前々回・前回に続いて台湾苗栗県・泰安温泉郷の温泉を巡ります。今回は温泉郷の入口に位置している「虎山温泉会館」です。河岸の絶壁にしがみつくようにして設けられた2層式の駐車場に車を止めて、吊り橋を渡って温泉へと歩いて向かいます。「虎山温泉会館」は川の大きな中洲に建てられているんですね。
長い吊り橋の先は、とても中洲と思えないほど広く、木々が鬱蒼と茂っています。
橋を渡りきったところでは、飼われているアヒルたちが私の姿を見るやいなやグワッグワッとけたたましく騒ぎはじめました。番犬ならぬ番禽といったところでしょうか。
木立に囲まれた静かで緑豊かな敷地です。まずは総合受付で料金を支払い、「泡湯券」を受け取ります。
総合受付の左手前に温泉棟の入口があり、そこのカウンターで券を差し出すと、貸バスタオルとともにミネラルウォーターを手渡してくれました。受付のお兄ちゃんは宍戸開を10歳くらい若くしたような顔立ちで、お風呂は「很熱(とても熱い)」だから水を2つ持っていけと笑顔を浮かべながら頻りに奨めてくれました。なおミネラルウォーターは自由に浴室へ持ち込んでOKのようです。
脱衣室はこんな感じでちゃんと手入れされており、ロッカー(10元有料)やドライヤーも完備されています。なおこちらのお風呂は裸で入浴しますので、日本人には嬉しい限り。そういえばこの日に泰安温泉郷で入った温泉は3箇所とも全裸入浴でした。台湾でも日式(日本式)の全裸入浴が本格的に市民権を得てきましたね。
浴室は広々としており、いろんな浴槽が設けられています。手前側の曲線を描いている2つの浴槽はいずれも温泉が張られた温浴槽でして、高温と中温に分かれており、温度計は42.3℃および43.2℃と表示していましたが、私の体感ではこれより0.5℃ほど低かったように感じられました。
画像左(上)が温浴槽で、右側が高温(43.2℃)、左側が中温(42.3℃)の設定です。両浴槽とも槽内の穴からお湯が供給され、同じく槽内にて吸引されており、加温及び循環に近い湯使いが行われているものと思われますが、浴槽縁から溢れるお湯も多いので、新鮮な源泉も常時投入されているのでしょう。お湯の鮮度は決して悪くなく、寧ろ高温槽ではなかなか良い感触が得られました。
お湯は無色透明でほぼ無臭なのですが、重曹味と共に弱いながらもはっきりとした塩味が感じられ、ヌルヌルまでは及びませんがそれに近いはっきりとしたツルツルスベスベ浴感を楽しむことができる、しっかりとした知覚的個性を有したお湯です。
なお、画像右(下)のカクカクした形の浴槽は水風呂です。常夏台湾の温泉施設に水風呂は欠かせません。
台湾ではお馴染みの沖撃浴、つまり打たせ湯も設けられています。
こちらはシャワーブース。浴室の広さの割りにはシャワーの数が少ないのですが、とにかく入浴前はこちらで体をしっかり洗いましょう。
裸で入浴するお風呂でありながら露天風呂が用意されているのは、台湾においては貴重かもしれません。中洲という外界の視線を気にせず済むような立地だからこそ可能なのかもしれませんね。露天の浴槽では内湯と同じく槽内でお湯の供給や吸引が行われており、湯加減はちょっとぬるめの37~38℃くらいに設定されていました。お湯の鮮度や浴感は内湯より劣っていましたが、その湯加減ゆえに体に負担なく長湯することができ、川から吹き込んでくるそよ風を感じながら、スッポンポンのまんまでのんびり過ごす一時は実に爽快でした。
料金が少々高めである点は気になりますが、お湯の浴感は良いですし、設備面もまずまずなので、温泉にうるさい日本人でも満足していただけるのではないでしょうか。
碳酸氫鹽氯化物泉(ナトリウム-炭酸水素・塩化物泉)
41.4~42.2℃(50℃(*)) pH7.5
HCO3-:1860mg(*), 総溶解個体量2660mg(*)
(*)印の数値のみ、別の分析表より抜粋(2007年12月31日のデータ)
苗栗県泰安郷圓墩73号 地図
037-941001
ホームページ
10:00~22:00
300元
ロッカー(有料10元)・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★