文化逍遥。

良質な文化の紹介。

D'Addario,EHR350(012-052)

2013年06月23日 | ギター
ギター弦の話、ふたたび。

Ehr350

このダダーリオのEHR350は、ハーフラウンドとパッケージにあるとおりの弦で値段もフラットワウンドとラウンドの中間。
フラットワウンドではブライトさが足りないしラウンドでは少しシャリシャリすると感じていたので試しにリゾネーター・ギターに張ってみた。どっちつかず、と言えば言える。が、フィンガーノイズを抑えてブライトさを残すことには成功している。ただ、マグネチックピックアップで音を拾うエレキで使うのならアンプからはフィンガーノイズは原理的にでないので必要とは感じない。問題はピエゾPUで使った場合で、どの程度フィンガーノイズが気になるかだ。これは、いずれL-5にでも張ってみるつもりなのでその時までの宿題にしておこう。

それにしても、やけにカタカナ語が多くなってしまった。若い人の事を笑えないなあ。すみません。


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D'Addario-EFT16(semi-frat Phosfphor Bronze,012-053)

2013年04月27日 | ギター
25日、田端義夫さんが亡くなった。94歳だった。
懐メロ歌手というイメージが強いが、実はギターもうまい人だった。ある友人の話によると、古いカントリーブルースも弾きこなした、という。いつか生の演奏に触れてみたかったが、その機会は無くなってしまった。ドキュメンタリー映画『オース、バタヤン』が近く公開されるということなので、ぜひ観てみたい。合掌。


さて、弦の話。
Eft16

これは、フォスファー・ブロンズながら表面をセミフラットに特殊加工してある弦。音質は、普通のフォスファー・ブロンズよりメローな落ち着いた感じになる。フィンガー・ノイズがほとんど出ないのが大きな特徴で、録音やスライド奏法に向いている。仕事のないときに録音作業をしているので、メインのギブソンやソニードなどに張っている。ただ、どうしても値段が高くなる。標準的なブロンズ弦に比べ倍近い。エリクサーなどのコーティング弦でもフィンガー・ノイズはかなり少ないので、入手しやすいことや耐久性を考えればコーティング弦の方が使い勝手が良いと言える。
留意すべき点がひとつある。それはマーチン系の「鈴鳴り」といった音を好む人には、この弦はこもった感じにも聞こえるかもしれないのでお薦めできないこと。ある意味、音質よりも使用目的を重視して設計された弦と言えるだろう。


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PU

2013年03月30日 | ギター
Img_0975
さて、これはなんでしょう・・・ってタイトル見ればわかるか。

Img_0976
自作のアコースティックギター用ピックアップでした。
このエピフォンのギターは、もともとはアーチトップのギターをフラットトップにしたような構造なので、弦を張り換える際スチールのフラットワウンドにしてみたところなかなか渋い音になった。そこまでやると、ピックアップを付けてみたくなりテレキャスターのガードを切ってジョー・バーデンのストラトサイズPUをマウントしてみた。
ソリッドのギターに比べればフィードバックしやすいのは仕方がない。が、大音量を必要としなければ音質も良いしエアー感があり、これで十分、と思った。ただし、ホ-ルをふさいだ分生音の抜けは悪くなる。あたりまえだけどね。でも、予想していた程の音質低下ではなかった。さらに注意すべき点がひとつある。それは、このピックアップはエレキギター用なのでスチールの弦を張っていないと十分な出力は出ないこと。すなわち、ブロンズ弦では基本的に使えない。
仕事がないと、こんな事ばっかりやってんだもんなあ。いい歳して・・。
さて、どうやってギターにマウントしたか・・・は企業秘密、という訳ではないがギターの塗装にダメージを与える可能性があるのでここでは書かないことにする。やってみたら後悔した、と言われても責任とれないもんね。それでも知りたい人はメールで問い合わせてみてください。アドレスは、プロフィールのところから入れば出てます。あるいは、ホームページにもでてますので、そちらからでも可能です。


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HANNABACH―ナイロンギター弦

2012年06月19日 | ギター
久々にナイロンのギター(ソニード)の弦を換えた。
普段はスチール弦のギターを弾いているので、ナイロン弦はどこのメーカーが良いのかわからない。
ソニードの山本さんが推奨していたダダーリオを張っていたのだが、どうも高音が弱い。そこで今回は少し値が張るが、ドイツ製の「HANNABACH」を使ってみることにした。「ハンナバッハ」と発音するのだろうか。

Hannabach

けっこう高音域の抜けが違う。ナイロン弦でも品質にずいぶん差があるもんだ。
ナット幅が狭いスチール弦のギターを弾く時には左手の親指を使ったりして、いわゆるセーハという押さえ方はあまりしない。
それに比べてクラッシックギターでは大なり小なりセーハすることが多いのだが、綺麗に音が出ない。それもあって、ロウ‐テンションのセットにしたのだが、やはりイマイチだ。どうも押さえ方が、基本的に良くないらしい。まあ、何十年もフォークギターを弾いてきたのだから無理もない。そもそも、左足を台の上に置いて抱えて弾く事には違和感があって、ギターにピンを打ちストラップを使って弾いている。クラッシックのギター奏者がみたら笑われそう。

押弦のしやすさ、ということでは以前使ったことがあるSAVAREZが良かった。が、この弦は高音弦がアリアンス(alliance)低音弦がコラム(corum)となっていて、材質を特殊加工したものらしい。あまり、こだわるべき事ではないだろうが。


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ShadowピックアップSH NFX-AC

2012年04月19日 | ギター
録音作業をしていく上でいつも感じることは、12弦ギターの音がどうもうまく入ってくれない、ということ。
まあ、腕も悪いのだろうが、なんとなくピントが合ってないと言うか、ボヤけた音になってしまう。
そこで、ドイツのメーカー「シャドーShadow」のピエゾ・ピックアップSH NFX-ACを試してみることにした。

Shadow
左側の黒くて細い部分がトランスデューサー。厚みが約1mmあるので、サドルを新たに用意して下側と一弦側をトランスデューサーの厚み分を削った。写真で見てわかるようにボタン型の電池CR2032を入れるプリアンプ付きで、ブリッジに穴を開けなくても装着できる構造になっている。

Epi12pu
エピフォンの12弦ギターに装着したところ。1弦が切れている。
感度の良いPUなのだが、サドルに当たる弦の角度が小さく、トランスデューサー部分にかかる圧力が不足する為か、いまいち出力が出ない。また、トランスデューサー部分が思ったよりもやわらかいので、生音もけっこう変わり、高音が出にくくなった感じだ。しかし、まあ、とりあえずこれで録音してみることにしよう。

というわけで、やってはみたが、やはり1コース(1・2弦)の圧が足らない。やむなくストリング・ガイドをつけた。
Stringguide
かなりな改善がみられ、これならいけそうだ。


たいして売れないCDを作るために、時間と金をかけてここまでやる必要があるのか、と自分でも思う時がある。
ところがである、確信していることだが、こうした作業がかなり仕事に役立っている。
わたしは文系の人間で、工作や電気的知識などあまり持ち合わせていない。
文書等の写真を撮る仕事を長年続けてきたが、当然カメラは電気仕掛けで、その構造的なことまでは理解できない。
が、なんとか支障なく機械を操作して仕事を続けて来られたのは楽器を続けてきたからだと思っている。
楽器のメンテナンスやピックアップの装着など、いろいろやっていく上で得られたものは少なくない。
特に、電気的な知識はほとんどギターに関連して得たものを応用して理解することが多かったのだ。
テスターなどというものも、断線している箇所を探す程度に使うだけだが、それでも使ったことがあるのと無いのとでは随分と違う。

もっとも、失敗して後悔することも多く、道具や部品も捨てないのでたまって増えてゆく。

最近は物をやたらと処分するのがはやっているようだが、少なくとも何かを作ろうとする者はやたらと物を捨てるものではない。
一見して、何の役にもたたないものが、意外と後で利用できることが多いし必要なパーツがいつも手に入るとは限らない。
当然荷物が増える。
寝る場所にも困るようでは仕方ないが、うまく整理して何がどこにあるか分かるようにしておきたいものである。



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ジョー・バーデン ピック・アップ two tone

2011年12月31日 | ギター
 思うところあって、ESPのエレキギターBlue Horizonのピックアップをダンカンからジョー・バーデンに交換した。

Blue1

Blue2

 ジョー・バーデンのピック・アップは極めてノイズの少ない表現力すぐれたピック・アップなのだが、高音域に少しクセがあり相性の良いギターを選ぶ必要があるようだ。つまり、音抜けとバランスの良いギターにマウントしなければピック・アップの性能が引き出せない。その点では、このESPのギターは相性が良いと感じられた。良質のメイプルとマホガニーの組み合わせはやはり音質のバランスが優れている。これも試行錯誤を繰り返したであろう先人達の知恵。先人達の汗に感謝したい。
 ちなみにジョー・バーデンのピック・アップには、シングル・ダブルの切り替えが出来る4芯のものと、ここでマウントした2トーンと言われる文字どうりのコイルタップ型がある。2トーンは二つのコイルそれぞれから途中で線を引き出してある。したがって、6芯になっていて、ホットとコールド以外の4本のコードをスウィッチ・ポットなどにつないでハムバッカーに近い音とシングル・コイルに近い音とを切り替えることが出来る。値段は2トーンの方が2割ほど高くなるが、どちらがよいかは好みの問題で、値段が高い方が良いという訳ではない。


 今日は、大みそか。関東地方は、このところ雨らしい雨が降っておらずカラカラに乾燥している。この前いつ雨が降ったか、と聞かれても思い出せない。明日は、お正月。実感が湧かないなあ。

 めでたさも 中くらいなり おらが春 (小林 一茶)

 こういう句が身に沁みてわかるようになってきた。歳かねえ。ちなみに、一茶というと信州のイメージが強いが江戸に居た頃は今の千葉県に知り合いが多く、上総・下総に縁の深い人でもある。
 もう一句、わたしの好きな江戸川柳。

 元日や 今年も来るぞ 大晦日



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サドル交換

2011年06月17日 | ギター
 今回はJ-45のサドルとブリッジのピンを交換した修理記録。 
J-45の3弦あたりを弾くと、ブーンという共振音に近いビビった音がする様になってしまった。自分なりに考えてみた原因としては、ブリッジのサドルやピンが古くなってきているのでガタついていて共振する、あるいはブリッジやブレーシングの剥がれなどボディに問題があり共振している、等がある。ボディの修理は自分では出来ないので、とりあえずピンとナットを交換してみようと思い、千葉のパルコにある島村楽器に行ってみた。以前は、駅前に山野楽器があってパーツも豊富に扱っていたのでそこを使っていたが、去年閉店してしまった。大型書店も少なくなってきているし、千葉も面白い店がどんどん無くなってゆく。ネットで通販の時代で自分もネットで買うことが多いので文句は言えないが、やはりさみしい気がする。
 さて手に入れたのは、サドルは例によってタスク(TUSQ)のPQ-9110(これしか無かったので買ったが、本来マーチン様なので厚みが少し合わない、サイズには注意して買うこと)で840円、ブリッジ・ピンは少しぜいたくをしてピックボーイの黒檀製で1500円。

J451
 サドルは、高さを2mm程削らなければならなかったが、ピンはほぼピッタリ。手前に写っているのが、古いナット。弦高はボトルネックを使うため、高めが好きなので約1mm高くした。
J452

J453
 フィンガー・ピッキング全盛になって低い弦高でセットされているギターが多いが、やっぱり弦高をある程度高くしてテンションを確保した方が鳴りはいいなあ。今のところ、ビビりも無くなっているし、このままの状態なら修理に出す必要もなさそうだ。東京までギターを持って行って修理してもらうと万単位のお金が飛んでゆくので、自分でやれることは失敗を恐れずにやっていくしかない。

 6/18追記
 その後1時間ほど弾いていたら、ふたたびビリだした。やっぱり、ブリッジが剥がれてきたのかなあ。J-45のブリッジに小さな丸い白い貝が象嵌してあるのは飾りではなく、ブリッジを固定するネジの頭を隠すためのもの。カワセのマスターに聞いた話だが、当時の接着剤にはそれほど信頼性が無かったのでボルトで補強するように固定した、ためらしい。そんなこともあるのかねえ。1800年代の楽器でボルト無しでちゃんと接着してるものもたくさんあるのに。まあ、ギブソンが合理性を追求した結果、ということだろう。
 いずれリペアに出さなくては・・・世の中金がかかる事ばかりだ。うー・・・、フトコロさみしい。


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ナット交換

2011年05月27日 | ギター
 金は無いがヒマはあるので、ソニード・ギターのナットを自分で交換することにした。
 ナットは消耗品なので必要に応じて交換しなければならないが、「ナットを換えさせればリペアマンの腕がわかる」と言われるほど、簡単なようで実は繊細な作業だ。付けることもさることながら、はずす時もギターにダメージを与えてしまうことが多いので注意が必要になる。今回も、うまくはずせなかったら無理をせず早めに諦めようと考えて作業を始めた。

Nut1
 ヘッドの上に溝がなくナットが載っているタイプのギターなので、ナットの下にカッターナイフを少しずつ入れて浮かせるようにしたら、予想していたよりも簡単にはずれた。溝になっているタイプのギターだとこう簡単にははずせそうにない。この後、ボディ側に残った接着剤のカスをヤスリで取ってきれいにする。

Nut2
 新しいナットを載せてみたところ。使ったのは、グラフテック(Graphtech)社製のタスク(TUSK)PQ-4000という大きめのブランク(溝なし)ナット。ソニード・ギターはナット幅が44.5ミリ程あるので既成品は合わない。ヤスリを使って、注意深く削って合わせてゆく。タスクの材質は人工象牙ということだが、合成樹脂だろう。音の響きとしては、ストレートに伝わる感じがして他の材質に勝るとも劣らない。値段は1000円でおつりがくる程度で、なにより加工し易いのがうれしい。
 写真の下側に写っているのはさまざまな種類のヤスリ。子供の時から何でも自分でやるのが好きだったので、道具はいろいろ揃っている。そのわりには、なにをやっても下手で、お袋に「いたずらして壊すんじゃないよ」とよく叱られた。
 
Nut3
 なんとか無事に装着。このあと微調整して、自分に合う高さまで弦高を落として完成。
最終的には満足、と言いたいところだが、高めの弦高が好きなのに少し削り過ぎて低めになってしまった。まあ、完璧にはほど遠いがなんとか使えるので、60点といったところかな。時間を惜しまず一日かけてやったが、やっぱり微妙なところで不満が残ったりする。お金がある人、ギターを傷つけたくない人は、専門のリペアマンに頼むのが無難なところ。


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ヴォヤージ・エアー

2011年03月10日 | ギター
 久々にお茶の水を歩き、カワセ楽器さんにも寄ってきました。
Otyanomizu
駅のホームからお茶の水橋・神田川方向を携帯で撮影。早咲きの桜が咲き始めている。

さて、試奏させてもらったのはネックを折りたためるVoyage-airのVAD-04という比較的安価な、サイドとバックが合板のタイプ。
カワセさんが取り扱いを決めただけあって、思ったよりもずっとしっかりしていて演奏性も高い。以前から、混雑した電車やバスでギターを抱えて乗るのは心苦しいものがあったが、これならかなり楽を出来るな、と感じた。今日試奏させたもらったギターなら、ピックアップ(タイプにもよるが)を取りつけても10万円くらいで買える。ツアーに出る人はギター以外にも荷物が多くなるので、持ち運びやすいVoyage-airはかなり人気があるようだ。こういう新しい発想のギターはこれから各ギターメーカーが参入してくると思う。安定していて、しかも音質も運びやすさも耐久性も優れたギターがどんどん出てくるのは良いことだと思う。
Img



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