文化逍遥。

良質な文化の紹介。

2020年日本映画『椿の庭』

2021年05月13日 | 映画
 5/11(火)千葉劇場にて。監督・脚本・撮影は、上田義彦。



 登場人物や撮影地域がとても少ない作品。逆に言うと、同じ場所をほぼ1年にわたり丁寧に撮り続け、一本にまとめた作品。
 葉山の海を見下ろす高台にある古民家を移築した家に住む絹子(富司純子)。夫を亡くし49日の法要を済ませたところから映画は始まる。一緒に暮らしているのは、事情があり外国で生まれ育った孫娘の渚(沈恩敬シム・ウンギョン)で、まだ日本語になれないので今は日本語学校に通っている。二人は、手入れのゆき届いた庭とともに、豊かな自然を感じつつ静かに暮らしている。が、相続税の問題が生じて、その静謐は破られようとしていた・・・。

 上田義彦という人は、広告写真を手掛ける写真家だそうで、さすがに海や草花の変化を様々な角度から巧みにとらえて秀逸な映像が続く。ストーリー性のほとんどない映画で、映像自体の美しさを感じられないと「退屈」と思う人もいるかもしれない。映画館でしか味わえないこの様な作品は、個人的には好きで、推奨できる映画と感じる。ただ、自然の美しい側面があまりに強調されすぎている感も拭えない。

 富司純子の凛とした演技が、印象的でもあった。

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