文化逍遥。

良質な文化の紹介。

山本邦山師を悼んで

2014年02月15日 | 音楽
2/10、尺八の山本邦山師が亡くなった。76歳だった。
基本的には都山流尺八奏者なのだろうが、ジャンルを超えて優れた活動をした人でジャズ・プレーヤーとの共演も多い。

Houzan
この教則本は、譜面を基にした尺八奏法の解説および曲の紹介をしているもの。わたしは、尺八を持ってはいるものの、やっと音が出せる程度なので、この本を十分に活用するに今だ至っていない。いつか、独奏曲までいけたらいいと思っている。が、なかなか想いがままならない。

音源は、図書館で借りてきたCDを録音した『人間国宝シリーズ』と、尺八のオムニバスCDに入っている『鶴の巣籠』を持っているだけだ。
その中では、「石清水」、「木枯」など都山流尺八の神髄とも言える曲が秀逸。琴古流・都山流ともに、自然の音および鶴や鹿などの動物の声を尺八で表現した曲が多い。どちらも、自然界の音を楽器に置き換えたものだ。若い頃は、それが音楽的に意味があるのだろうか、と疑問に感じたものだった。しかし歳を取るにつれ、人は本来聴くべき自然界の豊かな音を聴き逃していることが多いと感じる様になってきた。言葉を換えれば、豊かな自然の響きを聴くことができるように音楽によって喚起するのは大切なことだと今は思っている。

音楽を愛好する人が減ってきた、と感じる。CDショップは姿を消し、楽器店も少なくなってきた。ネットショップが中心になってきていることもあるだろうが、街がさびれていくようで一抹の寂寥感は禁じえない。

合掌


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