午前2時を回ったところ。自宅の書斎から更新。
寒い。大学帰りの電車の中も、乗客が少なく(午後10時頃)、暖房も切れていたので、寒かった。子どもの頃の冬を思い出す。家の中にいても寒かったあの冬を。
論系の謝恩会のときに卒業生へのはなむけに朗読しようと考えていた詩がある。その機会は失われてしまったが、私のブログを読んでいる卒業生もいるであろうから、書き留めておきます。谷川俊太郎の「明日」という詩です。現代人間論系の学生だけでなく、3月25日の卒業式に出席するはずだったすべての卒業生に贈ります。
明日
ひとつの小さな約束があるといい
明日に向かって
ノートの片隅に書き留めた時と所
そこで出会う古い友だちの新しい表情
ひとつの小さな予言があるといい
明日を信じて
テレヴィの画面に現われる雲の渦巻き
<雨のち晴>天気予報のつつましい口調
ひとつの小さな願いがあるといい
明日を想って
夜の間に支度する心のときめき
もう耳に聞く風のささやき川のせせらぎ
ひとつの小さな夢があるといい
明日のために
くらやみから湧いてくる未知の力が
私たちをまばゆい朝へと開いてくれる
だが明日は明日のままでは
いつまでもひとつの幻
明日は今日になってこそ
生きることができる
ひとつのたしかな今日があるといい
明日に向かって
歩き慣れた細道が地平へと続き
この今日のうちにすでに明日はひそんでいる
午後9時、教務室から更新。
今日も大きな決定がなされた。
入学式は中止。
授業の開始は5月6日に延期。
春学期の終了は8月4日。