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一歩後退二歩前進。香港での敗退はイスラム・アフガニスタンからの反撃で。

2021年06月22日 09時16分08秒 | 世界戦国時代

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)6月22日(火曜日)
通巻第6959号   
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 かくて香港から「表現の自由」は消える
  リンゴ日報、26日に廃刊、資産凍結で給与支払えず
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 27年間、リンゴ日報は香港で自由のために戦った。
 共産党という悪魔を相手に怯まずに戦ったが、力尽きた。虐げられ、抑圧された人々にどれだけの勇気を与え、精神を鼓舞しただろうか。

 全体主義に従順に従って思考回路を閉ざし、独裁に協力する人々は何処かで、良心と、真実をもとめて考える努力を捨てたのだ。

 リンゴ日報創業者のジミー・ライ(黎智英)と、筆者は単独インタビューをしたことがあるが、彼の哲学はハイエクである。そして「自由な言論、透明性の高い情報がなければ市場は成り立たないのだ」と発言したことがまだ耳元に残る。

 哲学者のハンナ・アーレントは自身が体験した全体主義の衝撃について、「起こってはならないことが起こってしまった」とし、現実に「ナチは私たち自身のように人間である」。だが、「悪夢は、人間が何をなすことができるかということを、彼らが疑いなく証明した」
全体主義体制の悪魔は人々の知性を蝕み、知性を殺した。

 リンゴ日報は香港警察によって物理的に発行が不可能となり、実際に同社資産が凍結されたため、社員の給与支払いが滞り、取材、編集、校正、印刷、配送という一環システムが維持できるのは6月25日まで、と同社幹部は見通しを述べた。
 
 27年に亘って香港に存在しつづけ、「自由、民主、人権、法治」という基本的の原則、崇高な価値観を掲げて人々を鼓舞してきた自由の灯が消える。
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