て分かるように、金利はその後も
上がり続けます。60年サイクルの必然的結果です。言い換えれば。不景気なのに
金利が高くなる、スタグフレーションをきたすのです。図の3から㋑まで。
◎ これは、1966~1982年の不景気を説明する為にできた言葉でしょう。図に当てはめれば、3~4~5の
下降期に相当します。その時に景気と金利の解離が起こります。金利は㋑に向かって
限りなく上がります。その時のUSAは崩壊の危機に直面しました。
◎ つまり、戦後急激に台頭した日独の産業で、壊滅的な段階まで来たのです。もはや今までの自由貿易は
USAのとって危険なものとなったのです。そこでUSAのニクソン政権は新たなる
戦略を生み出すことで、危機を乗り切り今日まで支配者として君臨しています。
◎ その戦略は、いわゆるニクソンショックの事です。1970年台は立て続けにいろいろな戦略が
USAから発動されたときです。金とドルの兌換停止と変動相場制への移行。
政治的な圧力でもっての、日独への対応。85年のプラザ合意等等。
◎ 結果として、自由なドルの印刷=強力な量的緩和と、ドル安戦略です。ドルが崩壊するのでは
ないかといわれるぐらい、ドル安が起こりました。そしてUSAは復権したのです。
★ 話は戻りますが、">図の青のサイクル3~4~5~6~7の部分と、赤線の㋑の部分が作る
ダイヤモンドの部分が、単純に言えば、金利で儲ける金貸しの余分な利益と
言えるでしょう。その部分が貧富の差を作るといえます。
★ つまり、青線の景気の上昇期は、庶民も仕事が有り、蓄える事が出来るときです。当然、
赤線の1~2~3の部分も同時に、金貸しも儲けるときです。しかし儲け方は
庶民の繁栄と大して変わらないといえます。
★ 庶民と支配階級とのウィンウィンの関係です。ともに幸せなひと時です。その後の景気と金利の差の
かい離が酷くなる事が、必然的にr>gの仕組みを作るのでしょう。つまり、不景気なのに
インフレが酷くなり、収奪されていると庶民が感じるときでもあるのです。
★ 図の5~6~7の好景気は、USAでいえば1982年から2000年までの好景気です。1982年の景気の
底の前後で、やっと高い金利が下がり始めたのです。それから好景気が始まったのです。
★ USAが永遠に続くニューエコノミーと、酔いによった時です。勿論永遠の好景気は有りえませんから、
2000年=7の部分から崩壊が始まりました。そこでとった支配階級の不況時の作戦が発動されたと
言えるのが、イスラムへの侵攻を正当化させる、9:11の勃発です。
★ その不景気の作戦が今も続いているのです。不景気が終われば、次は好景気なのは当然です。
2019年前後と思われるのが、図の9の部分です。図では金利が限りなく0に近いですが、
実際は、位相差が少しありますから、今年~来年から金利が動くと思われます。
★ いずれにしろ、USAの最後の本格的好景気は、2019年前後から始まると予想できます。
同時に9での量的緩和の再開と金利の上昇が始まり、2029年までは大好景気で
西欧世界は再び幸せなひと時が来るのです。
★ しかし、同じことを再び繰り返すのが、サイクル理論ですから、1~5までと同じ事が、9から13までの
サイクルを齎すのです。前回は5の部分で極端な混乱は起こらずに、日独に負担させることで
乗り切りました。同時に日本たたきの時代が1990年(6の部分)から始まったのです。
★ 失われた20年です。その後に貧困でみすぼらしかった中韓の台頭が起こったのです。勿論
西欧の日本たたきの一環です。その戦略的転換が明白になったのが、安倍政権の
登場からです。中韓の紳士としてのあるまじき行動が西欧の覚醒を促したのです。
★ 今後の予想で問題なのは、12~13(2039~2046年)の部分の所です。前回(4~8)は日独に責任を転嫁することで、
見事に乗り切ったUSAですが、今回はそうはいかないのです。日本は円安と製造業の回復
過程に入りましたから、前回の様に、日本の負担≒円高で乗り切る事は出来ません。
★ 波動から、2029年まで日本の円安は続くと思われます。つまり、11までの過程は日本の金融緩和も
加わっての、西欧の最後の宴会が起こるときですから、踏みあげる相手は、日独を除く
世界と言う事です。はっきり言えば、中韓に責任をかぶせるのでしょう。
★ しかし、11(2029年)の段階で不景気のサイクルに突入しますから、㋺までの金利のサイクル
-コンドラチェフサイクルは、きつい不景気=今とは異なるスタグフレーションが起こるときですから、
重大な局面を迎えます。12~13(2039~2046年)は世界大戦の危機です。
★ 前回の㋑のスタグフレーションの時(3~4~5)は、1%対99%の衝突は有りませんでしたが、
今回はそうはいきません。同時に270年の資本主義の寿命が来る時が、㋺の時(2046年)です。
つまり、2046年は大スタグフレーションの真っただ中で、前とは異なる環境があるのです。
★ 資本主義の寿命到来と、強力なスタグフレーションの発生、これまでにない貧富の差の拡大、
中東を中心にした世界の大混乱、西欧の移民問題の大混乱、チャイナの強大化、
★ すべてが重なり、資本主義の崩壊と世界的混乱をもたらすのです。r>gのピケティの
法則と、270年の法則と、マルクスの予言が重なるときと言えるでしょう。
★ 不景気なのに、スタグフレーションで己の利益のみを追求すると、体制が崩壊すると
いう見本です。実際は寿命が齎すシステムの老化の性ですが・・。
★ 図の㋺~13の縦線を、西欧先輩資本主義は超える事が出来ないのです。だから言ったのです。
㋺シアには手を出すなと。13は西欧では不吉な数字なのです。これは単なる駄洒落ですが。
★ 金利の60年サイクル=コンドラチェフサイクルは、支配階級の欲望と収奪のサイクルなのです。
勿論必然的サイクルでもあるのです。
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