プーチンはロシア大統領選を勝利したが、これはロシアの未来の敗北を意味する(➡若い体制は滅びず・有るのは成長のみ)
この先、うまくいかない勝利
15~17日、ロシアで大統領選挙が行われ、プーチンは投票率74%強で得票率87%強。どう数えたのかは知らないが(➡まるでロシア人は足し算を知らぬと言わんばかりな失礼は発言)、プーチンの文句なしの大勝利。
これでプーチンはウクライナ東部の占領を拡大しての停戦、そして国内では国民生活のレベルを飛躍的に引き上げる「ナショナル・プロジェクト」の完遂を目標とするだろう。しかし以下に説明するように、そのいずれも、うまくいくまい。そしてそれより心配なことは、国家、文明としてのロシアの将来だ(➡逆に、先に西洋文明・西欧の資本主義特に英米型が大崩壊する)。
ロシアは、人口の43%を34歳以下の若年層が占める(2019年時点)「若い国」だ(➡若い国に残されてるのは発展≒発育)。今の政府は計画経済と帝国主義のソ連時代の過去に向かってまっしぐらだが(➡共産主義ソ連は崩壊した)、そんなソ連時代を知らない世代が、権力の座につく一歩手前にある。今後の課題は、権力の若返り(➡既に飲んべ~馬鹿エリチィンから若返った)、そして世界とのよりを取り戻すことなのだ(➡ロシア包囲網を構築したのは、米英)。
以下、大統領選後の課題、つまり政府人事から始めて(1)、ロシアの置かれた外交環境(2)まで話を進める。
入れ替わりの政府人事だが人材がいない
プーチンの次の任期は5月にスタートする。通常、ほぼ同時に内閣は入れ替わり、次の首相が任命される。今の首相はミシュースチン。彼は2020年1月、メドベジェフ前首相が大型経済・社会インフラ建設計画(「ナショナル・プロジェクト」)の実行で手こずるのにじれたプーチンに、国税庁長官から二段飛び、三段飛びで急遽引き上げられた人物。ITを駆使して集税率を大いに高めたやり手だ。
彼は就任早々コロナ禍に巻き込まれたし、それが下火になった途端、今度はウクライナ戦争。原油価格が暴落・暴騰を繰り返し、それに従って政府の歳入も上下動する中、国防費を2.6倍に増やし、労働力を軍需工業に傾斜配分――と言っても軍需部門の賃上げで――するという荒業を迫られた。諸州政府、諸省庁から、それで大きな文句が出ることもなく、数字上はプラス成長を演出している。マクロ経済でハイパー・インフレ等大きな問題を起こさずに来られたのは、ナビウリナ中央銀行総裁の功績なのではあるが。
次の首相は、政治的な意味を持つ。と言うのは、プーチンは71歳と、平均寿命の短いロシアでは後期高齢者。ナヴァーリヌイのように突然死ということもあり得るのだが、そのような場合、大統領代行を務めるのは首相、と憲法に書いてあるからだ。
そもそもプーチン自身は、1999年8月、国家安全保障会議書記から首相に引き上げられると、9月からのチェチェン制圧戦争を指揮。それで支持率がうなぎ上りに上がった同年12月、エリツィン大統領から権力を禅譲されたのだ。だから今回も、と思うわけなのだが、残念ながらそのような人材は見当たらない。メドベジェフ元大統領・首相は閑職につけられた今でも、マスコミを呼びつけて大型インタビューをするなど、アピールに余念がないが、彼が大統領では世論が反発するし、下僚も言うことを聞かないだろう(➡単なる希望を述べているのみ)。
あと内閣の人事では、何名か若返りが課題だ。ラブロフ外相は74歳、飛行機のタラップを上り下りする姿が痛々しい。ショイグ国防相は68歳。彼らはウクライナ戦争で、体力的にも精神的にもよれよれだろうと思う(➡と思う”の推測でものを書く、読むに値しない単なる文章)。