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国立演芸場中席2024/1/19

2024年01月23日 | 落語
 1/19(金)、国立演芸場寄席に行ってきた。三宅坂の国立劇場は建て替え中なので、当分は近くのホールを借りての公演になる。この日は、四ツ谷駅から歩いて7~8分のところにある「紀尾井小ホール」で行われた。金原亭一門を中心にした、落語協会の噺家さんたちが出演。力のある噺家さんたちがずらりと並び、皆、気迫のこもった口演だった。


 主な演目を書いておく。春風亭柳朝『源平盛衰記』、金原亭世之介『堪忍袋』、金原亭馬治『片棒』、柳亭燕路『笠碁』、そして金原亭馬生は『芝浜』。『芝浜』は、下げが大晦日の設定なので1月に掛かることは稀だが、この日の馬生は除夜の鐘が鳴るという設定にして、正月に掛けても不自然ではないように工夫されていた。
 ずいぶん寄席に通ってきたが、この日のように力の入った古典落語が次から次へと掛けられた日は記憶にない。通常の寄席の公演と言うよりも「名人会」と言った方が合っている感じで、聴きごたえがあり、何か力を貰えた感じだった。年初から大きな災害に見舞われ、あるいは、聴く人を通じて元気づけようという気持ちが噺にこもったのかもしれない。


 余談ーこの日の真打金原亭馬生は十一代目。先代の十代目金原亭馬生は、五代目古今亭志ん生の息子で、古今亭志ん朝の兄、女優の池波志乃さんのお父さん。なので、池波志乃さんは志ん生のお孫さん、ということになる。先だって、無形重要文化財保持者(人間国宝)になった五街道雲助も先代馬生の弟子で、馬生や世之介の「兄弟子」になる。
 プログラムに「ホームランたにし」と見える。以前「ホームラン」という漫才コンビがあり、間合いが巧みで、わたしも好きなコンビだった。が、残念なことに、片方のカンタロウさんという方が2年ほど前に亡くなり、今は残った方が「ホームランたにし」としてピン芸人で活動しているとのこと。小野ヤスシの弟子ということだが、浅草芸人の伝統的な話術を感じさせてくれる数少ない芸人さんなので、まだまだこれからも頑張ってほしい。

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