フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

1月17日(木) 晴れ

2008-01-18 04:51:16 | Weblog
  さきほどブックレットの最後の章の原稿を書き終えて学文社にメールで送った。しかし、まだ「はじめに]と「あとがき」と「参考文献」が残っている。箱根駅伝に喩えれば、往路第5区の箱根の坂の下りに入ったあたりだろうか。

  今日の昼食は散歩がてら外に食べに出た。東急線高架下の「梅Q」という釜飯屋でランチの釜飯(五目)を食べた。前から気になっていた店で、今日初めて入ったのだが、美味しい釜飯だった。味がしっかりしており(濃いという意味ではなく、ご飯全体に具材の味がきちんといきわたっているという意味)、おこげの具合もちょうどよく、残さずきれいに食べた。家族(父親、息子、娘だろうと思う)でやっているというのも良い印象をもった。こういう店は応援したくなる。

        

  食事を終えて、ルノアールで珈琲。昨日購入した水島宏明『ネットカフェ難民と貧困ニッポン』を読む。わが町、蒲田がフィールドになっている。載っている写真の風景に「ああ、あの場所か」と見覚えがあるものが多い。著者のインタビューに応じて語るネットカフェ難民の言葉には印象的なものが多い。その一つ。

  「普通をキープするのはそれほど大変じゃないかもしれないが、一度つまずいてしまうと上がりにくいんです。転んだら起き上がるのが大変な社会になっている。自分もアパート生活をするために貯めようとしていますが、どうしてもお金が残っていないんですよね。なぜか・・・。この生活に入った時は何とかなるだろうと思っていたけど甘かった。実感したのは、“普通”ってものすごく大切なものだった、ということです。普通に部屋に住んで、普通に毎日働いて、普通に生活するということ。一度そこから離れてしまうとなかなか取り戻せない。この生活をしてみてそれを一番実感しました。」(24歳、男性)

  NHKスペシャル「ワーキングプア」の中に、親に捨てられて施設で暮らす子供たちへのインタビューの場面があったが、そのとき、彼らが「普通の暮らしがしたい」と語っていたのと重なる。本当にそうなのだろうと思う。ルノアールを出て、自宅に戻る途中で見るわが町の風景が、さっさきまでとは少し違って見えた。