エストニア首相、ウクライナ支援に「全ての選択肢を」 欧米派兵否定すべきでないと強調
【ロンドン=黒瀬悦成】ロシアの隣国エストニアのカラス首相は2月28日放送の英スカイニューズ・テレビとのインタビューで、ロシアに侵略されたウクライナの勝利に貢献するためには「全ての選択肢を考慮すべきだ」と述べ、欧米諸国による自国の地上部隊のウクライナ派兵を排除すべきでない、との考えを明らかにした。
地上部隊の派遣をめぐっては、フランスのマクロン大統領が26日、将来的に排除しないとの考えを示したのに対し、スナク英首相ら米欧の首脳や高官からは派兵に否定的な見解が相次いだ。カラス氏の発言は、こうした米欧の態度に直接反論するものだ。 カラス氏は、欧米諸国は「自らが持つ力を恐れてはならない」とし、ウクライナの防衛に向けて支援を強化することはプーチン露大統領が主張するような「戦闘のエスカレート」にはつながらないと指摘し、ウクライナを勝たせるためにどう取り組みを強化できるかを検討しなくてはならないと強調した。 カラス氏はまた、北大西洋条約機構(NATO)加盟各国が国防費を国内総生産(GDP)比2%に引き上げる目標を早急に実施すべきだと指摘し、未達成の国がなお多いのが「なぜなのか本当に理解できない」と語った。同氏によるとエストニアの国防費はGDP比3・2%となっている。