8時半、起床。
チーズトースト、目玉焼き、ソーセージ、サラダ、牛乳、珈琲、紅茶の朝食。
本日の『らんまん』。万太郎たちは渋谷へ避難した。「山桃」は無事だった。一息入れて、根津に戻ろうとする万太郎を「荒谷」の主人が止める。下町はひどいことになっていると。万太郎の息子たちも無事だった。彼らも様子を見に行こうとする万太郎を引きとめる。東京は人間が人間でなくなっていると。
清水幾太郎は自伝の中で被災した人々の様子を書いている。
私たちは、間もなく、動き出しました。亀戸の町は、いつか、暗くなつています。広くもない往来を埋めて、手に手に荷物を持つた群集がノロノロと流れて行きます。どこへ行くのか、誰も知らないのです。ただ流れて行くのです。私は群集の中に完全に融け込んでしまいました。誰も何も言いません。黙つていても、お互いに一切を知り尽しているのです。黙つたまま、身体を寄せ合つているのです。無気力な、暗い、しかし、どこか甘いところのある気分が私たちを浸しています。我を張つた個人というものの輪廓は失われて、すべての人間が巨大な一匹の獣になつてしまつたようです。群集の中に融け込んでからも、私は、時々、妹と弟との名を呼びました。いくら、呼んでも、反応はありません。けれども、私が呼ぶと、群集の流れの中から、同じ肉親を呼ぶ声がひとしきり起つて来ます。それも無駄だと判ると、再び以前の沈黙が戻つて来ます。沈黙が暫く続くと、どこからともなく、ウォーという呻くような声が群集の流れから出て来ます。この声を聞くと、私も、思わず、ウォーと言つてしまうのです。言うまいとしても、身体の奥から出てしまうのです。言語を知らぬ野獣が、こうして、その苦しみを現わしているのです。私たちは、ウォーという呻きを発しながら、ノロノロと、暗い町を進んで行きました。(清水幾太郎『私の心の遍歴』より)
虎鉄は無事だった。大畑印刷所の親方も無事だった。みんなで神田の町を火から守ったそうだ。『らんまん』の登場人物で死んだ人はいなかったのだろうか。元十徳長屋の住人だった人たちはどうだったろう?
清水の妹や弟も無事だった。家族はみんな無事だった。しかし、何もかもが焼けてしまった。
父は、毎日、東京の焼跡へ出かけて行きます。朝は暗いうちに出かけ、夜は暗くなつてから帰つて来ます。言うまでもなく、妹や弟を探すためです。もう生きてはいまいと諦めて、父は、道傍や川の死骸も調べて歩いているのです。父は徒歩で東京との間を往復しているのです。(中略)疲れた足を引きずつて東京から帰つて来た父は、まだ妹や弟の行方が知れぬことを嘆き、更に、若干の預金があつた銀行が、帳簿が焼け行員が死んだため、一文も払つてくれないことを嘆き、火災保険も駄目だと嘆きました。本所の隣人たちは、地方の出身地へ帰つたらしい、と父が語れば、私たちには東京の生活以外に何もないことが今更のように思い出されて来るのです。先祖代々、東京で生れて来た私たちには、郷里というものがなく、地方の親戚というものがありません。私たちは一枚底の生活だつたのです。そして、今は、その底が完全に破れてしまつたのです。私たちは、裸のまま、東京の焼野原に投げ出されたのです。しかも、草一本生えていない焼野原以外に、私たちの生きる場所はないのです。そして、私たちは生きねばならないのです。
妹や弟は無事でした。火に追われて小学校を出て、群集の波に揉まれて歩いているうち、友だちの親戚が麹町の富士見町にあることを思い出して、そこへ辿りついて、案外、不自由のない生活をしていたのです。弟妹の無事を知つて、安心すると同時に、気が緩んでグッタリしてしまいましたが、しかし、とにかく、本所の焼野原に焼トタンを綴り合せて、そこに住むことに腹をきめました。(清水、同書)
万太郎たちが住んでいた長屋は焼け野原にはなっていなかった。
昨日のブログを書いてアップする。
昼食は近所の「吉岡家」に食べに行く。
ごまだれ蕎麦を注文する。
夏季のメニューだがまだまだいけそうだ。
帰宅して、3時からOさんのゼミ論相談(オンライン)。彼女は8月にイギリスに行っていたのだが、普段はクーラーがいらない土地のはずが、暑かったそうだ。日本でも北海道がそうだった。世界的に暑い夏だったのだ。
1時間ほどでゼミ論相談は終了。「ルージュブランシュ」に息抜きに行く。
イチジクのタルトと紅茶を注文。
今シーズンのイチジクはこれで食べ納めかな。
1時間ほど滞在して、店を出る頃には、暗くなっていた。
夕食はカマス、空心菜とベーコンと玉子とシイタケの炒め、トマトのサラダ、味噌汁、ごはん。
食事をしながら『プレバト』を追っかけ再生で観る。一筆書きアートという新しいコーナーが生まれていた。千原ジュニアはここでも才能を発揮し、一発特待生になった。
「毛玉取りはまだですか?」
今夜はウォーキングはお休み(今日は2527歩)。
風呂から出て、今日の日記を付ける。
1時半、就寝。