フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

9月5日(木) 晴れ

2024-09-06 11:13:17 | Weblog

8時、起床。

「早く一階の雨戸を開けてよ」(この「コロンのポーズ」の意味は多義的で、私も十分には理解できていない)

毎日、天候が変化している。今朝は快晴だ。

チーズトースト、目玉焼き、ソーセージ、サラダ、牛乳、珈琲の朝食。

今日の朝ドラ。原爆裁判の法廷に原告側の証人として立つために上京した顔にひどい火傷を負った女性の役を入山法子が演じた。「自分で言っちゃうけど、誰もが振り返るほどの美人だった。今日、上野駅に降り立った時、それを思い出したわ。振り返る人の顔つきは違ったけれどね。そういうかわいそうな女の私がしゃべれば、同情を買えるってことでしょ」と弁護士事務所でよねに言った。この台詞を語れる役者はそうはいないだろう。入山法子は『エール』でも薄幸のカフェの女給を好演したが、彼女が登場するだけで、ハッとなる。

星家の騒動、優未とのどかの一件は、双方が謝り、カレーライスの夕食で落着した。カレーライスってすごい。

昨日のブログを書く。カフェ巡りをした日のブログ、句会のあった日のブログ、そして将棋のタイトル戦を観戦した日のブログは長くなる。ブログとは何かというのは書き手によって意味づけが違うと思うが、私にとっては「日記の体裁をした連載エッセー」のようなもので、当然、読み手を意識したものである。どんな読み手かというと、知っている人から知らない人まで広範に及ぶわけだが、将棋のことを書くときは将棋に関心のある人のことを考えている。そういう人はブログの読者のうちのごく一部だろうと思うので、毎日、将棋について書くことはしないが(ここが「テーマ限定型」のブログと違う点である)、たまに取り上げるときはしっかり書く、そうでないと書いていて自分が面白くない。つまり自分が面白いと思うことを、読み手にも面白がってもらえるように書く。そういうことである。

2時半を回った頃、昼食を食べに出る。空腹を感じるようになるのを待っていると、どうしてもこのあたりの時間になる。朝食が遅いことと(起床から1時間以上経って)、けっこうしっかり食べるからだろうと思う。

東急多摩川線にのってひとつ隣の矢口渡へ。もうブログの読者には「やぐちのわたし」と駅名の読み方を示さなくても大丈夫かなと思いつつ、念のために示しておく。

「燈日」(あかりび)に行く。

大丈夫、席はあるようだ。6人がけのテーブル席が1つ、2人がけのテーブル席が3つ、2人がけのカウンター席が2つのこじんまりとしたカフェである。

2人がけのテーブル席に座り、チキンカツのおろしソースがけ(燈日定食)を注文する。

おろしソースをかけたチキンカツが3枚と小鉢が2つ、味噌汁、ごはん。

チキンカツは下丸子の「喜楽亭」で月に一度食べているが、あちらは定食屋さんのチキンカツでとんかつソースをかけて食べる。こちらは盛り付けも味も上品なカフェで食べるチキンカツである。

いつものように食後にアイスカフェラテを注文し、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』を読む。

「君が影をとり戻す可能性はおそらくもうあるまいね」と大佐はコーヒーをすすりながら言った。他人に対して命令を下すことを長年の習慣としてきた人々のおおかたがそうであるように、彼も背筋をまっすぐにのばし、きちんと顎を引いてしゃべった。しかし彼には尊大なところや押しつけがましいところはなかった。長い軍隊生活が彼に与えたものはまっすぐな姿勢と規則正しい生活と膨大な量の思い出だけだった。大佐は僕の隣人としてはまず理想的といってもいい人物だった。親切でもの静かで、チェスがうまかった。(「世界の終わりー大佐ー」より)。

「世界の終わり」の主人公の「僕」は官舎の一室を住居として与えられ、そこには退役軍人が何人か住んでいる。大佐は隣人で、晴れた日は(「僕」は目を傷つけられているので外には出られない)大佐とチェスをして過ごす。なるほどね。定年後、将棋道場にいくのを日課にしてもいいけど、近所に将棋が趣味の人がいるのもわるくないと思う。でも、隣人の趣味についてはあまりよく知らない。

切りのいいところまで読んで、席を立つ。店には1時間滞在した。カフェをよく利用していると「1時間」という感覚が自然と身に着くものである。もちろん1時間いないとならないわけではなく、1時間を越えてはならないわけではないが、それは一種の適正基準であり、30分で席を立つとくつろいだ気分がしないし、1時間半滞在すると(それも追加オーダーなしで)長居をしてしまったなという気持ちになる。ただし、これは「もの思いカフェ」(ひとりで行って一人の時間を過ごす)の場合で、「おしゃべりカフェ」の場合は別の基準がある。それは時間の長さそのものではなく、「あっ、気づいたらこんなにおしゃべりをしていた」という時間の経つのを忘れる感覚である。

今日はひさしぶりに陽射しが強い。

蒲田に戻り、京浜東北線に乗って、大井町へ行く(途中でというか、ひとつ先の品川まで行って駅ナカで鳩サブレーを買ってから)。

品川駅では改札を出ないので、大井町の改札ではスイカから蒲田ー大井町間の運賃が引かれる。将来、もしスイカにGPS機能が付いたなら、蒲田ー(品川経由)ー大井町の運賃が引かれることになるのだろうか。

大井町に来たのはヤマダ電機で修理が終わったコンパクトデジカメを受け取るためである。修理に出してから10日間というのはいつもこんなものである。

おかえり。

レンズ周りのコントロールリングが固く回りにくくなったので修理に出したのだが、他にも修理(部品交換)をしてくれたようである。無償である。かたじけない。

今回は鳩サブレ―は鞄の中で割らないように注意した。

10羽とも無事だった。

食卓の上に置かれて常備食のようなものになる。和風の旅館に行くと部屋のちゃぶ台の上にお菓子入れがあって、ウェルカム・スイーツみたいな感じにお菓子が入っているけれど、あの感じですね。

「鳩サブレー、ほんと飽きないよね」

昼寝(もう夕方だけど)をする。

夕食は麻婆茄子、鶏肉と野菜のスープ、白菜の漬物、ごはん。

食事をしながら『プレバト』を観る。陶芸の先生が老人から芸大出の若い人に変わった。

デザートはルビー・グレープフルーツ。

「剥いてあげるんですか?!」

食べやすくて、みかけもきれい。

今日は原稿はあまり捗らなかった。

風呂から出て、今日の日記を付ける。

2時、就寝。