文化逍遥。

良質な文化の紹介。

わたしのレコード棚―ブルース22、Hammie Nixon,Yank Rachel,

2011年07月02日 | わたしのレコード棚
 前回取りげたスリーピー・ジョン・エステスと共に演奏活動をした二人のブルースマン、ハミー・ニクソンとヤンク・レイチェルについて書いておこう。

 ハミー・ニクソン(Hammie Nixon,1908Brownsvill,Tenn~1984Memphis,Tenn)は、戦前戦後を通じてハーピストとしてエステスと共に活躍した。演奏スタイルは、メンフィスのジャグ・バンド風の素朴なスタイルとシカゴの都会的なスタイルを併せ持った人で、わたしの好きなハ―ピストの一人だ。実際、以前紹介したキャノンズ・ジャグ・ストンパースのハーピスト、ノア・ルイスを聞きその影響のもとハーモニカを覚え、エステスと共にシカゴに行った折にはサニーボーイ・ウィリアムソンの影響を受けたらしく、双方の要素をあわせ持っていたのも自然な事と言える。





HIGHWATERの1003。1984年1月にメンフィス大学(Memphis State University)のスタジオでディヴィット・エヴァンス(David Evans)の制作・ギターで録音されたもの。ヴォーカルもハーモニカの音も生き生きとしている名盤。ニクソンは、この年の8月に亡くなるのでこれが最後の録音と思われる。
 ディヴィット・エヴァンスは、優れたギターリストであるだけでなく、研究者でもある。下は、エヴァンスが中心となったグループ[Last Chance Jug Band]が1997年に出したCD。アクが無い演奏で、ブルース・ファンには物足りないかもしれないが、個人的には好きな一枚である。まあ、都会に生まれ住んでいるものが民謡の小節をそれらしく歌えないようなもので、仕方の無い部分もあるだろう。むしろ、異なる要素をあわせ持っている文化を楽しむ余裕を持ちたいものである。
Lastchancejugband

 
 ヤンク・レイチェル(James "Yank" Rachell,1910Brownsville,Tenn~1997Indianapolis)も戦前からエステスと共に演奏していたマンドリン・プレーヤーだが、他にもシカゴでかなりなセッションに参加している優れたミュージシャンである。戦前のエステスとの録音は、下の『RCAブルースの古典』および『続RCAブルースの古典』の中に収められている。
Bluebirdblues1

Bluebirdblues2


Yankrachell
 こちらは、シカゴで録音されたシカゴ・ブルースのスタイルでの演奏。くわしいデータは無いが、発売は1987年となっている。
ドラムスは、1985年にロバート・ロックウッド・ジュニァーと共に来日し、すばらしいシカゴのリズムを聞かせてくれたオーディ・ペイン(Odie Payne)。ギターは、フロイド・ジョーンズ(Floyd Jones)。べースは、ピート・クロフォード(Pete Crawford)。
 レイチェルは詩人としてもすぐれ、今もシカゴで歌われているレイチェルのフレーズも多いらしい。かの、B・B・キングもレイチェルのファンだという。

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