文化逍遥。

良質な文化の紹介。

神保町書店街

2011年11月18日 | まち歩き
 16日の水曜日は午前中で仕事が終わったので、午後は神保町の書店街を少し歩いてみた。

 変わったなあ。活気が無くなり、全体に縮小した感は否めない。自分も欲しい本‐特に専門書は、インターネットで検索して買い求めることが多くなったので、神保町に足を運ぶ人が少なくなったことは容易に想像がつく。

 おそらく、取り次ぎを中心にした本の流通システムはすでに時代遅れになっているのだろう。

 私が学生の頃(すでに30年の歳月が流れたが)この街の書店は言うに及ばず、路地裏には小さな印刷会社や出版社が軒を連ねインクの匂いが街を覆う中で多くの出版関係者が働く姿を見ることが出来た。この街が出版文化の一大拠点なのだと実感したものだった。今は、街の再編が進み、大きなビルとこぎれいな店がそれに代わっている。裏どうりの縁台で煙草を吸って休憩していた印刷工の姿は遠い過去のものとなった。おそらく、これからの神保町は、特価本や「なんでも鑑定団」に出てくるような骨董的価値のある古書を買い求める人が訪れる街になってゆくのだろう。寂しいが、これも時代の流れ。なにしろ端末に数万冊分の情報が入れられる時代なのだ。狭い部屋に本が無くなって広くなるのはいい。が、手垢の付いていない真新しい本のページをめくる喜びを若い人たちのも知ってもらいたいと思う気持ちも捨てきれない。歳かなあ・・・。


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