歴史と経済と医療の未来予測・歴史経済波動学

フラクタルと歴史経済波動学で予測
 未来の世界と経済と医療の行方
貴方はいくつの真実を見つけられるか!

心配無用、2046年英米は、内乱・内戦で体制が大崩壊する。

2024年01月29日 09時57分00秒 | USA/大西洋資本主義の大崩壊




// 編集部からのお知らせ //

2023年11月。
ある一人の男が
100歳の天寿を全うした。

ノーベル平和賞も受賞し、
アメリカ政治に多大な
影響を与えた男の死は

多くの有力者たちを悲しませた。

バイデン
「圧倒的な知性と、
深遠で戦略的な着眼点は明らかだった」

プーチン「賢明で先見の明のある政治家」

習近平「古い友人良い友であった」

ところが…一方で彼のことを
こう評する声もある…。

「なぜこの男が国際戦犯法廷
にいないのか不思議でならない」

なぜここまで評価が
真っ二つに分かれるのだろうか?
男は何者なのだろうか?

実は…この男は
「ノーベル平和賞受賞者」以外に
もう一つの顔として囁かれる異名がある…

それが…「アメリカの黒幕」

半世紀に渡り、アメリカを
裏から支配し、世界を
動かしてきた権力者だというのだ。


>続きを見る


******

皆さんこんにちは。
ダイレクト出版政経部門の
石田遼太と申します。

今回、ある男の所業の一つを
ご紹介させていただきました。

1971年に発生した
南米・チリのクーデターについてです。

チリと言うと、日本人にとっては
馴染みが薄い国のように思えますが…

どうやら、アメリカにとっては
隠したい悲惨な歴史が
残る国でもあります。

この国で一体何があったのか、
アメリカがどう関わってくるのか、

今日そのお話しを丸谷先生に
してもらいました。

続きをご覧ください。

******


From:丸谷元人



キッシンジャーは有名な
裏工作をしているのですが、
それが南米のチリクーデターです。

その南アメリカで初めて
民主的に選ばれた
主権国家の大統領が暗殺されるのですが、

それに手を貸したのが
キッシンジャーでした。

60年代までのチリというのは
完全なアメリカの植民地だったのです。

チリは今でもそうですけど、
銅などの鉱物資源が非常に多く採れます。

チリの銅などの価格を
アメリカが決め、安い価格で購入できる
という不平等な密約がありました。

さらにアメリカ企業が、
チリ国内における全ての銅鉱山を
支配下に置いていました。

その間、一般の国民は
まともなお給料をもらえないので、
大きな貧困状態にあったということです。

その結果、チリという国では
何が起きたかと言いますと、
国内産業が壊滅しました。

国民は長期的な不況に
苦しんだのです。

これはチリだけではなく
アメリカが多くの中南米の国々で
やってきたことであります。

当然ながらそうなると
何が起こるかというと、
反米運動が起きるのです。

その反米運動に対して
ソ連が支援するので、
あたかも共産主義対アメリカの戦い
になりますけど、

実は虐げられた国民が
唯一すがることが出来たのが
ソ連だったというだけの
話が結構多いと思います。

チリもそういった状況の中、
非常に苦しんでいました。

そのようなときに出てきたのが、
サルバドール・アジェンデという人でした。

この人は1970年にチリ社会党の
大統領候補として出てきて、
36.2%の得票率で大統領に就任したのです。

この人は元々お医者さんで、
社会の公平とか分配というものを
標榜する社会主義の政治家でした。

しかも先ほども言いました通り、これは
南アメリカの自由選挙で社会主義政党が
選ばれた初めてのケースでした。

このアジェンデ大統領は
アメリカ企業に支配された
銅などの鉱物資源、それから

アメリカ資本から
牛耳られて貧困の原因となっていた
五つの大きな鉱山を国有化にしました。

さらにこれまで資源を散々搾取して
チリから金を吸い取っていた
アメリカに対して、
賠償請求をしたのです。

彼は「払いなさい、
おかしいだろう」と言いました。

アジェンデ大統領の
行った政策は至極真っ当に思えます。

例えば、自分の庭で沢山出ている
湧水があったとすると、

それを外国人がいきなり入ってきて
勝手にそこで建物を作って、
そこから水を汲み出して外に売って、

自分たちには何も入ってこない
という状況は
自分たちの家の感覚から
考えてもおかしな話でしょう。

アメリカはまさに
それをやっていたので、

アジェンデ大統領は
「うちの庭で湧いているものだから、
うちのものです」と言ったに過ぎません。

しかし、それに対して怒ったのが
キッシンジャーであり、
アメリカ政府でした。

キッシンジャーは資源国有化を
支持するアジェンデ大統領が
誕生するその2ヶ月前から、

アメリカ政府内の情報会議において
「なぜあの国を黙って放置しておくのか」
というようなことを言っているのです。

キッシンジャーはアメリカの影響力下に
ある国が社会主義になったら
絶対に駄目だと言うのですが、

腹の底ではチリの資源は
アメリカのものだと思っていたのでしょう。

あいつらが勝手にできるのか、
冗談ではないという意味だったと思います。

そしてついに
キッシンジャーの直属の上司である
ニクソン大統領が裏で操られて、

CIAに対してアジェンデ政権の転覆を命じました。

キッシンジャーは後に
「手段は問わないから
何とかしてアジェンデをやっつけろ」
とも言っています。

ティム・ワイナーという人が書いた
『灰の遺産』という本の
証言にあるのですが、

チリ現地にいる
米国大使が

「アジェンデ政権を武力で打倒する
というのは考えない方がいい、
また失敗するからやめるべきだ」

とキッシンジャーに警告しています。
しかし、これに彼は
堪忍袋の緒が切れました。

そして、この米国大使に対して
「邪魔をするな、黙っていろ」と言ったそうです。

そこからCIAは巨額の資金を投入して、
マスコミや政治家を反アジェンデに
どんどん変えていきます。

チリの軍隊の中にも極右的な同調者に
「アジェンデは共産主義者
だから倒してしまえ」

と言って金を注ぎ込んで
次々に増やしていきます。

その中で1973年9月11日、
アウグスト・ピノチェト将軍が
クーデターを起こしました。

そして、チリ陸軍の中で非常に
尊敬されていた
シュナイダー将軍を拉致しています。

彼がアジェンデ将軍の右腕
となって軍を指揮していたのですが、
拉致して殺害しました。

つまり、日本で言うところの

統合幕僚長のような方を拉致して
殺害する事件を、CIAが承認していた
こともわかっています。

これもすごい話だと思いますが、
日本の陸幕長もしくは
統合幕僚長の誘拐・殺害を

海外の情報機関に命じられて、
本当にやってしまったようなものです。

それから軍事クーデターが起きて、
アジェンデ大統領は
一気に追い詰められていきます。

この9月11日に何が起こったかと言うと、
チリ大統領宮殿に
アジェンデは立て籠もって、

軍と銃撃戦をしながら
最後のラジオ演説を行ないました。

「私はこれからも皆さんの
そばに寄り添っていきます。

この国の労働者諸君、
私はチリという国家と
その運命に忠誠を誓っています。

反逆がこの国を覆い尽くそうとするとき、
他のチリ人たちがこの暗くて
苦しい時間を乗り越えてくれることでしょう。

そして、遅かれ早かれ、よりよい社会が
築かんとする自由な人々が闊歩する
大きな道が開かれることでありましょう。

チリ万歳、人民万歳、労働者万歳、
これが私の最後の言葉となります。
私の犠牲は決して無駄となりません。

この犠牲はいつの日か必ず、
道徳的な教訓として重罪を犯し、

臆病に脱した反逆者たちを
罰するに違いないのです」
と語っています。

これは1973年9月11日
午前9時10分の放送でしたが、

これが最後のアジェンデ大統領の
演説となったのです。

その後のアジェンデ大統領の
詳しい最後は不明です。

銃撃戦をしながら撃たれて死んだ
という話もある一方で、

大統領宮殿の中に突入した
軍によって残虐に処刑された
という話もあります。

このクーデターの数日後、
キッシンジャーはニクソン大統領に
電話をかけて

「仮に今がアイゼンハワーの
時代だったら、我々は英雄だっただろう」

と言って、アジェンデ大統領の
政権崩壊を祝ったと言います。



****

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*****

<著者紹介>

丸谷元人(まるたにはじめ)



世界の危険地帯を渡り歩き、
危機管理・テロ対策現場の第一線で活躍するプロフェッショナル。

オーストラリア国立大学卒業後、
オーストラリア国立戦争記念館の通訳翻訳者を皮切りに、
長年、通訳翻訳業務に従事。

その後、パプアニューギニア、ナイジェリア、中東など、
毎週のように誘拐や人殺しがあるような治安が悪い地域での
企業の事業展開支援・危機管理業務を数多く請け負ってきた。

時には自ら防弾車に乗り、銃を片手に
現地部族との交渉・要人の警護の業務を行なった経歴を持つ。

自らのネットワークを活用して独自の情報を集め、
安全対策・政治経済の動向など幅広く分析を行う。

現在は、危機管理コンサルタントとして
グローバル外資系企業を中心に活動しつつ、

自身の運営する「月刊インテリジェンスレポート」にて
国際情勢の最新分析を発信している。
 
丸谷 元人先生について、もっと知りたい方は、
こちらの紹介ビデオをご覧ください。

白人だらけの世界で見つけた、日本の誇り

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トランプ氏は暗殺されるか!? 最後のダボス会議は2046年。白人支配の終わり。

2024年01月29日 09時46分43秒 | 第三次大戦
プレミアム報道 トランプ氏の予備選での記録的勝利を受け、世界の指導者らに不安広がる

【プレミアム報道】トランプ大統領復活を世界秩序への脅威と見なす、ダボス会議のエリートたち(上)

 
2024/01/25
 
更新: 2024/01/26

世界で最も裕福な有力者らが集う世界経済フォーラムの年次会議が、毎年スイスのダボスで開催されている。このダボス会議で今年、大西洋を挟んだ向こう側で起こった一大ニュースが注目を集めた。

今月15日、米国のドナルド・トランプ前大統領が、米共和党の大統領候補指名争いの初戦であるアイオワ州党員集会で、記録的な勝利を収めた。一部のオブザーバーによると、会議期間中の夕食会やパーティーは、トランプ氏の大統領復活の可能性に関する話題で持ちきりで、喫緊の世界規模の課題が埋もれてしまうほどだったという。

1月15日から19日にかけて開催された第54回世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)には、企業の最高経営責任者や銀行家、政策立案者など世界的なエリート数千人が集った。

出席者の1人で、これまで公然とトランプ前大統領を批判してきたクリスティーヌ・ラガルド欧州中央銀行総裁は17日、ブルームバーグのインタビューで米大統領選について尋ねられ、以下のように述べている。

「われわれは皆懸念している。米国は世界最大の経済大国であり、最大の軍事大国であり、民主主義の象徴だからだ。私たちは細心の注意を払わなければならない」

国際通貨基金(IMF)の専務理事を務めたこともあるラガルド氏は最近、テレビチャンネル「フランス2」のインタビューで、関税、NATO、気候変動に対するトランプ大統領の姿勢は欧州にとって明確な「脅威」だと述べた。

会議最終日の19日、ラガルド氏は、欧州がトランプ大統領の再来に備えるための最も効果的な戦略は攻撃に出ることだと、パネルディスカッションで示唆した。

「攻撃は最大の防御だ。きっちり攻撃するには自国が強くなければならない。強くなるということは、強くて深みのある市場、本当の単一市場を持つということだ」

(左から順に)ブルームバーグテレビキャスターのフランシーヌ・ラクア氏、ターマン・シャンムガラトナム・シンガポール大統領、モハメド・アル=ジャダーン・サウジアラビア財務相、クリスティーヌ・ラガルド欧州中央銀行総裁、カーライル・グループ共同会長のデービッド・ルーベンシュタイン氏、クリスチャン・リンドナー・ドイツ財務相、ンゴジ・オコンジョ=イウェアラ世界貿易機関事務局長が、2024年1月19日、ダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会閉会日のセッションに出席した。(Fabrice Coffrini/AFP via Getty Images)

元スイス中央銀行総裁で、現在は米資産運用会社ブラックロックの副会長を務めるフィリップ・ヒルデブランド氏も、ブルームバーグに対し、次期米大統領選について同様の見解を示した。

「私たちは以前にも同じような経験をし、生き延びてきたので、それがどういう意味なのかは分かっている。確かに、欧州の視点、ある種のグローバリズムや大西洋主義の視点から、それはもちろん大きな懸念だ」

英国のゴードン・ブラウン元首相も17日、CNBCに対して「トランプ大統領の脅威を心配している」と述べた。

「彼はウクライナとロシアの問題を1日で解決できると言っている。しかし、もしウクライナ・ロシア問題がウクライナを犠牲にして解決され、プーチンの勝利と見なされるなら、欧州の自信が絶対的な大打撃を受けるだろう」

選挙運動にプラスの働き?

前大統領の復活の可能性に対する懸念は、ダボス会議以外にも広がった。

元ベルギー首相で現欧州議会議員のヒー・フェルホフスタット氏も、トランプ大統領のアイオワ州予備選での勝利を受けて懸念を表明した。

16日、同氏はXの投稿で、「共和党は世界にメッセージを送っている:民主主義は生き残りをかけて戦っている…欧州も窓口閉鎖だ!」と述べた。

英国の秘密情報部の元トップ、リチャード・ディアラブ氏は14日、Sky Newsに対し、トランプ大統領の再選は英国とNATOに「政治的脅威」をもたらす可能性があると述べた。

「私が心配している政治的脅威、それはトランプ大統領の再選だ……英国の国家安全保障にとって問題だと思う。トランプ大統領が性急に行動し、大西洋同盟にダメージを与えるようなことがあれば、英国にとって大問題だ」

トランプ大統領は、NATOが米国に大きく依存していることへの懸念をたびたび口にし、加盟国に対して防衛費への拠出を増やすよう促してきた。

米共和党のストラテジストで、元トランプ陣営スタッフのブライアン・シーチク氏が、エポックタイムズの取材に応じた。同氏は、ダボス会議での「グローバル・エリート」たちの発言が、トランプ氏の選挙運動にとってプラスに働く可能性があるとの見方を示した。

「彼らはトランプ氏のファンではない。これまでも、そしてこれからも、そうなることはないだろう。彼らは、自家用機で欧州の高級リゾート地に赴き、気候変動について語る。ジョージア州、ミシガン州、ペンシルベニア州、アリゾナ州での選挙戦で鍵を握る浮動票層は、最近ではそういった気候変動の世界観には注目していない」

2023年4月17日、スウェーデンのオーステルスンド近郊で防衛演習を開始する米海兵隊の隊員たち。(Pontus Lundahl/TT Nyhetsbyran/AFP via Getty Images)

J.P.モルガンCEOがトランプ氏を称賛

J.P.モルガンの最高経営責任者(CEO)を務めるジェイミー・ダイモン氏は、ダボス会議の期間中、トランプ前大統領の政策に賛辞を送り、「米国を再び偉大に(MAGA)」を掲げる共和党へのアプローチを再考するよう民主党側に促した。

17日、ダボスで行われたCNBCのインタビューで、ダイモン氏は次のように語った。

「民主党側がMAGAについて語るときは、もう少し慎重に考えてほしい。MAGAに対する否定的な意見は、バイデン氏の選挙運動にダメージを与えると思う」

ダイモン氏の発言は、トランプ氏がアイオワ州の共和党予備選で他の候補を破ってから2日後のことだった。

一歩下がって正直になろう。彼はNATOについても移民問題についても、ある程度正しかった。経済をかなり成長させたし、貿易と税制改革はうまくいった。彼は中国について正しいこともあった」とダイモン氏は語った。

「彼はいくつかの重要な問題について間違ってなかった。だから票が集まる

ダイモン氏は主に民主党に献金しているが、昨年11月には、共和党の大統領候補であるニッキー・ヘイリー氏を共和党の指名候補として支持するよう、民主党支持者を含むすべての人に呼びかけ、彼女が前大統領に代わるより強力な選択肢になると主張した。

クレディ・スイスの元最高投資責任者であるマイク・オサリバン氏は、欧州各国の政府や企業の指導者らはトランプ大統領の2期目を「当然心配している」との見方を示した。

オサリバン氏は世界経済フォーラムの新経済評議会のメンバーを務めた。著書『The Levelling: What’s Next After Globalization』では、いかにグローバリゼーションが終焉を迎え、新たな価値観主導の世界秩序へと移行しつつあるかを議論した。

同氏はエポックタイムズに対し、「トランプ氏が大統領になる可能性は、最初の選挙戦の同時期よりも高い」と語った。

「彼が法の支配や民主主義、そして米国独特の財務状況をいかに損なうかということを、政府や企業は当然心配している」

しかし、このダボス会議に参加した米国のビジネスリーダーらの雰囲気はまったく違っていた。欧州からの懸念を非公開で否定する者もいた。

米国のある銀行のCEOは、CNBCに対し、「彼は大統領の座を勝ち取るだろう。彼の政策の多くは正しい」と語った。

また、別のある著名なビジネスリーダーは、欧州人は米国政府に組み込まれたチェック・アンド・バランスに対する理解が不足していると述べた。

エポックタイムズのホワイトハウス上級特派員、バイデン政権担当記者。トランプ政権時は経済政策を担当。以前はJPモルガンの金融部門に勤務。ジョージタウン大学で経営学の修士号を取得している。
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次からは騙されてはいけません。

2024年01月29日 09時12分24秒 | 西洋医学の崩壊
コロナワクチンと血管炎の関連性を示唆する複数の症例報告

コロナワクチンが血管炎を誘発 多臓器損傷につながるおそれ

新型コロナワクチンに関連したさまざまな疾患が報告されている。昨年発表されたある症例研究では、コロナワクチン接種が抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎の発症を誘発し、多臓器損傷を引き起こす可能性があることが示された。また、一昨年に発表されたある症例ベースのレビューでは、ワクチン接種後にANCA関連血管炎にかかった患者29人のうち、5人はプラズマフェレシス治療(血液から血漿成分を分離して置換する治療)を受け、5人が透析療法に頼っていたことが報告された。

ANCA関連血管炎は細い血管に障害を起こす。これらの血管は全身に分布しているため、体のどの部位でも侵される可能性があり、最も影響を受けやすいのは肺、腎臓、関節、耳、鼻、神経だ。

好中球は白血球の一種で、感染との戦いや傷の治癒を助ける。ANCAは有害な自己抗体であり、血液中の好中球に結合して毒性物質を放出し、細い血管の壁を損傷する。その結果、好中球が血管壁を通って移動し、周辺組織に炎症を誘発することもある。さらに、好中球をさらに引き寄せるシグナル伝達因子を放出し、炎症を持続させ、細い血管をさらに損傷する。

ANCA関連血管炎の症例報告

2023年4月にCase Reports in Nephrologyに掲載された症例報告では、高血圧を患っている82歳の女性が、3回目のコロナワクチンブースター接種後に、抗好中球細胞質ミエロペルオキシダーゼ抗体(MPO-ANCA)関連血管炎を発症したことが報告されている。MPO-ANCAはANCA関連血管炎の一次自己抗体の一つだ。

患者は2021年5月と6月にファイザー社のワクチンを2回接種し、その後2022年2月初旬にモデルナ社のワクチンを接種した。ブースター接種の翌日から頭痛が起こり、3日後にはおさまった。しかし、3月初旬から体温が上昇し、全身に倦怠感が出てきた。

診察の結果、明らかな細菌感染は認められなかったが、血液検査で炎症反応が認められた。C反応性蛋白値が15mg/dLと高く、白血球数が13000/μL(正常値は4000〜10000/μL)だったことから、細菌感染が疑われた。医師は抗生物質を7日間連続で処方したが、改善はみられなかった。

患者はその後入院した。身体検査と画像診断では発熱は見られず、腎臓の大きさも構造も正常だった。しかし、顕微鏡検査で血尿と尿蛋白が検出された。さらに、MPO-ANCA値が296 IU/mLと高かった。腎生検(腎臓の組織の一部を採取して、顕微鏡で組織の状態を詳しく調べる検査)の結果、6つの糸球体(腎臓の中にある小さなフィルター)に細胞性半月体が観察され、軽度の炎症が認められた。

さらに、免疫蛍光検査で急速進行性糸球体腎炎が確認された。これは急速に進行する糸球体の炎症を伴うまれな小血管炎だ。臨床的には、尿異常(血尿、蛋白尿)、高血圧などの腎障害を特徴とし、数日から数週間で腎不全に至る。病理所見から、患者は腎限局性MPO-ANCA関連血管炎と診断された。

ステロイド薬のプレドニゾロンを1日40mg投与したところ、発熱、倦怠感、炎症反応などの症状が改善し、血尿も尿蛋白も消失した。医師はステロイドの投与量を徐々に減らしていき、1日20mgに減らしたところ、患者の状態は安定した。

研究者らは、3回目のワクチン接種前に患者に実施された血液検査と尿検査では腎臓の損傷や異常は明らかにならなかったと述べ、新型コロナワクチンとMPO-ANCA関連血管炎の発症との関連性を示唆している。

研究者らは、この患者のように、コロナ mRNAワクチン、特にモデルナ製ワクチンの接種後に発熱、長引く全身倦怠感、血尿、腎障害を経験した患者については、MPO-ANCA関連血管炎の可能性を考慮すべきであると述べた。

ANCA関連血管炎に関連する5種類のコロナワクチン

広範なワクチン接種が、一部の人々に血管炎を発症させ、複数の臓器に障害をもたらしていることを示す報告が増えている。

2022年2月に発表された症例ベースのレビューでは、ANCA関連血管炎に関連した5種類のコロナワクチンが報告されている。

この研究には29人の患者の症例が含まれ、22人がmRNAワクチン(モデルナ製とファイザー製)を、4人がアストラゼネカ製ワクチンを、2人がコバクシンを、1人がJ&J製ワクチンを接種した。29人全員が、いずれかのコロナワクチンの接種後にANCA関連血管炎の症状を示した。

具体的には、22人の患者が腎障害を示し、症状は新規発症または再発性の糸球体腎炎として現れた。少なくとも24人が血尿を呈した。10人に肺障害がみられ、5人に肺胞出血がみられた。視神経炎を発症した者が1人、耳介軟骨炎を発症した者が1人いた。これらはワクチン投与後に生じた臓器障害の兆候だ。

ほとんどの患者はステロイド薬を含む免疫抑制療法を受けた。さらに、5人が血漿交換療法を受け、少なくとも5人の患者は最終追跡調査時点でも透析に頼っていた。

この研究は、程度の差こそあれ、mRNAワクチンには骨髄細胞や樹状細胞を刺激し、下流の経路を活性化して、自己免疫炎症を引き起こす可能性があることを指摘した

さらに、mRNAワクチンは抗ウイルスの中和抗体を産生し、CD8+およびCD4+ T細胞を活性化し、強力な免疫応答を引き起こす。自然感染と比較して、mRNAワクチンは自然免疫や獲得免疫への刺激を増強する可能性がある。免疫系が低下している人によっては、核酸を除去する能力が低下し、好中球に影響を与える可能性がある。

血管炎が多臓器障害を引き起こす可能性

ANCA関連血管炎にはさまざまなタイプがあり、顕微鏡的多発血管炎もそのひとつだ。顕微鏡的多発血管炎患者のなかで、MPO-ANCAの陽性確率の高さは顕著だ。

日本難病情報センターのデータによると、顕微鏡的多発血管炎患者の約70%が発熱、体重減少、倦怠感などの全身症状を経験している。さらに、体組織の出血、虚血、梗塞などの症状が現れることもある

最も一般的な症状は壊死性糸球体腎炎で、血尿、尿蛋白、血清クレアチニン上昇などの症状を呈する。この疾患は数週間から数か月以内に腎不全へと急速に進行することが多いため、早期診断が極めて重要だ。その他、壊死性糸球体腎炎患者の約60%に網状皮斑、紫斑、皮膚潰瘍、皮下結節などの発疹がみられる。多発性神経炎は約60%、関節痛は約50%、筋痛は約50%の患者に観察される。

さらに、間質性肺炎が約25%、肺胞出血が約10%の患者にみられる。どちらの病態も肺毛細血管に影響を及ぼす血管炎に起因し、咳、息切れ、呼吸の速さ、吐血、血痰、血中酸素濃度の著しい低下などを引き起こす。消化管病変は約20%の症例にみられ、心筋病変による心不全は約18%。

ANCA関連血管炎は、速やかに治療しなければ生命を脅かす可能性がある。早期診断と適切な治療により、大半の症例で改善がみられる。

しかし、治療が遅れたり、初期治療に対する反応が悪かったりすると、不可逆的な臓器機能障害を引き起こす可能性があり、腎不全の患者には血液透析などの処置が必要になる。また、症状が再発する可能性もあるため、専門医による定期的な検査を受ける必要がある。

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