4/11(木)、千葉劇場にて。監督・脚本トーマス・スチューバー、原作・脚本クレメンス・マイヤー。ドイツ語。
旧東ドイツのライプチヒ近郊。社会主義経済から資本主義経済に急転換した混乱の中で、大きなスーパーマーケットで働く3人が主な主人公になっている。かつては少年院に入っていたこともあり、全身に刺青を施した青年クリスティアン(フランツ・ロゴフスキ)は、口下手だがなんとか仕事を憶えようとしている。そのクリスティアンが、淡い恋心を寄せる人妻マリオン(サンドラ・ヒュラー)は、時に夫から暴力を振るわれ、笑顔の奥に苦しみを滲ませている。もう一人、クリスティアンの仕事の指導に当たる54歳のブルーノ(ペーター・カース)は、かつてアウトバーンを走るトラックの運転手だった。が、今はフォークリフトで主に飲料を店に補充する仕事の責任者で、自分の仕事や生活に疑問を持ち苦しんでいて・・。
原題は『In Den Gängen』で、直訳すれば「歩みの中で」といったところ。なお、英題は『In The Aisles』になっていて、直訳で「通路のなかで」といった感じ。邦題は、かなり原題から離れている。おそらく原題は、上のリーフレットの写真に見られるように、アウトバーンの横やスーパーの店内を歩くクリスティアンの姿に、時代の波に翻弄されながらも必死に前に進もうとする人々を象徴させたのだろう。佳作、と云える。
さらに余談。映画の終わり近くに挿入歌としてサン・ハウスの『Grinnin' In Your Face』が使われていた。おそらく、1965年録音のものと思われる。「デルタ・ブルースの真髄」と云っても過言ではない曲で、まさかドイツ映画を観ていてこの歌を聴くとは思わなかった。歌詞の内容は「他人に馬鹿にされても気にしちゃいけない・・・」といったもので手拍子だけで歌われる。かつて多様なテーマを歌っていた時代の遺産ともいえるブルースで、ゴスペルの要素も含んでいる。わたしも、いつかサン・ハウスのように深いテーマのブルースを自然に歌いたいものだ。また、「とんだり跳ねたりするのはブルースとは言えない」というサン・ハウスの言葉を、いつも胸の深いところに刻み込んでいる。
旧東ドイツのライプチヒ近郊。社会主義経済から資本主義経済に急転換した混乱の中で、大きなスーパーマーケットで働く3人が主な主人公になっている。かつては少年院に入っていたこともあり、全身に刺青を施した青年クリスティアン(フランツ・ロゴフスキ)は、口下手だがなんとか仕事を憶えようとしている。そのクリスティアンが、淡い恋心を寄せる人妻マリオン(サンドラ・ヒュラー)は、時に夫から暴力を振るわれ、笑顔の奥に苦しみを滲ませている。もう一人、クリスティアンの仕事の指導に当たる54歳のブルーノ(ペーター・カース)は、かつてアウトバーンを走るトラックの運転手だった。が、今はフォークリフトで主に飲料を店に補充する仕事の責任者で、自分の仕事や生活に疑問を持ち苦しんでいて・・。
原題は『In Den Gängen』で、直訳すれば「歩みの中で」といったところ。なお、英題は『In The Aisles』になっていて、直訳で「通路のなかで」といった感じ。邦題は、かなり原題から離れている。おそらく原題は、上のリーフレットの写真に見られるように、アウトバーンの横やスーパーの店内を歩くクリスティアンの姿に、時代の波に翻弄されながらも必死に前に進もうとする人々を象徴させたのだろう。佳作、と云える。
さらに余談。映画の終わり近くに挿入歌としてサン・ハウスの『Grinnin' In Your Face』が使われていた。おそらく、1965年録音のものと思われる。「デルタ・ブルースの真髄」と云っても過言ではない曲で、まさかドイツ映画を観ていてこの歌を聴くとは思わなかった。歌詞の内容は「他人に馬鹿にされても気にしちゃいけない・・・」といったもので手拍子だけで歌われる。かつて多様なテーマを歌っていた時代の遺産ともいえるブルースで、ゴスペルの要素も含んでいる。わたしも、いつかサン・ハウスのように深いテーマのブルースを自然に歌いたいものだ。また、「とんだり跳ねたりするのはブルースとは言えない」というサン・ハウスの言葉を、いつも胸の深いところに刻み込んでいる。