7時半、起床。遅寝にしては早起きである。寝不足はいなめない。けれど今日は午前中に会議があるから、二度寝をするわけにはいかない。ハムトーストと紅茶の朝食。9時半に家を出て大学へ。
10時半から拡大人事委員会。12時半までかかる。コンビニで昼食用のおにぎり3個とお茶を買って来て、研究室で食べる。1時から文構の主任会。引き続き2時から文学学術院全体の運営主任会。懸案事項はあらかた片がつく。4時頃終了。事務所に行っていくつか用事を済ませる。
あゆみ書房で『現代日本人の意識調査(第七版)』(NHKブックス)を購入。2階の「シャノアール」で目を通す。
第1回「日本人の意識」調査が実施されたのは1973年、私が大学に入学した年である。以来、5年ごとに基本的に同一の調査票を用いた調査が実施され、最近のものは2008年の第8回調査である。この35年間(ポスト高度成長期)で日本人の意識はどう変わったのか、どう持続しているのか、を考えるための貴重なデータである。しかし、気になるのは、調査の有効回収率である。初回に78.1%であった有効回収率は、一貫して減少を続けてきたとはいえ、第5回(1993年)までは70%台をキープしていた。それが第6回(1998年)で67.1%、第7回(2003年)で61.5%、そして今回の第8回(2008年)では57.5%ととうとう60%を切ってしまった。「日本人の意識」調査といっても日本人全員を調査しているわけではない。16歳以上の日本国民5400人を無作為にサンプリングし、彼らに対して調査をしているのである。全体のほんの一部ではあってもそれが無作為でサンプリングされた集団であれば、その集団は全体の縮小コピーであるから、一部を調査して全体を語ることは可能なのだ。しかし有効回収率が小さい場合は、サンプルの代表性が損なわれてしまう。当初に設定された無作為サンプル5400人の構成は日本人全体を代表しているといえるが、有効回答したサンプル3103人(57.5%)はそうとはいえないのだ。それは、まじめな人、暇な人、権威(NHK)に従順な人たちを多く含んでいるのかもしれない。もし、有効回収率が50%を切って、紅白歌合戦の視聴率と同じ程度のもの(40%前後)になってしまったら、このプロジェクトは打ち切られるであろう。思うに、「日本人の意識」調査の有効回収率は、それ自体が、「日本人の意識」調査の注目すべきデータの1つなのではなかろうか(本書では分析されていないが)。その推移が日本人の意識の変化のある側面を端的に語っていることは明らかである。
7時、帰宅。小雀が書斎の中で遭難したらしい。妻が、小雀の姿が見えないので捜索したところ、書棚の本の奥の隙間にはまって身動きができずにいるところを発見し、救出した。この手のことはこれでもう4、5回目だ。遭難してもけっして自分から助けを求めて鳴かないので、「あれ、小雀の姿が見えないな」とわれわれが遭難の可能性に気づくまで、放っておかれるのである。