フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

3月8日(火) 曇りのち晴れ

2011-03-09 09:29:23 | Weblog

  7時、起床。 ベーコン&エッグ、パン(トゥルニュ)、ホットミルクの朝食。今日から「春休みモード」に入る。大学には一日おきくらいの頻度で出ることになる。

  昼食にお雑煮を食べてから、外出。日本橋コレドの3Fに入っている「エトランジェ・ディ・コスタリカ」の直営店に行って、トランスペアレンシーという小さなメモ帳を購入。一冊105円(ビニールカバー付きは210円だが、私が欲しいのはリフィル)で、在庫が8冊あったので、まとめて購入する。これは常用している能率手帳(普通サイズ)に差し込んで使うのにピッタリのサイズなのだ。能率手帳は伝統のある手帳だけあってとても使い勝手がいいのだが、唯一の不満はメモ用のページが少ない(30頁)ことで、それを補うために「補充ノート」という製品が用意されてはいるのだが、保存用のメモにするには物足りない紙質で、一時的なメモにしか使っていない。トランスペアレンシーを今年になって使い始めたのだが、とても相性がいいことがわかった。支払いのとき店員さんにそのことを言うと、少し前にも私のようにまとめ買いしていった客がいるそうだ。

  日本橋コレドの向かいに「うさぎや」がある。今日は卒業生のNさんが中野のうさぎやのどら焼きをお土産に研究室にやってくる予定だったのだが、体調を崩されて延期になった。なので、ここ日本橋の「うさぎや」のどら焼きを自分で買い求めることにした。進物用なのであろう、どの客も箱入りで買っていく中で、店員さんに「ばら売りもしていただけますか」と尋ねると、「はい」とのことだったので、「2つください」と言う。本当は1つでもよかったのだが、いい大人が1つはないだろうと思い(社会学者でありながら暗黙の規範から自由になりきれない自分がいる)、2つにした。その女の店員さんは、どうも私のことを妻へのお土産を買って帰るよき夫と思ったらしく、ニッコリと微笑んでくれた。

  東西線に乗って竹橋の東京国立近代美術館へ行く。ちょうど今日から岡本太郎展が始まったところだが、それはたまたまのことで、私が鑑賞したいのは常設展、とくに4Fの明治・大正期の作品群である。第一回の文展(明治40年)の最優秀作品である和田三造の「南風」から始まって、近代日本美術の秀作たちを時代を追って観て行く。明治40年は清水幾太郎が生まれた年なので、「清水幾太郎と彼らの時代」の時代背景を美術という視点から再確認するこの行為を、私は折に触れてする。清水の代表作である『現代思想』が1907年(明治40年)のピカソの作品「アビニョンの娘たち」の話から始まっているのに倣って、私も「清水幾太郎と彼らの時代」を「南風」の話、一般化して言えば、20世紀初頭の10年間の話から始めたいと思っているのである。戦後、清水は「20世紀研究所」というのを創設してその所長になるのであるが、清水にとって20世紀の初頭に生まれたことは「小さな誇り」であった。


和田三造「南風」(1907年)  

  入館したのが3時半ごろであったので、1時間半ほど観たところで閉館の5時になった。庭に設置されていたガチャガチャ(自動販売機)でたくさんの人が岡本太郎展の記念フィギアを買っていたので、岡本太郎展を観ていないけれど、私も1つ購入する。8種類のフィギアがあるそうだが、出てきたのは(選ぶことはできない)河童のフィギアであった。

  蒲田に着いて、「シャノアール」で一服してから、7時過ぎに帰宅。「うさぎや」のどら焼きは美術館の休憩所で1つ食べたが、残った一つは夕食の後に妻と二人で食べた。デザートのイチゴをどら焼きで挟んで食べたら甘酸っぱくて美味しかった。