4/4(木)、千葉劇場にて。監督・脚本は、ネメシュ・ラースロー。主演は、ユリ・ヤカブ。ハンガリー語、ドイツ語。
1913年、第一次世界大戦が始める前年のブダペストの高級帽子店。そこは、貴婦人の美しさを際立たせるとともに、時にベールで顔を隠すさまざまな帽子を取り扱うだけでなく、皇族や貴族を相手に針子を使い裏の商売をしていた。そんな、当時のオーストリア・ハンガリー帝国の歪みを抱えたかのような店だったが、先代の娘イリスは、いつか自分の親が創った店で働こうと地方で帽子制作の修行を積み、ブダペストにやってくる・・・。
上映時間2時間22分という映画だが、サスペンスの要素を含み、それほど長いとは感じさせない作品だった。ヨーロッパの近代史は複雑で、なかなか理解しがたい。興味深かったのは、庶民の話しているのがハンガリー語で、貴族などがドイツ語を話していたらしい事だった。それにより、第一次世界大戦直前のオーストリア・ハンガリー帝国がいかにドイツと深く結びついていたか、あるいは庶民が貴族と乖離していたか、その一端が垣間見えたような気がした。
それにしても、わたしもけっこう映画は観ているつもりだが、登場人物が誰一人笑顔を見せない、そんな作品は始めて観た。当時の閉塞した社会情勢をそれにより表わす意図もあったのだろうか。重い作品だが、観る価値はある、と感じた。
1913年、第一次世界大戦が始める前年のブダペストの高級帽子店。そこは、貴婦人の美しさを際立たせるとともに、時にベールで顔を隠すさまざまな帽子を取り扱うだけでなく、皇族や貴族を相手に針子を使い裏の商売をしていた。そんな、当時のオーストリア・ハンガリー帝国の歪みを抱えたかのような店だったが、先代の娘イリスは、いつか自分の親が創った店で働こうと地方で帽子制作の修行を積み、ブダペストにやってくる・・・。
上映時間2時間22分という映画だが、サスペンスの要素を含み、それほど長いとは感じさせない作品だった。ヨーロッパの近代史は複雑で、なかなか理解しがたい。興味深かったのは、庶民の話しているのがハンガリー語で、貴族などがドイツ語を話していたらしい事だった。それにより、第一次世界大戦直前のオーストリア・ハンガリー帝国がいかにドイツと深く結びついていたか、あるいは庶民が貴族と乖離していたか、その一端が垣間見えたような気がした。
それにしても、わたしもけっこう映画は観ているつもりだが、登場人物が誰一人笑顔を見せない、そんな作品は始めて観た。当時の閉塞した社会情勢をそれにより表わす意図もあったのだろうか。重い作品だが、観る価値はある、と感じた。