3/13(金)、千葉劇場にて。予想した通り、館内はガラガラ。入り口にアルコールも用意されていたので、入る時と出る時に手を消毒した。
内戦が続くシリア。この作品は、反政府勢力の拠点の一つとなっていたアレッポの病院に医師として働く夫を持つジャーナリストの女性が、2012年からアレッポの陥落となる2016年まで、スマホや簡易的なカメラで撮影したドキュメンタリー映画。激しい空爆や、血にまみれた子ども、妊婦、年寄りを含む様々な怪我人が死にゆく様子などがリアルに映し出されてゆく。この作品を観ていると、コロナウィルスに翻弄されながらも日常生活を送れていることがいかにありがたいことか、と感じたりした。
一方で、あくまで反政府勢力の側からの告発ともいえる映像で、報道されているような反政府勢力内部の対立や主導権争いなどは棚上げにされているし、病院として使っている建物内には、自動小銃がほんの一瞬写っていた。ドキュメンタリーとはいえ、中立的な立場からの映像は有り得ないのだ。
英題は『FOR SAMA』。 SAMA(サマ)は、「空」を意味するアラビア語で撮影者であり監督でもあるワアド・アルカティーブの娘さんの名前。雲が浮かび鳥が飛んで行く平和な空が戻ることを願って名づけられたという。アレッポの空には、政権側を支援するロシアの軍用機が飛び回るだけの状態が続いていたのだった。
資源豊かな中東で繰り返される紛争は、常に大国の利害に振り回され、弱いものが犠牲になってゆく。「基本的人権」も「人道主義」も笑い話にしかならない。無力感に苛まれる映画だが、多くの人に観て欲しい作品と感じた。
内戦が続くシリア。この作品は、反政府勢力の拠点の一つとなっていたアレッポの病院に医師として働く夫を持つジャーナリストの女性が、2012年からアレッポの陥落となる2016年まで、スマホや簡易的なカメラで撮影したドキュメンタリー映画。激しい空爆や、血にまみれた子ども、妊婦、年寄りを含む様々な怪我人が死にゆく様子などがリアルに映し出されてゆく。この作品を観ていると、コロナウィルスに翻弄されながらも日常生活を送れていることがいかにありがたいことか、と感じたりした。
一方で、あくまで反政府勢力の側からの告発ともいえる映像で、報道されているような反政府勢力内部の対立や主導権争いなどは棚上げにされているし、病院として使っている建物内には、自動小銃がほんの一瞬写っていた。ドキュメンタリーとはいえ、中立的な立場からの映像は有り得ないのだ。
英題は『FOR SAMA』。 SAMA(サマ)は、「空」を意味するアラビア語で撮影者であり監督でもあるワアド・アルカティーブの娘さんの名前。雲が浮かび鳥が飛んで行く平和な空が戻ることを願って名づけられたという。アレッポの空には、政権側を支援するロシアの軍用機が飛び回るだけの状態が続いていたのだった。
資源豊かな中東で繰り返される紛争は、常に大国の利害に振り回され、弱いものが犠牲になってゆく。「基本的人権」も「人道主義」も笑い話にしかならない。無力感に苛まれる映画だが、多くの人に観て欲しい作品と感じた。