文化逍遥。

良質な文化の紹介。

わたしのレコード棚―北インドの音楽(1)Shivkumar Sharma & Zakir Hussain

2011年02月26日 | わたしのレコード棚
しかし、昨日は暖かかったなあ。東京にいたが、20度を超えたという。春一番は吹くし、花粉症の身にはにはつらい季節の到来だ。

さて、少しずつだが自分の持っている音源の中から気に入っているものを紹介していこうと思う。というわけで、北インドの民族音楽から。

 もともと民族音楽を聴くのは好きなのだが、表現力の豊かさでは行き着くところインドになる。ラーガと呼ばれるスケール(音階)とターラと呼ばれるリズムパターンの組み合わせが無数にあり、その豊かさにはただただ圧倒される。ラーガだけでも250はあると言われているが、ひとつのスケールもまともに使いこなせないわたしとしては、インドのミュージシャンたちの力量には頭が下がる思いだ。演奏は、ラーガの提示から静かに始まり、やがて演奏者のアドリブで次第に高揚してゆく。演奏には始めも無ければ終わりもなく、聞く者は想像を働かせて能動的に音楽を自ら組み立てなくてはならない。ここが、クラッシックやポピュラー音楽と最も違うところで、聞きなれない人にはなじみ難いところなのだろうが奥行きは比較にならないほど深いと言わざるを得ない。イージーリスニングのような聴き方をする人にはお勧めできないが、曲の形態はモダンジャズや現代音楽により近い要素を含んでいるので、その様な音楽に興味のある人は聞いてみるのも面白いかも。

Sharma
 Shivkumar Sharma(サントゥール)、Zakir Hussain(タブラ)の黄金コンビのアナログレコード。音はやっぱりレコードがいいなあ。ただ、デジタルに比べると収録可能な録音時間が短く、かさばるので置き場所を取るのが難点。民族音楽は演奏時間が一時間を超えるようなこともあるので、片面20分ほどのLPではどうしても制約になってしまう。さて、サントゥールというのは北部インド(カシミール)地方の楽器で、写真のように撥で叩く構造になっている。その点ピアノに近く、シタールのような中間音がないので西洋音楽を聴きなれた人にはなじみやすいと思う。録音は、1984年旧西ドイツになっているが、ふたりは今でも活躍しているらしい。アマゾンなどで、種類は少ないがCDも扱われている。


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