春陽温泉の源泉地帯に辿りつけず、立て続けに野湯・秘湯探索に挫折した私は、お金を払って安易に利用できる温泉に救いを求めたくなり、バイクに跨って辺りをウロウロしてみることにしました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/b4/2c9780fc3e203700d03d04ed6ca591e6.jpg)
特に当地で目をつけていた施設は無かったのですが、とりあえず源泉地帯の探索スタート地点から近いところにある「○観温泉営地」へ立ち寄ってみることにしました。名称の「観」の字は○で囲まれていますが、ブログでそんな表記はできないため、ここでは「○観」と表記させていただきます。また営地とはおそらく露営、つまりキャンプ場という意味だと思われます。こちらをはじめとして春陽温泉の多くの施設は河岸のワイルドなロケーションを活かしてキャンプ場を併設しています。
敷地に入るとサーカス小屋のような丸い建物が目に入ってきました。春陽を俯瞰した画像で確認しても、この大きな建物がはっきりとわかりますが、これこそ温泉浴場なのであります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/b0/ee812a1895df3913568ad472b59f4c45.jpg)
だだっ広い敷地内には温泉施設の他にキャンプ場があるのですが、受付小屋のまわりはいろんな物が雑然と放置されており、せっかくの広い空間もゴチャゴチャしていて勿体ない…。
ガレージにバイクを止めると、応対すべく小屋からおばちゃんがやってきたのですが、私が日本人であることを理解すると、おばちゃんは奥の方から一人のお爺ちゃんを連れてきました。勘の良い方ならもうお分かりかと思いますが、戦前生まれの台湾のご老人は日本語を話せる方が多く、このお爺さんも日本語世代のお一人なのです。おかげさまで滞りなく受付を済ませることができました。
サーカス小屋のようなこの建物は、円周に沿って個室風呂が並んでおり、中央には露天風呂が設けられております。お爺さんに伺ったところ、個室と露天の両方を利用して良いとのことですので、お言葉に甘えて両方に入浴させていただきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/05/07709e3164c5b62d042b759c28dbc210.jpg)
まずは個室風呂から入ってみましょう。室内の構造は台湾の一般的な個室風呂そのものですが、部屋の広さも浴槽の大きさも台北近郊の温泉より一回り大きく、また透明なアクリル波板が屋根に用いられているおかげで室内が明るいので、比較的ゆとりを持って利用することができました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/91/5fd58df265719ea59216e87869a33eaa.jpg)
お湯のバルブを開くとドバドバと源泉が吐出され、全開にすれば数分で浴槽が満たされました。湯口に温度計を突っ込んでみると45.8℃でした。お湯はほんのり赤み掛かった薄い黄色の透明で、重曹味や非鉄系の金気味を伴う重炭酸土類泉的な味や匂いが感じられます。日本の温泉で例えるならば、山形県・肘折温泉のお湯を薄くしたような感じです。重曹が効いているのか、入浴中はツルスベ浴感があり、湯上りはすっきりさっぱりしました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/f4/84b2939440856f6597ea59c5445a9495.jpg)
続いて中央の露天風呂へ。こちらは水着着用です。養魚場を連想させるコンクリの丸い大きなプールは温泉風情に欠けますが、そのうち3分の2は空っぽになっており、残りの3分の1にお湯が張られていました。それでも充分に広く、一人では持て余してしまった程です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/4e/969bb2f184d82f2428b937f79ca99be8.jpg)
この日は、私が来るまで入浴客はいなかったのでしょうけど、にもかかわらず誰もいない浴槽へ惜しげも無く源泉が大量に注がれており、私が湯船へ体を沈めるとザバーっと音を響かせながら豪快にオーバーフローしていきました。こちらの湯口で温度を計測したら50.1℃でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/1c/d82b245a9d12179d4c1b4c5cd245d568.jpg)
湯船は43.5℃で日本人でもちょっと熱く感じられる湯加減でしたが、加水の無い完全かけ流しですから、多少のぼせても入り続けていたくなる程お湯の鮮度は素晴らしいものでした。
これで頭上の黄色いビニールのビラビラが無ければ良いのですが、これは台湾の方の好みですから致し方ありません。むしろ今まで挫折を繰り返していましたが、ようやくここに至って温泉にありつけ、しかもそのお湯がかなり鮮度の良いものであったため、嬉しさのあまりについつい自己撮りしてしまいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/1a/b4a46bdb9511e95aa779acbfb6afe0fb.jpg)
(分析表の画像はクリックで拡大)
ドライヤーや水着用の脱水機も利用可能。ドライヤーの傍には温泉分析表が掲示されているのですが、この表がなかなか興味深く、当施設のデータのみならず春陽の他の源泉、そして廬山温泉の各源泉のデータについても列挙され、比較できるようになっているのです。これらのデータによれば、どの源泉も陽イオンはNa+が、陰イオンはHCO3-が多い重曹泉型の泉質となっているようですが、とりわけ「○観温泉」で使用している源泉はTDS(溶解性蒸発残留物)が最も多く、HCO3-もご近所の「野百合温泉会館」の源泉に次いで2番目に多いのが特徴的です。なるほど数値が示すように、春陽温泉の他源泉や廬山温泉のお湯に比べてこちらのお湯は知覚面がはっきりしていて濃いように感じられます。設備面では面白みに欠けるかもしれませんが、泉質重視で考えるならば利用価値は十分にあるかと思います。
泉質名不明(ナトリウム-炭酸水素塩泉かと推測される) TDS2000mg, Na+:727.0mg, Ca++:30.2mg, SO4--:94.7mg, HCO3-:2150mg,
南投県仁愛郷春陽村虎門巷135 地図
0911-755444
受付時間不明(場内の掲示によれば入浴可能時間は夜23時まで)
入浴150元
ドライヤーあり
私の好み:★★★
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/17/aaf68ea4e3d0475c62a881d2950fb9ef.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/b4/2c9780fc3e203700d03d04ed6ca591e6.jpg)
特に当地で目をつけていた施設は無かったのですが、とりあえず源泉地帯の探索スタート地点から近いところにある「○観温泉営地」へ立ち寄ってみることにしました。名称の「観」の字は○で囲まれていますが、ブログでそんな表記はできないため、ここでは「○観」と表記させていただきます。また営地とはおそらく露営、つまりキャンプ場という意味だと思われます。こちらをはじめとして春陽温泉の多くの施設は河岸のワイルドなロケーションを活かしてキャンプ場を併設しています。
敷地に入るとサーカス小屋のような丸い建物が目に入ってきました。春陽を俯瞰した画像で確認しても、この大きな建物がはっきりとわかりますが、これこそ温泉浴場なのであります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/b0/ee812a1895df3913568ad472b59f4c45.jpg)
だだっ広い敷地内には温泉施設の他にキャンプ場があるのですが、受付小屋のまわりはいろんな物が雑然と放置されており、せっかくの広い空間もゴチャゴチャしていて勿体ない…。
ガレージにバイクを止めると、応対すべく小屋からおばちゃんがやってきたのですが、私が日本人であることを理解すると、おばちゃんは奥の方から一人のお爺ちゃんを連れてきました。勘の良い方ならもうお分かりかと思いますが、戦前生まれの台湾のご老人は日本語を話せる方が多く、このお爺さんも日本語世代のお一人なのです。おかげさまで滞りなく受付を済ませることができました。
サーカス小屋のようなこの建物は、円周に沿って個室風呂が並んでおり、中央には露天風呂が設けられております。お爺さんに伺ったところ、個室と露天の両方を利用して良いとのことですので、お言葉に甘えて両方に入浴させていただきました。
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まずは個室風呂から入ってみましょう。室内の構造は台湾の一般的な個室風呂そのものですが、部屋の広さも浴槽の大きさも台北近郊の温泉より一回り大きく、また透明なアクリル波板が屋根に用いられているおかげで室内が明るいので、比較的ゆとりを持って利用することができました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/91/5fd58df265719ea59216e87869a33eaa.jpg)
お湯のバルブを開くとドバドバと源泉が吐出され、全開にすれば数分で浴槽が満たされました。湯口に温度計を突っ込んでみると45.8℃でした。お湯はほんのり赤み掛かった薄い黄色の透明で、重曹味や非鉄系の金気味を伴う重炭酸土類泉的な味や匂いが感じられます。日本の温泉で例えるならば、山形県・肘折温泉のお湯を薄くしたような感じです。重曹が効いているのか、入浴中はツルスベ浴感があり、湯上りはすっきりさっぱりしました。
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続いて中央の露天風呂へ。こちらは水着着用です。養魚場を連想させるコンクリの丸い大きなプールは温泉風情に欠けますが、そのうち3分の2は空っぽになっており、残りの3分の1にお湯が張られていました。それでも充分に広く、一人では持て余してしまった程です。
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この日は、私が来るまで入浴客はいなかったのでしょうけど、にもかかわらず誰もいない浴槽へ惜しげも無く源泉が大量に注がれており、私が湯船へ体を沈めるとザバーっと音を響かせながら豪快にオーバーフローしていきました。こちらの湯口で温度を計測したら50.1℃でした。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/1c/d82b245a9d12179d4c1b4c5cd245d568.jpg)
湯船は43.5℃で日本人でもちょっと熱く感じられる湯加減でしたが、加水の無い完全かけ流しですから、多少のぼせても入り続けていたくなる程お湯の鮮度は素晴らしいものでした。
これで頭上の黄色いビニールのビラビラが無ければ良いのですが、これは台湾の方の好みですから致し方ありません。むしろ今まで挫折を繰り返していましたが、ようやくここに至って温泉にありつけ、しかもそのお湯がかなり鮮度の良いものであったため、嬉しさのあまりについつい自己撮りしてしまいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/7b/4c0ea11e8d28d49d9cb5d51a4326df99.jpg)
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(分析表の画像はクリックで拡大)
ドライヤーや水着用の脱水機も利用可能。ドライヤーの傍には温泉分析表が掲示されているのですが、この表がなかなか興味深く、当施設のデータのみならず春陽の他の源泉、そして廬山温泉の各源泉のデータについても列挙され、比較できるようになっているのです。これらのデータによれば、どの源泉も陽イオンはNa+が、陰イオンはHCO3-が多い重曹泉型の泉質となっているようですが、とりわけ「○観温泉」で使用している源泉はTDS(溶解性蒸発残留物)が最も多く、HCO3-もご近所の「野百合温泉会館」の源泉に次いで2番目に多いのが特徴的です。なるほど数値が示すように、春陽温泉の他源泉や廬山温泉のお湯に比べてこちらのお湯は知覚面がはっきりしていて濃いように感じられます。設備面では面白みに欠けるかもしれませんが、泉質重視で考えるならば利用価値は十分にあるかと思います。
泉質名不明(ナトリウム-炭酸水素塩泉かと推測される) TDS2000mg, Na+:727.0mg, Ca++:30.2mg, SO4--:94.7mg, HCO3-:2150mg,
南投県仁愛郷春陽村虎門巷135 地図
0911-755444
受付時間不明(場内の掲示によれば入浴可能時間は夜23時まで)
入浴150元
ドライヤーあり
私の好み:★★★