文化逍遥。

良質な文化の紹介。

加曾利貝塚

2011年11月24日 | 考古・エッセイ
 千葉市郊外にある縄文遺跡、加曾利貝塚は日本でも有数の規模で国の史跡でもある。
今は緑豊かな公園のようになっており、博物館や復元された住居、貝の層が見られるようになっている。
ウチの墓はこのすぐ近くにあるので、23日は墓参がてら足を延ばしてみた。千葉市の中心部に近い自宅からは自転車で30分ほどで行ける。ちょうど紅葉の季節で、遺跡内は爽やかな空気につつまれており、何か得をした様な気持ちになれた。

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 復元された縄文時代の住居。携帯電話のカメラで撮影。逆光気味だが、向こう側に人がいて順光で撮れなかった。
まだ鉄のノコギリなど無い時代、当時の人は石斧で木を切り出して蔓などで縛って作ったと思われる。当時、これだけの家があったら今でいう「豪邸」だったろう。
 ここは現在はかなり内陸部なのだが、縄文時代は気候が温暖だったようで当時の海岸線は今よりかなり内陸部に入りこんでいたようだ。それでもここのすぐ近くが海岸だったわけではない。このすぐ裏側、少し下がったところにある川を利用して海から魚介類を舟で運んだのではないかと言われている。その川が下の坂月川。

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 とても千葉市内とは思えない風景。川は直接には写っていないが、中央右にある橋の下に流れている。川沿には遊歩道があり、その奥に千葉タウンモノレールが写っている。
 縄文時代と言うと原始的なイメージがあり、また、貝塚というと貝殻しか出て来ないように思われがちだ。が、実際には貝に交じって黒鯛などの多くの魚の骨が出てきており、この遺跡を見ると当時の食生活はかなり豊かで流通も発達していたことが想像できる。


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