クラッシック・ブルースでは、ベッシー・スミスやマ・レイニーといったショービジネスで成功した女性も多い。一方、数は少ないが、ギターを弾いて歌うカントリー系のブルースウーマンもいるので取り上げてみたい。
メンフィス・ミニー(Memphis Minnie)こと本名リジー・ダグラス(Lizzie Douglas)は、1897年ルイジアナ州に生まれ、10代中頃にはメンフィスに移り、街角やサーカスなどで演奏していたという。'30年代にはシカゴへ移り、'50年代なかばに体を悪くしてメンフィスに戻るまで200曲以上の録音をしたと言われている。亡くなったのは、1973年メンフィス。波乱に満ちた人生だった。
Blues Classics1。1929~'46の主にバンド形式での演奏を収めたもの。メンフィス・ミニーは、生涯に3回結婚している。最初は1920年代初めにケイシー・ビル・ウェルダン(Casey Bill Weldon)だが、これについては謎がありウェルダンの項で書いておいたのでそちらも参照していただきたい。2回目が'29年にカンザス・ジョー・マッコイ(Wilbur "Kansas Joe" McCoy)、3回目が'39年にリトル・サン・ジョー(Ernest "Little Son Joe" Lawlar)。いずれも腕利きのギターリストだが、このLPでは30年代のカンザス・ジョー・マッコイと40年代のリトル・サン・ジョーとの演奏をおもに収めている。
Blues Classics13。二度目のパートナーであるカンザス・ジョー・マッコイとの30年代の録音14曲。もしこのLPしか聴いていなければ、歌の合間にリードギターを巧みに入れているのはマッコイの方だと今でも思っていたかもしれない。上のLP―BC1でピアノをバックにセカンド・ギター無しで歌っている曲や、下のLPでミニー単独での録音を聞いて、リード・ギターもミニー自身で弾いていることが分かった時は驚いたものだった。ほとんどがシカゴでの録音だが、すでに泥臭さは無くシカゴの都会的なリズム、音使いになっている。また、ミニーはスライド・ギターも巧みで、ここでの音使いはタンパ・レッドを連想させるものがある。
マムリッシュ(Mamlish)のS-3803『Low Down Memphis Barelhouse Blues(1928-1935)』。文字どうり少し俗っぽい(Low down)歌詞の曲を集めたようで少しウンザリもするが、良い編集をしていると思われる。マムリシュは好事家が集まって作った、いわゆるコレクターズ・レーベルだが、盤のつくりは厚みがあってしっかりしているし解説も丁寧だ。ジャケットの写真は特定できないが、おそらくSouth Memphis Jug Bandで活動していた面々と思われ、中央にヴァイオリンをかまえているのはフランク・ストークスの時に紹介したウィル・バッツ(Will Batts)。
このLPを聴くと、メンフィスという場所が交通の要衝で人口の流れが多く、音楽的にも雑多な要素が混じり合っていたのがよくわかる。収められているミュージシャンの名前だけ書いておこう。
Side1: Hattie Hart. Will Shade. Robert Wilkins. South Memphis Jug Band. Kansas Joe And Memphis Minnie.
Side2: Mooch Richardson. John Estes. Jack Kelly. Jim Jackson. Memphis Minnie.
このLPの1面ではミニーのエッジの効いたスライドを2曲、2面では単独での1曲を聞ける。
メンフィス・ミニー(Memphis Minnie)こと本名リジー・ダグラス(Lizzie Douglas)は、1897年ルイジアナ州に生まれ、10代中頃にはメンフィスに移り、街角やサーカスなどで演奏していたという。'30年代にはシカゴへ移り、'50年代なかばに体を悪くしてメンフィスに戻るまで200曲以上の録音をしたと言われている。亡くなったのは、1973年メンフィス。波乱に満ちた人生だった。
Blues Classics1。1929~'46の主にバンド形式での演奏を収めたもの。メンフィス・ミニーは、生涯に3回結婚している。最初は1920年代初めにケイシー・ビル・ウェルダン(Casey Bill Weldon)だが、これについては謎がありウェルダンの項で書いておいたのでそちらも参照していただきたい。2回目が'29年にカンザス・ジョー・マッコイ(Wilbur "Kansas Joe" McCoy)、3回目が'39年にリトル・サン・ジョー(Ernest "Little Son Joe" Lawlar)。いずれも腕利きのギターリストだが、このLPでは30年代のカンザス・ジョー・マッコイと40年代のリトル・サン・ジョーとの演奏をおもに収めている。
Blues Classics13。二度目のパートナーであるカンザス・ジョー・マッコイとの30年代の録音14曲。もしこのLPしか聴いていなければ、歌の合間にリードギターを巧みに入れているのはマッコイの方だと今でも思っていたかもしれない。上のLP―BC1でピアノをバックにセカンド・ギター無しで歌っている曲や、下のLPでミニー単独での録音を聞いて、リード・ギターもミニー自身で弾いていることが分かった時は驚いたものだった。ほとんどがシカゴでの録音だが、すでに泥臭さは無くシカゴの都会的なリズム、音使いになっている。また、ミニーはスライド・ギターも巧みで、ここでの音使いはタンパ・レッドを連想させるものがある。
マムリッシュ(Mamlish)のS-3803『Low Down Memphis Barelhouse Blues(1928-1935)』。文字どうり少し俗っぽい(Low down)歌詞の曲を集めたようで少しウンザリもするが、良い編集をしていると思われる。マムリシュは好事家が集まって作った、いわゆるコレクターズ・レーベルだが、盤のつくりは厚みがあってしっかりしているし解説も丁寧だ。ジャケットの写真は特定できないが、おそらくSouth Memphis Jug Bandで活動していた面々と思われ、中央にヴァイオリンをかまえているのはフランク・ストークスの時に紹介したウィル・バッツ(Will Batts)。
このLPを聴くと、メンフィスという場所が交通の要衝で人口の流れが多く、音楽的にも雑多な要素が混じり合っていたのがよくわかる。収められているミュージシャンの名前だけ書いておこう。
Side1: Hattie Hart. Will Shade. Robert Wilkins. South Memphis Jug Band. Kansas Joe And Memphis Minnie.
Side2: Mooch Richardson. John Estes. Jack Kelly. Jim Jackson. Memphis Minnie.
このLPの1面ではミニーのエッジの効いたスライドを2曲、2面では単独での1曲を聞ける。