文化逍遥。

良質な文化の紹介。

ローズウッドネック

2023年05月23日 | ギター
 画像は、今年1月に入手したESPのスローバー(Throbber)というギター。と言っても、標準的なタイプではなく、オーダーされた特殊な仕様のもの。オーダーした人が、金が足らなくなったのか、あるいはどこか気に入らないところがあったのだろうか。それは分からないが、使いもせずにESPテクニカルハウスで安く委託販売に出したのを、さらに安くしてもらって買ってきた。ミント・コンディション(ほば未使用な状態)だった。


 トップはハワイアンコア、バックはマホガニー。ホロウ構造になっていて、2.8キロほどで軽い。購入時はフロントにもピックアップが付いていたが、指が当たるので外した。ピックガードは、自分で切って貼ったもの。ピックアップは、すでに2/9のこのブログで紹介したセイモア・ダンカンの「SHPR-1 P-Rails」。リアのみのシンプルなセッティングになっている。


 見ての通り、ローズウッドの指板・ネックで、セットネックになっている。今まで所有してきたギターのネック材は、メイプルかマホガニーで、ローズウッドのネックは使ったことがなかった。もっとも、ローズウッド自体が高価で、それをネック材に使っているギターは少ない。フェンダーでオールローズのテレキャスターが出ていたが、今では高価で入手困難だ。
 ネックの材質には今まで選択の余地が少なかったこともあり、あまり気にかけていなかった。メイプルは堅めだが強度があり安定している、マホガニーは柔らかいが手触りが良く手になじみやすい、と漠然と感じていた程度。今回、初めてローズのネックを使ってみて、「手に馴染みやすく、安定したすぐれた材」と感じた。もっとも、一口にローズウッドと言っても、品質にばらつきがあるだろうし、組み込みの精度にも技術的な差はあるだろう。その点では、このギターは材も木工技術も質の高いものを感じる。

 このところギターの価格が異常に高騰しているが、楽器そのものの価値ではなく、ブランドや有名プレーヤーのモデルなど付加価値で値段が上がっているように感じる。若いギタリスト、特にライブ演奏などを目指すプレーヤーには、見た目や名前に左右されることなく、チューニングの狂いが少ない安定したギターを選択して欲しい。ライブをしていると、外気と室内の温度差などギターに負荷がかかることが多く、それに十分耐えられる楽器が必要になる、と感じることが多い。

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