8時半、起床。
朝食用のパンを切らしたので、近所のコンビニに買いに行く。帰りに猫じゃらしを一本摘み取る。
チャイと遊んでやる。猫じゃらしの学名は「エノコログサ」で、「犬っころ草」に由来する。猫じゃなくて犬なんだ。犬も猫と同じようにじゃれるのだろうか。
ロールパン、ソーセージ、目玉焼き、サラダ、牛乳、珈琲の朝食。
本日の『らんまん』。波多野がもってきた理学博士の件、万太郎はいったん断るが、寿恵子に説得されて申請することにした。あれっ、寿恵子の白髪が減っている。撮影の順序が違うためと思うが、白髪染めを使うようになったのだと考えることにしよう。
ロケで使われたこの建物には見覚えがある。小石川植物園の本館である。
この建物の前で万太郎の理学博士授与の後の記念講演が行われた(本館が完成したのは昭和12年だからあくまでも架空のシーンですけど)。
波多野と藤丸、そして徳永(すでに定年退職して名誉教授になっている)も出席。前列の子どもたちは万太郎の親類縁者だろうか。寿恵子と千鶴は出席しているが、千歳や虎鉄、二人の息子の姿はなかった。
晴れの舞台で着るこの服を万太郎はわざわざ銀座に出かけて仕立てたのである。「英国屋」あたりだろうか。えらくお金がかかったはずである。まるで文化勲章の授与式みたいである。当時の「博士」とはそのくらい価値のあるものだったのだろう。「末は博士か大臣か」という慣用句があった時代である。私が子どもの頃でさえ、町医者の家の表札に「医学博士〇〇〇〇」とわざわざ書いてあったのを覚えている。
今日は王座戦第3局の日。図は昼食休憩前の局面。後手番の永瀬が雁木模様から袖飛車に変化して、あまり見ない形、いわゆる力戦形になっている。
永瀬の昼食。対局は名古屋で行われているのだが、ご当地名物のひつまぶしをオーダー。本来、何を注文してもいいはずだが、一種のサービス精神であろう。対局者というのはこういうことにも気を遣うのである。「カップヌードルと麦茶を」なんてことは口が裂けてもいってはいけないのだ。
藤井はあいち牛のハヤシライスに名古屋コーチンのオムレツのせ。藤井は愛知県瀬戸市の出身。だから名古屋は地元といってよい。不思議なことに、高勝率を誇る藤井だが、地元での対局は五分五分の勝率である。地元の応援を意識してのことだろうか。
私の昼食はカップヌードルに麦茶。
おやつのオーダーが発表された。永瀬はオレンジジュースとアイスティー。昼食のときにフルーツ盛り合わせをすでに食べている。
藤井はガトー・ポム、オレンジジュース、アイスコーヒー。
2時から教授会(オンライン)。しっかり5時半まで。
帰宅して妻が「庭に蛙がいるわよ」と言った。草むしりをしたので発見されやすくなったのだろう。近所の雑草の多いお宅の庭に引越しさせる。元気でね。
対局者の夕食。永瀬はハンバーガーとオレンジジュースとアイスティー。彼にしては軽食である。一局目の陣屋での戦いのときは、昼食と同じ同じ陣屋カレー(伊勢海老付き)を短時間の夕食にも注文して周囲をびっくりさせたものである。
藤井はきしめんとアイスティー。
夕食休憩後の盤面。AIの判断は永瀬優勢である。しかし、解説の村田六段は対局者には数字ほどの差は感じていないはずであると言っていた。彼は王座戦挑戦者決定トーナメントの準決勝で、勝率5%のところまで藤井を追い詰め(つまり95%村田の勝ちだった)、しかし、藤井の放った鬼手「6四銀」への対応を間違え、逆転負けを食うという痛い経験をしている。「藤井さんに勝つのは大変なんです」という彼の言葉には重みがある。彼はまた「6一の金が壁金になっている点が気になります」とも言っていた。つまり永瀬玉が画面右側から攻められた時、左側に逃げ出すことができないということである。
私の夕食はチャーハン、サラダ、味噌汁。
形勢不利を自覚した藤井が4五銀の勝負手を放った。
しかし永瀬の沈着冷静な対応で、AIの形成判断は永瀬有利にさらに傾いた。この局面から永瀬は6六飛、同歩、5八銀成、同金、5七金と決めに行った。
デザートはシャインマスカット。
藤井は5六飛と香車を取り、同金に3三桂成、同桂に2一飛と王手に打った。形勢はさらに開いて永瀬の勝率が95%になった。3一歩と金底の歩を打って受けられると攻めの継続は難しそうだ。藤井の表情や仕草からは負けを覚悟しているように見える。彼はけっこうその辺は表に出るタイプである。決して「死んだふりをして一発狙っている」というタイプではない。
ところが永瀬は3一歩ではなくて、4一飛と打った。魔が差したとしかいいようがない。同飛、同玉となればよいが、藤井がそんな手を指してくれるわけがなく、6五角と打たれた。守りの要の3ニ金と攻めの拠点の5六金の両取りである。AIの形成判断が一瞬で五分五分に戻った。ここで、永瀬が冷静さを失わずに、5六金が取られる前に7七桂と王手をして、藤井玉の上部脱出を抑えておけば、五分五分の局面が続いたであろう。しかし、ミス(4一飛)に動揺したのだろう、5四歩としたために、藤井に4一飛成、同玉、5六角とされてしまった。
永瀬の遅ればせの7七桂に藤井はまっすぐ6八玉。すでに5六金がいないので、6九飛と打たれても、5七玉と上に逃げることができる(実際に、そのように進んだが、これで藤井玉は捕まらなくなった)。形勢が一挙に傾いた。
この後、数手で永瀬は投了する。これが投了図(藤井が3四歩と打ったところ)。
大逆転だが、藤井がイチかバチかの鬼手を指したからではなく、第2局と同じく、優勢な永瀬が自分で転んでしまったような逆転劇だった。決して永瀬の終盤が弱いというわけではない。永瀬の意識の中に「藤井のとてつもない終盤力」というものがあって、それが永瀬から冷静な読みを奪ってしまったのではないのかと思う。相手が藤井でなかったら、95%勝ちの局面から普通に指し普通に勝っただろうと思う。解説の村田が言った「藤井さんに勝つのは大変なんです」というのはそういうことである。
これで5番勝負は藤井の2勝1敗。番勝負で負けたことのない藤井にリードを許したら「もうだめ」というものだが、このところの藤井は調子を落としているように見える。決して藤井らしい勝ち方をしていない。第4局(10月11日)は永瀬の先番である。これをものにしすれば、最終局はどうなるかわからない。
そして、第4局の前に、藤井は竜王戦の第一局10月5日・6日)を伊藤匠七段と戦わなくてはならない。伊藤は竜王戦の挑戦者決定三番勝負で永瀬に2-0で完勝している。現時点で最強の相手といっていい。タイトル戦の挑戦を受けるというのはつねにその時点の最強の相手と戦うということであるが、伊藤匠は藤井よりも1歳年下で、自分の後ろからやってくる相手と戦うのは藤井にとって初めての経験である。今後の将棋界を牽引していくであろう二人の対決として注目される。
今日はウォーキングはお休み。
風呂から出て、今日のブログを書く。
1時半、就寝。