8時、起床。晴天だ。散歩日和である。ブログの更新を済ませてから、ハムステーキ、レタス、トースト、アイスティーの朝食。ナイナイの岡村が仕事に復帰したとのこと。よかった。代わりにというわけではないが、市川海老蔵が全治2ヶ月の怪我を負ったとのこと。復帰する人あれば休業する人あり。
午後、散歩に出る。風は少々冷たいが、日射しが暖かいので、呑川沿いの道を池上まで歩いていく。養源寺の境内の銀杏の木が見事に黄葉している。まるで黄色い打ち上げ花火のようである。
30分ほどで「甘味あらい」に到着。客は私だけだったので、栗あんみつを注文して、ご主人と奥さんとおしゃべりをする。以前、「出没!アド街ック天国」(2008年6月21日)が池上特集をやったときに「甘味あらい」も取材を受けた。ずいぶんと丁寧な取材で、数日かけてインタビューや撮影を行ったのだが、番組で使われたのはほんの数分で、ああいうものなんですねと感心されていた。ご主人のインタビューは使われず、黙々と作業にとりくむ姿が(ただし指先の映像中心で)使われたこと、奥さんが贅沢あんみつをテーブルに運んできて、「おまたせいたしました。贅沢あんみつです。どうぞごゆっくりめしあがってください」という場面は、番組の予告編でも繰り返し流されて、反響が大きかったのだが、あれは2テイクでOKだったこと、などなど。いい機会だったので、前から一度奥さんに尋ねてみたかったことを尋ねてみた。「私が最初にこの店に来た頃のことですが、たしか奥さんは和服を着ていたと思うのですが、最近はもう着るのはやめられたのですか。とてもお似合いだと思ったのですが」。奥さんの答えは意外なものだった。「えっ? 私はお店では一度も和服を着たことはありませんけれど・・・」。これにはびっくりした。では、私のあの記憶は何だったのだろう。家に帰ってから、過去のブログを調べたら、2007年11月25日の記事にこう書いてあるのを見つけた。
「甘味あらい」に来たのは3ヶ月ぶり。贅沢あんみつは季節季節で入っている果実が変化する。今日は栗が入っていた。カウンターの中にはご主人と、もう一人、奥さんとおぼしき和服の女性がいて、ますます小料理屋のような雰囲気であった。
ほら、ほら、ほらね。やっぱり和服を着ていたのですよ。さらに2008年2月10日の記事にもこんなことが書いてある。
「甘味あらい」で贅沢あんみつを食べる。最近は、池上に来たときは必ずといっていいくらいここに立ち寄る。ここの贅沢あんみつは私がこれまでの人生で食べたどのあんみつよりも美味しい。丁寧で洗練された味である。あんみつやみつ豆にはつきものの求肥を美味しいと感じたことはこの店が初めてである。それまでは何でこんなものが入っているのだろう、まあ、決まりだからしかたないか、と思っていたのである。優男(やさおとこ)のご主人と和服姿のよく似合う奥さんは、これは私の想像(というより妄想)だが、任侠の世界から足を洗って、ここでつつましく甘味処を営んでいるのである。けれどもしも昔世話になった組の親分に万が一のことがあったときは、雪の夜、ご主人は懐に短刀を忍ばせて、店を出て行くのである。店の入り口には「お客様へ 都合により閉店させていただきます。これまでのご愛顧感謝申し上げます」と筆で書かれた紙が張られている・・・。贅沢あんみつを食べた後に、口直しに磯辺巻を食べた。贅沢あんみつ850円、磯部巻500円、〆て1350円也。店を出て、自転車に乗ろうとしているところに、店から奥さんが出てきて、「これ、お忘れではございませんか」とハンカチを差し出した。確かに私のハンカチである。「ありがとうございます」と礼を言いながら、私は心の中で、「どうぞいつまでもお幸せに」と念じた。
しかし、もしかしたら、和服と見えてものは、実は和服ではなかったのかもしれない。「和服の似合う美人」という私の願望がそのような幻覚を生んだ可能性も否定できない。でも、一度、ぜひ着ていただきたいですね。忙しい土日は無理としても、「月曜日は和服の日」にするとか。そうなったら、私は月曜日は大学に出なくてもいい日なので、毎月曜日、足繁く通いますけどね。
池上駅前のペットショップで。10月に生まれたばかりのパピヨンのきょうだい。かわいい。
夕方、ジムへ。筋トレ2セットと有酸素運動35分。「緑のコーヒー豆」でアイスカフェオレを注文し、佐藤泰志『海炭市叙景』(小学館文庫)を読む。冬の朝の空気のような透徹した文章だ。